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💳 法人カードと法人口座を、円だけで決める — オリコ0.60%とみずほ660円から降りる

この記事は、すでに法人を持っている人と、これから小さい法人を作る人のための実務メモである。10年以上動いている法人が、オリコ EX Gold for Biz M と みずほビジネスWEB を使っている。振込は月50回、1件660円。まずこの2つが年間いくらかを公式資料だけで確定させた。銀行は年435,600円。カードの実質還元率は、公式ページ4枚を自分でたどって0.60%だった。そのうえで、券面もステータスも付帯サービスも一切数えず、円だけでカード5位・銀行5位の順位を出した。結論から言うと、銀行の年間削減額は375,600円、カードと合わせて年約50万〜63万円を毎年捨てている。10年で500万円を超える。あわせて、これから作る投資専用マイクロ法人(売上ゼロ・役員報酬ゼロ)が決算書なしで通るカードと口座も決めた。

🏆 結論 — カード5位・銀行5位と、毎年いくら捨てているか

このセクションの3点

① 法人A(既存): カードはUPSIDER(主力)+JCB Biz ONE 一般(外貨用)の2枚(どちらも年会費0円)、銀行はGMOあおぞらネット銀行に切り替える。銀行だけで年375,600円、10年で375万6,000円の差

② 法人B(これから作る投資マイクロ法人)は、JCB Biz ONE 一般+GMOあおぞらネット銀行。理由は年会費・口座維持費が0円で、法人登記中でも申込できるから

③ 順位は円だけで決めた。年会費・実質還元率(=カタログの数字ではなく、ポイントを円に直して計算し直した還元率)・海外事務手数料(=ドルなど外貨で払ったときに、カード会社が為替レートに上乗せする手数料)・振込手数料の合計だけを見て、ラウンジ・コンシェルジュ・保険は金額に換算できない限り価値ゼロとして扱った

この記事は、すでに法人を持っている人と、これから小さい法人を作る人のための実務メモである。個人向けのクレジットカードの話は出てこない。読んで得をするのは、法人名義でカードを使い、法人名義の口座から振込をしている人だけである。

375,600円

銀行だけで毎年の差

0.60%

オリコの実質還元率(現行)

7.26倍

みずほの割高倍率(対GMOあおぞら)

約500万円

10年で失う額

2つの法人 × カードと銀行 — 4つの決定

→ この図は横にスクロールできます

クレジットカード 銀行口座 法人A 2015年設立・10年稼働 借入0・純利益2,000万 振込 月50回 現行 オリコ + みずほ UPSIDER + JCB Biz ONE 主力UPSIDER(Visa)/外貨JCB(1.60%) 年会費は2枚とも0円 JCBはCloudflare不可・Vercel可 年 +204,000円(対オリコ最大差) GMOあおぞらネット銀行 月額 0円/他行宛 一律100円 みずほは口座だけ残す 435,600円 から 60,000円へ 年 −375,600円 法人B これから作る合同会社 投資だけ・資本金500万 売上0・役員報酬0 決算書が無い JCB Biz ONE 一般 年会費 0円(永年無料) 法人の本人確認書類が不要 法人口座を作る前でも申込可 与信は代表者個人を見る GMOあおぞらネット銀行 法人登記中でも申込できる 登記簿謄本・印鑑証明が不要 バーチャルオフィスでも可 年間コスト 1,200円

年会費・月額・還元率・海外事務手数料・振込手数料だけで決めた。付帯サービスは順位計算に入れていない。金額は年間カード決済3,000万円・うちドル建て600万円、振込 月50回を仮置きした場合。

法人クレジットカード 確定ランキング TOP5

順位カード年会費実質還元率海外事務手数料年間ネット便益
1JCB Biz ONE 一般0円(永年無料)1.0%1.60%+204,000円
2JCB Biz ONE ゴールド5,500円(年100万円利用で翌年度も無料)1.0%1.60%+204,000円
3UPSIDER0円1.0%〜2.2%+168,000円
4バクラク ビジネスカード0円1.0%(公式に「10月以降は0.8%」の記載あり)2.20%+168,000円(0.8%なら+108,000円)
5三井住友 ビジネスオーナーズ プラチナプリファード33,000円1.0%+継続40,000円3.63%+89,200円
圏外三井住友 ビジネスオーナーズ ゴールド0円(年100万円利用)0.5%+継続30,000円3.63%−37,800円

表の「ネット便益」は英語の net で、もらえるポイントから年会費と海外事務手数料を引いた差引の金額を指す。この順位に入れたのは、年会費・還元率(実質還元率)・海外事務手数料の3つが全部公式で確認できたカードだけである。1つでも公式に書かれていないカードは、年間いくら得かを計算できないので順位を付けなかった。この順位は、法人Aの年間カード決済3,000万円・うちドル建て600万円(20%)を仮置きして計算した。仮置きの数字である。実際の決済額・ドル建て比率が変われば順位も変わる。

計算できなかった候補

カード確認できたもの確認できなかったもの
freeeカード Unlimited年会費0円・外貨決済手数料が無料還元率(公式ページに記載なし)。還元条件次第では1位を上回りうる
マネーフォワード ビジネスカード年会費実質0円・還元1%(連携先決済3%)海外事務手数料。加えてプリペイド型のため、一部の決済先で使えない可能性
アメリカン・エキスプレス ビジネス各種年会費13,200円〜165,000円・海外事務手数料3.5%還元率(商品ページに記載なし)
セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス年会費33,000円・海外事務手数料3.85%・1,000円=1永久不滅ポイント永久不滅ポイントの円換算(公式で確認できず)
オリコ EX Gold for Biz M(現行)年会費3,300円・実質還元率0.60%海外事務手数料(商品ページ・FAQを含め公式サイトのどこにも記載がない)

法人銀行口座 TOP5

順位銀行月額他行宛1件振込600回の年間コストみずほとの差
1GMOあおぞらネット銀行(通常会員)0円100円60,000円−375,600円
2ドコモSMTBネット銀行(優遇プログラム適用)0円130円78,000円−357,600円
3ドコモSMTBネット銀行(通常)/PayPay銀行0円145円87,000円−348,600円
4ゆうちょ銀行(総合振込)0円165円99,000円−336,600円
5楽天銀行0円229円137,400円−298,200円
🤖 Claudeの判定 UPSIDER + JCB Biz ONE

法人Aは、主力をUPSIDER、外貨用をJCB Biz ONE 一般の2枚体制にする。銀行口座の振込用途はGMOあおぞらネット銀行へ切り替える。合計で年約50万〜63万円の改善になる

  • 銀行の切替だけで年375,600円の差(現行435,600円→60,000円)。10年で375万6,000円
  • 主力はUPSIDER(国際ブランドはVisa)。年会費0円・還元1.0%〜・限度額は独自与信で最大10億円。VisaなのでVercelもCloudflareも公式の支払方法リストに入っている
  • 外貨用はJCB Biz ONE 一般。年会費0円・還元1.0%・海外事務手数料1.60%は確認できた中で最安。ただしCloudflareの公式支払方法一覧にJCBは載っていない(VercelにはJCBが明記されている)ため、ドル建ての全部をJCBに寄せることはできず、JCBが通る決済先にだけ寄せる
  • 年会費は2枚とも0円なので、2枚持つことによる年会費の追加コストは0円。経理照合の手間はゼロではない
  • カード側の改善(オリコとの差)は123,300円〜258,300円。銀行と合わせた合計改善は年498,900円〜633,900円。幅が出るのは、オリコの海外事務手数料が公式に非公開だから
くわしい根拠を読む ▾

みずほ銀行の口座そのものは解約しない。解約するのは振込を集中させている「みずほビジネスWEB ライトプラン」の使い方であり、口座は残る取引先への入金受け皿として維持する(理由は第8章)。カードについても、現行のオリコ EX Gold for Biz Mを即日解約する必要はない。UPSIDERとJCB Biz ONE 一般へ申し込み、決済先の登録を移し終えてから止める。オリコはみずほフィナンシャルグループのグループ会社であり、みずほとの取引関係とカードの選択は別の話として切り離して判断した。なお順位そのものは年会費・還元率・海外事務手数料の金額だけで付けたが、最終的にどのカードを採用するかは「金額+事業継続性(限度額・決済停止への耐性・国際ブランドの受入)」の二段階で決めている。UPSIDERを主力にしたのはこの二段階目の判断であり、金額だけならJCB Biz ONE 一般とUPSIDERは僅差である。

🤖 Claudeの判定 JCB Biz ONE 一般 + GMOあおぞら

法人B(投資マイクロ法人)も同じ組み合わせにする。決済額がほぼゼロでも、年会費0円・口座維持費0円なら損益に関係ない

  • JCB Biz ONE 一般は法人の本人確認書類が不要で、決算書(=会社の1年間の成績と財産をまとめた書類)が無い設立直後の法人Bでも、法人口座を作る前から申込できる。年会費が永年無料のため、決済額がゼロに近い法人Bでも損は出ない
  • GMOあおぞらネット銀行は法人登記中でも口座開設を申込でき、履歴事項全部証明書・印鑑証明書の取得が不要。バーチャルオフィスでも開設できる。設立直後の合同会社の要件に合う
  • 法人Bの年間コストは、証券口座への月1回の入金にかかる振込手数料100円×12回=1,200円のみ。SBI証券の即時入金にGMOあおぞらが対応していないことによる損失も、年1,200円にとどまる
くわしい根拠を読む ▾

GMOあおぞらネット銀行はSBI証券の即時入金サービスの対応金融機関一覧に入っていない。即時入金に対応しているのはドコモSMTBネット銀行とPayPay銀行の2行だけである。ただし法人Bの入金は月1回の積立に限られるため、対応していないことで生じる不利益は年1,200円の振込手数料にすぎない。口座開設の通りやすさ(登記中に申込可・登記簿謄本不要・バーチャルオフィス可)と釣り合わないほどの欠点ではないため、GMOあおぞらで決める。証券会社をSBIに固定し、かつ入金頻度を上げる計画があるなら、そのときはPayPay銀行かドコモSMTBネット銀行への切替を検討すればよい。

いま毎年いくら捨てているか

現行(オリコ EX Gold for Biz M+みずほビジネスWEB ライトプラン)と、移行後(UPSIDER+JCB Biz ONE 一般+GMOあおぞらネット銀行)の差は、年498,900円〜633,900円。銀行の振込手数料だけで375,600円、カードのネット便益で123,300円〜258,300円の改善がある。このレンジは、オリコの海外事務手数料が公式に確認できないため、確認できた他社の最安1.60%〜最高3.85%を当てはめた参考レンジである。オリコの実際の率が分かればこの幅は1点に決まる。10年続ければ差は約499万円〜634万円になる。

→ 次のSection 2では、いまオリコとみずほに実際に払っている金額を、1件ずつ円に直す。

🧾 いま何にいくら払っているか — オリコとみずほを円に直す

このセクションの3点

① みずほビジネスWEB ライトプランは、月間基本料金3,300円と他行宛振込660円×月50回で、年435,600円

② 660円は1件だけ見ると小さい。月50回・年600回に積み上げると396,000円になり、月額3,300円の12回分39,600円を足すと435,600円

③ みずほビジネスWEBはライトプランしか新規受付していない。他のプランへ乗り換える選択肢は、みずほの中にはもう無い

みずほビジネスWEB ライトプラン — 現状のコスト

項目単価回数年間
みずほビジネスWEB ライトプラン 月間基本料金3,300円12回39,600円
みずほ 他行宛振込(3万円以上・EB経由)660円600回396,000円
銀行 合計——435,600円
オリコ EX Gold for Biz M 年会費(2年目以降)3,300円1回3,300円

660円×50回=月33,000円、年396,000円。これに月額3,300円×12=39,600円が加わる。合計435,600円。これは金利でも投資でもなく、振込という行為そのものに払っている。仕入れ・広告費・SaaSの支払いを1件処理するたびに660円が引かれ、その660円自体は何も生まない。

みずほビジネスWEBの振込手数料(全区分・税込)

区分3万円未満3万円以上
同一店内宛無料無料
本支店宛220円440円
他行宛490円660円
組戻料・振込変更手数料880円880円
銀行の年間コスト(振込 月50回・他行宛3万円以上)
GMOあおぞらネット銀行
60000円
ドコモSMTBネット銀行
78000円
PayPay銀行
87000円
ゆうちょ銀行
99000円
楽天銀行
137400円
三井住友 SMBC BUSINESS
396000円
みずほビジネスWEB(現行)
435600円

振込 月50回・他行宛3万円以上・各行公式の手数料表による。

そしてこのライトプランには、もう戻り道が無い。みずほビジネスWEBはライトプランのみ新規受付で、スタンダード・エコノミーは2006年12月29日、メール通知プランは2016年5月2日に新規受付を終了している。手数料の安いプランへ社内で乗り換えるという選択肢は、みずほの中にはもう残っていない。

なぜ気づかなかったか

振込手数料は1件660円という小さい単位で、振込のたびに個別に引かれる。月次の明細を見ても「振込手数料 33,000円」と1行にまとまることはなく、1件ごとの660円が他の支払いに混ざって並ぶ。年間で396,000円になっているという事実は、600件分を自分で足し合わせて初めて見える。年額で見なければ気づけない構造になっている。

→ 次のSection 3では、オリコの実質還元率0.60%を、公式資料4枚から自分で計算する。

🔍 0.60% — オリコの実質還元率を、公式資料4枚から自分で計算した

このセクションの3点

① オリコ EX Gold for Biz M の還元率は「1,000円につき1スマイル」としか書かれておらず、円換算まで公式ページを4枚たどらないと出てこない。自分でたどった結果は0.60%

② 海外事務手数料と利用限度額のレンジは、商品ページに記載が無い。ポイントの円換算を書かない限り、還元率は書いていないのと同じ

③ 0.60%は年3,000万円決済で180,000円。1.0%のカードなら300,000円。差は120,000円。ただし海外事務手数料を入れる前の数字であり、次章で結論がひっくり返る

0.60%

実質還元率

6円

1,000円使うと戻る額

4枚

たどった公式ページ

結論(これだけ読めば良い)

1,000円使うと6円戻る。これが0.60%という意味である。それだけ分かれば、この章の残りは読まなくてよい。

実質還元率(=カタログに書かれた「1,000円につき1ポイント」のような数字ではなく、そのポイントを円に直して計算し直した還元率)は0.60%。1.0%還元のカードと比べると、1,000円あたり4円、年3,000万円の決済なら120,000円の差になる。次のSection 4で、この差はさらに開く。

4段の変換を1段ずつ追う(公式ページ4枚の突き合わせ) 開く ▾

1,000円が6円になるまで — 4段の変換

1段目

1,000円

カードショッピング1,000円につき1スマイル

▶

2段目

1.2スマイル

EX Gold for Biz会員は20%ずつ加算

▶

3段目

6オリコポイント

1暮らスマイル → 5オリコポイント

▶

4段目

6円 = 0.60%

1,000オリコポイント → 1,000円(旅行代金充当)

段内容どの公式ページに書いてあるか
1カードショッピング1,000円につき1スマイルオリコ公式 EX Gold for Biz M 商品ページ
2EX Gold for Biz会員は20%ずつ加算(1,000円で1.2スマイル)同上
31暮らスマイル → 5オリコポイントオリコ公式「暮らスマイルをつかう」ページ
41,000オリコポイント → 1,000円(旅行代金充当)=1ポイント1円(ポイント交換レート=1ポイントが何円分になるかの比率)同上

商品ページに書かれていないこと

オリコ EX Gold for Biz M の商品ページに載っていない項目

・海外事務手数料の率

・利用限度額のレンジ(「お客さまごとの審査により決定」としか書かれていない)

・スマイルの円換算(暮らスマイルの別ページを2枚たどる必要がある)

・結果として、実質還元率が商品ページだけでは計算できない

還元率が0.5%か1.0%かは、「1,000円につき1ポイント」という表記からは判定できない。ポイントの円換算を書かない限り、還元率は書いていないのと同じである。これは表記の問題であって、読者の問題ではない。

→ 次のSection 4では、オリコが公式に載せていない海外事務手数料を、還元率が食われる側の主役として扱う。

🌐 海外事務手数料が還元率を食う — 1.60%と3.85%のあいだ

このセクションの3点

① 調べた範囲では、海外事務手数料は発行会社ごとに1.60%〜3.85%まで開いている。内訳を公式で開示しているのはJCBだけで、他社は率だけを出しブランド側の取り分は非開示

② 確認できた範囲では、Amex・三菱UFJニコス・三井住友カードはこの2年で一斉に率を引き上げている。三菱UFJニコスは2.20%→3.85%、Amexは2.0%→3.5%

③ ドル建て比率が上がるほど、還元率だけで選んだカードとの差は開く。20%で241,800円、40%で363,600円

海外事務手数料(=ドルなど外貨で払ったときに、カード会社が為替レートに上乗せする手数料)は、発行会社によって1.60%から3.85%まで開いている。国際ブランドが決める基準レート(=その日の両替レート)に、各社が独自の率を加算する仕組みである。

ドル建てで100万円を払うと、上乗せはいくらか

→ この図は横にスクロールできます

還元1.0%で戻る 10,000円 freeeカード Unlimited 0円(無料と明記) JCB(自社発行) 16,000円(1.60%) ダイナースクラブ 20,000円(2.0%) UPSIDER 22,000円(2.2%) アメリカン・エキスプレス 35,000円(3.5%) 三井住友カード 36,300円(3.63%) 三菱UFJニコス 38,500円 アメックスは2025年8月1日に2.0%から3.5%へ、三菱UFJニコスは2024年2月29日に2.20%から3.85%へ引き上げている。

各発行会社が公式に示している海外事務手数料の率を、決済額100万円あたりの実額に直したもの。破線は還元1.0%のカードで戻ってくる10,000円。破線より右に出た分は、還元では取り返せない。オリコは公式サイトに率の記載を確認できなかったため、この図に載せていない。

海外事務手数料 — 発行会社別(公式記載のみ)
freeeカード Unlimited
0%
JCB(自社発行)
1.6%
ダイナースクラブ
2%
UPSIDER
2.2%
バクラク
2.2%
アメックス
3.5%
三井住友カード
3.63%
三菱UFJニコス
3.85%
クレディセゾン
3.85%

各発行会社の公式ページ・FAQによる。オリコは公式サイトに率の記載を確認できなかったため除外。

発行会社率改定日どこに書いてあるか
JCB(自社発行)1.60%(非課税)—JCB公式FAQ「事務手数料について」。基準レートに事務処理コスト1.60%を加算
ダイナースクラブ(通常カード)2.0%—ダイナース公式「海外でのご利用について」
UPSIDER2.2%(税込)—UPSIDER公式
バクラク ビジネスカード2.20%(税込)—バクラク公式
アメリカン・エキスプレス(自社発行)3.5%個人/ビジネス2025-08-01、コーポレート2025-10-01(旧2.0%)Amex公式「外貨手数料の変更について」
三井住友カード(Visa/Mastercard標準)3.63%2024-11-01改定三井住友カード公式「海外事務処理手数料改定のご案内」
ダイナース コンパニオンカード(ビジネス等)3.63%—ダイナース公式
三菱UFJニコス(Visa/Mastercard)3.85%2024-02-29改定(旧2.20%)三菱UFJニコス公式
クレディセゾン(JCBブランド利用時)3.85%(JCB分1.6%+セゾン分2.25%)2024-12改定クレディセゾン公式
クレディセゾン(Amexブランド利用時)3.85%(Amex分0.25%+セゾン分3.60%)同上同上
freeeカード Unlimited無料—freee公式
オリコ(EX Gold for Biz含む)公式に記載なし—公式サイト内に率の記載を確認できず
クレディセゾン(Visa/Mastercard)公式に記載なし——
三井住友カード(法人カード各種の個別ページ)個別ページに記載なし(会社共通ページで3.63%)——

今回調べた範囲では、内訳を公式で開示しているのはJCBだけである。事務処理コスト1.60%をブランド側のコストとして開示している。他社は「国際ブランドが指定するレートに当社が◯%を加算」という表現にとどまり、ブランド側の取り分は非開示のままである。

Amexは2025年8月1日に2.0%から3.5%へ上げた(コーポレートは同年10月1日)。三菱UFJニコスは2024年2月29日に2.20%から3.85%へ、三井住友カードは2024年11月1日に3.63%へ改定した。今回確認できた範囲では、この2年で各社が一斉に上げている。

還元率と順位が逆転する

ドル建て比率JCB Biz ONE ネット三井住友BOゴールド ネット差
0%(全部円建て)+300,000円+180,000円120,000円
20%(600万円)+204,000円−37,800円241,800円
40%(1,200万円)+108,000円−255,600円363,600円

ドル建て決済が2割ある法人が、還元率だけを見て選ぶとどうなるか

還元率だけで選ぶ

  • ・三井住友ビジネスオーナーズ ゴールドは特約店で最大2.0%と書いてある
  • ・オリコの0.60%より高いから乗り換える
  • ・ドル建てのコストは考えない

海外事務手数料まで見る

  • ・基本還元率は0.5%で、特約店以外の仕入れには効かない
  • ・ドル建て600万円に3.63%=217,800円かかる
  • ・差引 −37,800円で、オリコより悪化する

ここまでの手数料率の比較は、その決済先でそのブランドが使えることが前提である。Cloudflareの公式の支払い方法一覧にJCBは載っておらず、Vercelには明記されている。率だけを見て寄せ先を決めると、決済そのものが通らないことがある(詳しくは次の第5章で確認する)。

順位を決めているのは還元率ではない

カードのランキングを決めているのは表面の還元率ではなく、還元率と海外事務手数料の差引きである。ドル建て決済が2割あるだけで、特約店の還元率を謳うカードの順位は最下位まで落ちる。次章ではこの計算を全社ぶん出し、法人Aの1位から5位までを確定させる。

→ 次のSection 5では、C3の計算を全カードぶん出し、法人カード ランキングTOP5を確定させる。

💳 法人カード ランキング TOP5 — 既存法人はどれにするか

このセクションの3点

① 確定ランキング(年会費・還元率・海外事務手数料の3つが公式で確認できたカードだけ)では、1位JCB Biz ONE一般のネット便益は+204,000円。マネーフォワード・freee・Amex・セゾン・現行のオリコは海外事務手数料や還元率が公式で確認できず、確定ランキングには入れられない

② 年会費0円でも負けるカードがある。三井住友ビジネスオーナーズゴールドはネット便益−37,800円。年会費と還元率だけを見て選ぶと、海外事務手数料で逆転される

③ ドル建て比率を20%に固定し、還元率と海外事務手数料が公式で確認できたカードに限れば、決済額を1,200万円〜6,000万円まで動かしても順位は変わらない。決済額が増えるほど、オリコとの差は開く一方(オリコの海外事務手数料は2.0%と仮定した参考値)

ネット便益(=英語のnet。もらえるポイントから年会費と手数料を引いた差引の金額)= 還元額 − 年会費 − 海外事務手数料。この式だけでカードを並べる。年間カード決済3,000万円・うちドル建て600万円(20%)という数字は、実際の決済額が判明していないための仮置きである。

ただし、この式で並べてよいのは年会費・還元率・海外事務手数料の3つが全部公式で確認できたカードだけである。1つでも公式に記載がないカードは、金額の順位を付けられない。まずこの2段階に分ける。

第1段: 確定ランキング

順位カード年会費還元海外事務ネット便益
1JCB Biz ONE 一般0円1.0%1.60%+204,000円
2JCB Biz ONE ゴールド0円(年100万利用)1.0%1.60%+204,000円
3UPSIDER0円1.0%〜2.2%+168,000円
4バクラク ビジネスカード0円1.0%(公式に「10月以降は0.8%」の記載あり)2.20%+168,000円(0.8%なら+108,000円)
5三井住友 ビジネスオーナーズ プラチナプリファード33,000円1.0%+継続40,000円3.63%+89,200円
圏外三井住友 ビジネスオーナーズ ゴールド0円(年100万利用)0.5%+継続30,000円3.63%−37,800円
確定ランキング6枚のネット便益(仮置き条件)
JCB Biz ONE 一般
+204000円

+204,000円

JCB Biz ONE ゴールド
+204000円

+204,000円

UPSIDER
+168000円

+168,000円

バクラク(1.0%時)
+168000円

+168,000円

バクラク(0.8%引下げ後)
+108000円

+108,000円

三井住友 プラチナプリファード
+89200円

+89,200円

オリコ(現行・参考: 2.0%と仮定)
+56700円

+56,700円(仮定)

三井住友 ビジネスオーナーズゴールド
-37800円

−37,800円

仮置き: 年間カード決済3,000万円・うちドル建て600万円(20%)。年会費・還元率・海外事務手数料の3つが公式で確認できたカードのみ。参考としてオリコ(海外事務手数料は非公表のため2.0%=ダイナース水準と仮定)を併記

順位に入れる条件は、年会費・還元率・海外事務手数料の3つが全部公式で確認できることである。1つでも欠けたカードは、ネット便益の符号すら確定しない。次の段はその「計算できない候補」である。

第2段: 計算できなかった候補

カード確認できたもの確認できなかったもの
freeeカード Unlimited年会費0円・外貨決済手数料が無料還元率(公式ページに記載なし)。還元条件次第では1位を上回りうる
マネーフォワード ビジネスカード年会費実質0円・還元1%(連携先決済3%)海外事務手数料。加えてプリペイド型(=先にお金を入れておいて、その残高から払う方式)なのでVercelの「prepaid cards」に当たる可能性
アメリカン・エキスプレス ビジネス各種年会費13,200〜165,000円・海外事務手数料3.5%還元率(商品ページに記載なし)
セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス年会費33,000円・海外事務手数料3.85%・1,000円=1永久不滅ポイント永久不滅ポイントの円換算(公式で確認できず)
オリコ EX Gold for Biz M(現行)年会費3,300円・実質還元率0.60%海外事務手数料(調査した公式サイト・商品ページ・FAQでは確認できなかった)

freeeカード Unlimitedは外貨決済手数料が無料と公式に明記されている。還元率さえ公式に示されれば、1位のJCB Biz ONE 一般(ネット便益+204,000円)を上回る可能性がある。ただし現時点では還元率が非公開のため、確定ランキングには入れられない。

現行のオリコも同じ理由でここに入る。実質還元率0.60%は自分で計算できても、海外事務手数料が公式に見つからない以上、ネット便益は確定できない。

第3段: 採用前に本人が確認すること

候補を確定ランキングへ持ち込む前に

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過去12か月の外貨支払先を、JCBが使えるか/Visa・Mastercardが要るかで分類する

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プリペイド型・バーチャルカードを弾く決済先が無いか(Vercelは明記している)

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主要な支払先が還元の対象か(UPSIDERは「決済先によって異なる場合がございます」と注記)

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ポイントが法人用途で1円相当として確実に使える経路があるか

海外事務手数料が安くても、その決済先で使えるとは限らない

対象公式の記載(要点)出典
Vercel(Proプラン)支払方法はクレジット/デビットカードのみ。使えるブランドはAmerican Express/China UnionPay/Discover & Diners/Japan Credit Bureau(JCB)/Mastercard/Visaの6つ。JCBは明記されているVercel Docs「Billing FAQ for Pro Plan」
Vercel(同上・重要)ギフトカード・プリペイドカード・EBTカード・一部のバーチャルカードは無効な支払方法の例として明記同上
Cloudflare支払い方法はVisa・Mastercard・American Express・Discover・PayPal・Apple Pay・Google Pay・Stripe Link・UnionPay。JCBは列挙されていないCloudflare Billing docs(billing-policy / payment-methods)
UPSIDERの国際ブランド国際ブランドVisa(Visaタッチ決済対応)。世界中のVisa加盟店で利用可能UPSIDER公式サイト
UPSIDER(補足)ポイント還元率は基本1.0%〜だが「決済先によって異なる場合がございます」と注記同上

1.60%という最安の手数料でも、その決済先がJCBを受け付けなければ便益はゼロになる。手数料率は、使える場所の中でしか意味を持たない。Cloudflareの公式の支払い方法一覧にJCBは列挙されていない一方、Vercelは明記している。UPSIDERの国際ブランドはVisaなので、VercelとCloudflareのどちらの公式受入リストにも入っている。

1位 JCB Biz ONE 一般

🤖 Claudeの判定 1位

外貨用にする。年間ネット便益+204,000円で、確定ランキング6枚の中で最大

  • 年会費永年無料。還元1.0%=300,000円(年3,000万円決済)
  • 海外事務手数料1.60%は主要発行会社で最安。600万円のドル建て決済でも96,000円で済む
  • 法人の本人確認書類が不要。法人口座を作る前でも申込可能で、個人名義口座なら最短5分で即時発行
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JCB Biz ONE 一般とゴールドは、年間ネット便益がどちらも+204,000円で同じである。差はゴールドの空港ラウンジなどの付帯サービスだけで、金額に換算できない。金額に換算できない差は価値ゼロとして扱う。だから一般にする。

限度額は10万〜500万円。法人Aの決済規模なら十分に収まる。ただしCloudflareの公式の支払い方法一覧にJCBは列挙されていない。JCBが通ると確認できた決済先にだけ寄せ、Cloudflareのような請求には別のカードを使う。

UPSIDERを主力にする理由 — 単体では3位でも、ブランドの受入範囲で選ぶ

🤖 Claudeの判定 主力

主力カードにする。確定ランキングの単体順位は3位(ネット便益+168,000円)だが、VisaブランドはVercel・Cloudflareの両方の公式受入リストに入っている

  • 年会費無料・還元1.0%〜。限度額は独自の与信(=カード会社や銀行が「いくらまで貸してよいか」を判断すること)モデルで最大10億円
  • 国際ブランドはVisa。VercelもCloudflareも公式に受入を明記しており、決済先を選ばない
  • 設立直後でも利用可能。前払いなら与信審査によらず利用できる
くわしい根拠を読む ▾

金額だけで並べた確定ランキングでは、JCB Biz ONE 一般とゴールドが1・2位で、UPSIDERは3位である。それでも主力に据えるのは、海外事務手数料の安さより、決済先を選ばないことを優先するからである。JCB Biz ONE 一般の1.60%は確定ランキングで最安だが、Cloudflareの公式の支払い方法一覧にJCBは列挙されていない。Visaならどちらの受入リストにも入っている。

順位づけは金額だけで行い、採用の最終判断は金額と事業継続性(限度額・停止耐性・ブランド受入)の二段階で行う。

オリコから乗り換えると年いくら変わるか

オリコは公式サイトに海外事務手数料の率を書いていない。自分がいくら払っているかを確定できない。他社の水準を当てはめて幅で示す。

オリコの海外事務手数料が海外事務コストオリコのネットJCB Biz ONEとの差
1.60%(JCB水準)だったら96,000円+80,700円123,300円/年の損
2.0%(ダイナース水準)だったら120,000円+56,700円147,300円/年の損
3.63%(三井住友水準)だったら217,800円−41,100円245,100円/年の損
3.85%(三菱UFJニコス水準)だったら231,000円−54,300円258,300円/年の損

どの水準を当てはめても負けている。幅は年123,300円〜258,300円の損である。

3位以下のカードを詳しく見る バクラク・三井住友プラチナプリファード・マネーフォワード・freee 開く ▾
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バクラク ビジネスカード(4位)

ネット便益 +168,000円

年会費無料・還元1.0%キャッシュバック。ただし公式ページに「10月以降は0.8%」の記載があり、0.8%になるとネット便益は+108,000円に落ちる。海外事務手数料2.20%
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三井住友 ビジネスオーナーズ プラチナプリファード(5位)

ネット便益 +89,200円

年会費33,000円。還元1.0%に加え年100万円ごと10,000pt(最大40,000pt)の継続特典。限度額は最大9,999万円(個人カードと合算)。海外事務手数料3.63%
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マネーフォワード ビジネスカード(計算できない候補)

還元 通常1%・MFクラウド決済3%

プリペイド型。決算書不要で創業時から使える。海外事務手数料は公式に記載がなく、ネット便益は+300,000円−(不明)としか出せない。プリペイド型であるためVercelの「prepaid cards」に当たり、使えない可能性もある
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freeeカード Unlimited(計算できない候補)

外貨決済手数料 無料

還元率が公式に記載なく計算不能。ただし外貨決済手数料が無料である点はJCBの1.60%より有利。還元条件次第では1位を上回りうる

決済額を変えても、順位は変わるか

ドル建て比率を20%に固定し、還元率と海外事務手数料が公式で確認できたカードに限れば、決済額を1,200万円〜6,000万円まで動かしても順位は変わらない。オリコの海外事務手数料は非公表のため、ここでは2.0%(ダイナース水準)と仮定して計算している。

年間決済オリコ還元JCB還元ドル建て額海外事務の差合計差
1,200万円72,000円120,000円240万円9,600円57,600円
3,000万円180,000円300,000円600万円24,000円144,000円
6,000万円360,000円600,000円1,200万円48,000円288,000円

結論 — UPSIDERを主力、JCB Biz ONE 一般を外貨用に持つ

主力はUPSIDER(Visa)にする。年会費0円・還元1.0%〜・限度額は独自与信で最大10億円。国際ブランドがVisaなので、VercelもCloudflareも公式の受入リストに入っている。

外貨用にJCB Biz ONE 一般(JCB)を持つ。年会費0円・還元1.0%・海外事務手数料1.60%は確認できた中で最安である。ただしCloudflareの公式リストにJCBは無いため、JCBが通ると確認できた決済先にだけ寄せる。

年会費は両方0円なので、2枚持つことによる年会費の追加コストは0円である。ただし管理・不正利用対応・経理照合の手間はゼロではない。

順位そのものは金額だけで付けている。最終的な採用判断は「金額+事業継続性(限度額・停止耐性・ブランド受入)」の二段階である。

オリコを解約する理由は2つ。年123,300円〜258,300円の損と、自分がいくら払っているか確定できないという事実である。

→ 次のSection 6では、「最大10億円」「500万円」という限度額の表記が、実際に何を意味するかを確認する。

📏 限度額 — 「最大10億」と「500万」は同じ意味ではない

このセクションの3点

① 三井住友ビジネスオーナーズの「〜500万円」は代表者個人の三井住友カードと合算。UPSIDERの「最大10億円」は制度上の最大値であって、審査で決まる自社の枠ではない

② 限度額が止まる=事業が止まる。広告費・クラウド・仕入れを1枚に集中させると、そのカードの利用停止が支払い停止に直結する

③ 発行会社・国際ブランド・引落口座を分ければ、分散にかかる年会費は0円。第5章のUPSIDER+JCB Biz ONEの2枚持ちはこの条件を自然に満たす

カード公式の限度額表現注意点
JCB Biz ONE 一般10万〜500万円—
JCB Biz ONE ゴールド50万〜500万円—
三井住友 ビジネスオーナーズ〜500万円本会員の個人カードと合算
三井住友 ビジネスオーナーズ プラチナプリファード〜9,999万円同じく個人カードと合算
UPSIDER最大10億円銀行口座連携+独自与信モデルで決定
freeeカード Unlimited最大5億円—
マネーフォワード ビジネスカード1取引1億円・与信枠10億円—
バクラク ビジネスカード1回あたり最大749,999USD—
ダイナースクラブ ビジネスカード一律の制限なし—
三井住友ビジネスプラチナ(中小企業向け)一律上限設定なし—
オリコ EX Gold for Biz M(現行)公式に記載なし「お客さまごとの審査により決定」としか書かれていない

三井住友ビジネスオーナーズの「〜500万円」は、代表者個人が持っている三井住友の個人カードと合算である。個人カードで既に枠を使っていると、法人カードに回る枠はその分減る。これは公式に明記されている。プラチナプリファードの「〜9,999万円」も同じ仕組みで、個人カードの利用状況に左右される。

「最大10億円」「一律の制限なし」という表記は、上限が無いという意味ではない。UPSIDERは公式に「銀行口座の残高等の情報を元に独自の与信モデルで審査の上決定」と書いている。書いてあるのは制度上の最大値であって、自社に出る枠ではない。ダイナースクラブの「一律の制限なし」も同様に、個別審査で実際の枠が決まる。

表記の見た目 と 実態

表記の見た目

  • ・最大10億円(UPSIDER)
  • ・一律の制限なし(ダイナースクラブ)
  • ・〜500万円(三井住友ビジネスオーナーズ)

実態

  • ・銀行口座連携+独自与信モデルで審査後に決定
  • ・個別審査で実際の枠が決まる。無制限ではない
  • ・代表者個人の三井住友カードと合算した残り枠

限度額が止まると事業が止まる

・広告費・クラウド・仕入れを1枚に集中させると、そのカードの利用停止がそのまま支払い停止になる

・与信枠は契約上の権利ではなく、カード会社は支出急増・業種・決算内容・不審な加盟店を理由に承認を止められる

・クラウドの継続課金が1回落ちると、サービス側が自動で停止する場合がある

・復旧はカード会社の営業時間に依存する

だから2枚に分ける

発行会社を分け、国際ブランドを分け、引落口座を分ける。1社の判断が事業全体を止めないようにする。第5章の結論どおり、UPSIDERとJCB Biz ONEの2枚を持つなら、この条件は自然に満たされる。発行会社が違い、与信モデルが違い、片方が止まってももう片方が動く。

年会費が両方0円なら、分散にかかる年会費の追加は0円である。ただしコストがゼロだとは書かない。カードが2枚あれば、明細の照合も、不正利用が起きたときの対応も2回ぶんになる。金額に換算できないだけで、手間はゼロではない。この記事が価値ゼロとして扱うのは券面やラウンジのような付帯サービスであって、自分が使う時間ではない。

→ 次のSection 7では、銀行口座を同じ基準(円だけ)でランキングする。

🏦 法人銀行口座 ランキング TOP5 — 振込50回で年375,600円動く

このセクションの3点

① 前提は振込 月50回(年600回)・他行宛3万円以上。この条件だけでランキングを作る

② 1位はGMOあおぞらネット銀行 年60,000円。みずほは年435,600円で1位の7.26倍

③ 2位以下はドコモSMTBネット銀行(旧住信SBIネット銀行)・PayPay銀行・ゆうちょ銀行・楽天銀行

60,000円

1位の年間コスト

435,600円

みずほの年間コスト

7.26倍

みずほは1位の何倍か

順位銀行月額×12振込600回年間合計みずほとの差
1GMOあおぞらネット銀行(通常会員)0円60,000円60,000円−375,600円
2ドコモSMTBネット銀行(優遇130円)0円78,000円78,000円−357,600円
3ドコモSMTB(通常145円)/PayPay銀行(月額0円が前提)0円87,000円87,000円−348,600円
4ゆうちょ銀行(総合振込165円)0円99,000円99,000円−336,600円
5楽天銀行(229円)0円137,400円137,400円−298,200円
参考三井住友 SMBC BUSINESS0円396,000円396,000円−39,600円
現行みずほビジネスWEB ライト39,600円396,000円435,600円—

1位との差は年375,600円。10年続ければ3,756,000円になる。この金額は振込1件あたり560円の差(みずほ660円-GMOあおぞら100円)を600回積み上げただけの数字であり、為替や相場の変動は一切含まない。

PayPay銀行だけは月額利用料を公式で確認できなかった。月額0円であれば同率3位になるが、確認できるまでは条件付きとして扱う。表の「月額0円が前提」はこの意味である。

1位 GMOあおぞらネット銀行

🤖 Claudeの判定 1位

GMOあおぞらネット銀行にする。理由は年375,600円。

  • 他行宛振込が金額区分なしの一律100円(メガバンクは3万円で段が変わる)
  • 口座維持手数料(=口座を持っているだけでかかる手数料)は無料。月額基本料金も0円
  • 法人登記中でも申込可能。履歴事項全部証明書(=法務局が出す、会社の登記内容の証明書)・印鑑証明書の取得も不要
くわしい根拠を読む ▾

他行宛振込が3万円未満・3万円以上で料金が変わらない一律100円である点が、月50回という前提では効いてくる。メガバンクやゆうちょは金額区分があり、3万円以上の振込では料金が上がる。

口座開設の要件も軽い。法人口座予約申込サービスにより法人登記中でも口座開設の申込が可能で、バーチャルオフィス(=住所だけを借りる契約で、実際にその場所で働くわけではない事務所。「レンタルオフィス」とも呼ばれる)であっても口座開設できる(登録住所宛の郵便物受取が必須条件)。必要書類は事業内容が確認できる書類・取引責任者の本人確認書類・権限委任状(代表者と取引責任者が異なる場合のみ)で、履歴事項全部証明書・印鑑証明書の取得は不要と公式に明記されている。

2位〜5位

🏦

ドコモSMTBネット銀行

2位・他行宛145円(優遇130円)

2026年8月3日に住信SBIネット銀行から商号変更した銀行。他行宛振込は金額区分なしの145円、優遇プログラム適用で最安130円まで下がる。月額基本料金は0円。
🏦

PayPay銀行

3位(同率)・他行宛145円

他行宛振込は金額区分なしの145円。ただし法人口座の月額利用料について公式ページから明確な断定文を確認できなかった。ここは公式に記載なしとして扱う。
🏦

ゆうちょ銀行

4位・総合振込165円

総合振込165円。ゆうちょBizダイレクトを使えば契約料は月額無料。窓口網の広さが必要な場合の選択肢になる。
🏦

楽天銀行

5位・他行宛229円(3万円未満150円)

他行宛振込は3万円以上229円・3万円未満150円で金額区分がある。ネット銀行の中では今回の条件では最も高い。月額基本料金は0円。

メガバンクを残すなら三井住友

三井住友の SMBC BUSINESS は月額0円で他行宛660円(2026年7月28日適用と公式に明記)。みずほビジネスWEB ライトプランは月額3,300円で他行宛660円。振込手数料は同額で、差は月額だけの年39,600円になる。

三菱UFJ BizSTATIONは月額1,760円だが、振込手数料の金額表を公式ページから確認できなかったため、この順位には入れていない。

「振込料金とくとく会員」は月50回では損になる

「振込料金とくとく会員」が得になるのは月500件から

→ この図は横にスクロールできます

±0 損 +500円 同額 得 −100円 月500件で並ぶ いまの振込 月50件 とくとく会員は月450円の損 月0件 月300件 月600件 通常会員100円/件 とくとく会員99円/件+月額500円

縦軸は、とくとく会員に入った場合と入らない場合の月額コストの差。プラスは損、マイナスは得。1件あたりの割引は1円しかないので、月額500円を取り返すには月500件の振込が要る。月50回では年5,400円の損になる。

項目通常会員とくとく会員
振込1件あたり100円99円
月額会費0円500円
月50件・年600件の合計60,000円65,400円(500円×12+99円×600)

判定式は1行で覚える

月額 ÷ 1件あたりの割引額 = 損益分岐の件数(=得と損がちょうど入れ替わる境目)。今回は 500円 ÷ 1円 = 500件。

通常会員100円・とくとく会員99円で、差は1件あたり1円しかない。月500件に届かなければ、とくとく会員は損になる。

月50件しか振り込まないなら、とくとく会員は年5,400円の純損になる(500円×12-1円×600=6,000-600)。この「月額 ÷ 1件あたりの割引額」という式は、年会費のある他のサービスでも同じように使える。年会費とポイント還元率、年会費と割引額のペアさえ分かれば、そのサービスに入るべきかどうかを名前を読まずに判定できる。

ただし、とくとく会員には提携ATM出金が月5回無料の特典が付く(通常110円/回=月550円相当)。ATMを月5回以上使う用途があるなら元は取れる。ネット銀行でATM出金を月5回する用途が無いなら入らない。

名前に釣られない

「とくとく」「おトク」という名前は、その料金体系が自分に得かどうかとは無関係。月額 ÷ 1件あたりの割引額 で損益分岐の回数を出せば、名前を読まずに判定できる。

→ 次のSection 8では、麹町で選んだみずほをどうするかを扱う。解約するのは口座ではなく契約のほうだと分かる。

✂️ みずほは解約しない。解約するのは「みずほビジネスWEB」のほう

このセクションの3点

① みずほ銀行の口座は、口座維持手数料がかからないと確認できた場合に残す。解約するのは みずほビジネスWEB の契約のほう

② 口座を残すコストは年39,600円ではなく、口座維持手数料の有無は公式で確認できていない0円〜不明の範囲。確認できないうちは0円だと決めつけない

③ オリコはみずほフィナンシャルグループのグループ会社。窓口の提案がそのまま10年・年435,600円を続けた経路の問題

みずほをどうするか

口座ごと解約する

  • ・10年以上の入出金履歴が消える
  • ・将来の融資・当座貸越・外国送金の相談先が無くなる
  • ・ネット銀行が障害・凍結を起こしたときの代替が無い
  • ・取引先の振込先変更が全件必要になる

口座は残し、みずほビジネスWEBだけ解約する

  • ・月間基本料金3,300円×12=年39,600円が消える
  • ・振込はGMOあおぞらから出すので660円を払わなくなる
  • ・口座は残るので履歴も関係も残る
  • ・解約には別途手続きが必要(公式に明記)

みずほ銀行の法人口座に口座維持手数料・未利用口座手数料があるかは公式ページで確認できなかった。手続き前に本人が銀行に直接確認する必要がある。ここは推測で断定しない。

なぜ麹町で決めたことが10年続いたか

435,600円

みずほの年間コスト

10年

駅から近いという理由で続いた期間

4,356,000円

435,600円×10年

駅から近いという理由で選んだ口座が、そのまま10年ぶんの振込手数料を決めていた。年435,600円を10年続ければ4,356,000円になる。乗り換えコストが高いのではなく、年額を計算する機会が無かった。手数料は1件660円という単位でしか請求されないため、月間・年間の合計として意識されにくい。

みずほビジネスWEBはみずほの EBサービス(=Electronic Banking。銀行がネット経由で提供する法人向けの振込・照会サービス)である。EBサービス自体を乗り換えても、口座そのものを解約する必要はない。

オリコもみずほ側にいる

オリエントコーポレーションは、みずほ銀行の公式サイトのグループ会社一覧に載っているみずほフィナンシャルグループのグループ会社である。麹町で口座を作り、その系列のカードを使っていた。誰かが仕組んだのではなく、窓口で提案されたものをそのまま使い続けたという経路の問題である。

さらに、みずほ銀行の法人向けページの「おすすめサービス」には UPSIDER(この記事の主力カードに選んだ法人クレジットカード)が並んでいる。

選んだ理由が「近いから」であるものは、選び直す理由も無いまま残り続ける。年額を計算する機会が一度も来ないからである。

みずほで今すぐ確認すること

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みずほビジネスWEBの契約を解約したとき口座がどうなるか

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法人口座の口座維持手数料・未利用口座手数料の有無

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口座振替(=税金や公共料金が、毎月自動で口座から引き落とされる仕組み。社会保険料も含む)の引落先がみずほになっていないか

−

取引先から入金を受けている口座がみずほかどうか

みずほを残す価値は金額にできない。ただし残すのは確認してから

この記事は金額にできないものを価値ゼロとして切ってきた。ただし「金額にできない」と「価値がゼロ」が一致しないものが1つだけある。それは、資金が止まったときの代替経路である。

止まった日の損失は事前に金額化できないが、ゼロではない。だからといって、口座維持手数料が0円だと決めつけて残すわけではない。手数料がかからないことを確認できた場合に残す。確認できないうちは、残すコストが0円だと決めつけない。

→ 次のSection 9では、法人B — 決算書なし・売上ゼロで通るカードを扱う。

🌱 投資マイクロ法人のカード — 決算書なし・売上ゼロで通るのはどれか

このセクションの3点

① 決算書・売上が無いことは否決の確率を上げるが、「原理的に通らない」とは言い切れない。申込めることと承認されることは別で、この記事は承認の可否を判定しない

② 第一申込先はJCB Biz ONE 一般にする。理由は年会費0円と、法人口座を作る前でも申込可能なこと

③ 否決に備えて、与信を使わない代替手段(前払い・保証金・プリペイド型)を先に用意しておく。ただしプリペイド型は使えない決済先がある

この会社には決算書(=会社の1年間の成績と財産をまとめた書類)が無く、売上が無く、役員報酬も無い。決算書が無くても申し込めると公式に書いてあるカードはある。ただし、申し込めることと承認されることは別である。この記事は承認されるかどうかを判定していない。法人そのものの財務を見るカードは、見るべき決算書が存在しないため、申込の入口で書類が揃わない。通るかどうかを判定できるのは、与信(=カード会社や銀行が「いくらまで貸してよいか」を判断すること)の主体が代表者個人であるカードだけである。

与信の主体で3つに分かれる

代表者個人を審査する

決算書不要。この会社が申込める候補

▶

法人の財務を審査する

決算書・登記後3年以上などを要求。この会社は書類が揃わない

▶

与信をしない(前払い・保証金)

設立直後でも利用開始できる

カード年会費還元率決算書の要否与信の主体
JCB Biz ONE 一般永年無料1.0%法人の本人確認書類が不要。法人口座を作る前でも申込可能法人代表者
三井住友 ビジネスオーナーズ永年無料0.5%登記簿謄本・決算書提出不要契約者は代表者個人。口座引落を法人に委任する形式
セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス33,000円1,000円=1永久不滅ポイント決算書や登記簿の提出は不要個人与信
ダイナースクラブ ビジネスカード33,000円公式に記載なし決算書等の提出をお願いすることはありません。登記事項証明書の提出も不要個人与信
ライフカード ビジネスライトプラススタンダード無料公式に記載なし決算資料等不要申込者個人との契約。法人契約ではないと公式に明記
UPSIDER無料1.0%〜設立したばかりでもご利用頂けます。前払いなら与信審査によらず利用可能法人(口座連携)
カード年会費還元率決算書の要否与信の主体
マネーフォワード ビジネスカード実質無料通常1%決算書の提出不要。プリペイド型公式に記載なし
バクラク ビジネスカード無料1.0%キャッシュバック設立直後向けに保証金プランあり。与信審査によらず利用可能独自モデル
freeeカード Unlimited無料公式に記載なしfreee会計のデータを参考に審査。設立直後でも申し込めるfreee会計データによる独自審査
🤖 Claudeの判定 第一申込先: JCB Biz ONE 一般

まずJCB Biz ONE 一般に申し込む。理由は年会費永年無料と、法人口座を作る前でも申込可能なこと。承認を保証するものではない。

  • 年会費永年無料。月数万円しか使わない会社に年会費を払う理由が無い
  • 法人口座を作る前でも申し込めると公式に書いてある。会社設立とカード申込を並行できる
  • 還元率1.0%で、法人Aで選んだカードと同じ。管理する仕組みが1つで済む
くわしい根拠を読む ▾

与信は代表者個人を見る。申込書が個人の年収を尋ねるなら、法人Aからの役員報酬500万円を正しく記載する。この法人からの報酬を尋ねるならゼロと書く。虚偽を書かない。ここでの判定は申込先の順位であって、承認の可否ではない。否決された場合に備えて、次の代替手段を用意しておく。

否決に備える — 与信を使わない代替手段

💳

UPSIDERの前払い

公式に「前払いでご利用の場合、与信審査に関わらずご利用いただくことが可能」とある
🏦

バクラクの保証金プラン

保証金(=先に預けておくお金。これがあれば審査なしで使える)を積めば、与信審査によらず利用できると公式にある
💴

マネーフォワード ビジネスカード

プリペイド型(=先にお金を入れておいて、その残高から払う方式)。決算書の提出不要と明記されている

いずれも与信そのものを使わないので、審査に落ちるという事象が起きない。ただし、プリペイド型やバーチャルカードは使えない決済先がある。Vercelは公式に「gift cards, prepaid cards, EBT cards, and some virtual cards」を無効な支払い方法として明記している。プリペイド型のマネーフォワード ビジネスカードを主要な決済に使う前に、実際の決済先で通るかを確認する。

年会費33,000円のカードをこの会社で作らない理由

セゾンプラチナ・ビジネスもダイナースも「決算書不要」と公式に書いてあり、通る可能性はある。しかし月数万円の決済に対して年会費33,000円は、決済額の何割にもなる。月3万円=年36万円の決済に33,000円を払うと、それだけで9.2%のコストになる。1.0%の還元では絶対に回収できない。

同時に何社も申し込まない

・短期間の多重申込は信用情報に記録され、審査で不利になりうる

・まず1社。落ちてから次を出す

・法人Aのカードと法人Bのカードを同月に申し込まない

・申込内容の不一致(住所・電話・年収)を作らない

→ 次のSection 10では、この会社の銀行口座を扱う。設立直後の合同会社が銀行から見てどう見えるかを整理する。

🪪 投資マイクロ法人の口座 — 設立直後の合同会社が落ちる理由

このセクションの3点

① 第一申込先はGMOあおぞらネット銀行にする。法人登記中でも申込可能で、履歴事項全部証明書・印鑑証明書の取得も不要と公式に明記されている

② 銀行が見るのは売上・顧客・従業員・役員報酬の不在。「ETFを買うだけです」は説明として弱い

③ SBI証券の即時入金にGMOあおぞらは非対応。だが月1回の積立なら欠点は年1,200円に過ぎない

🤖 Claudeの判定 第一申込先: GMOあおぞらネット銀行

第一申込先はGMOあおぞらネット銀行にする。理由は法人登記中でも申込ができ、書類要件が軽いこと。承認を保証するものではない。

  • 法人登記中でも口座開設の申込ができる(公式)
  • バーチャルオフィスでも開設可能(登録住所宛の郵便物受取が必須条件)
  • 履歴事項全部証明書・印鑑証明書の取得が不要と公式に明記されている
くわしい根拠を読む ▾

ここでの判定は申込先の順位であって、承認の可否ではない。この会社は設立直後・投資専業・売上ゼロで審査上弱く、証券口座の開設可否も未確認である。否決に備えて次の申込先を決めておく。

否決されたときの次

順位銀行特徴
第一申込先GMOあおぞらネット銀行登記中でも申込可・履歴事項全部証明書と印鑑証明書が不要・バーチャルオフィス可
次点ドコモSMTBネット銀行 または PayPay銀行どちらもSBI証券の即時入金に法人口座で対応している

ただし、銀行より先に、使う予定の証券会社が合同会社の自己資金運用を受け付けるかを確認する。銀行口座が開いても、証券口座が開くとは限らない。

設立直後の合同会社が落ちる理由

銀行から見たこの会社の姿

・売上がない・顧客がいない・従業員がいない・役員報酬もない

・主目的が有価証券の取得で、資金が代表者から入るだけ

・事務所が自宅またはバーチャルオフィス

・口座を開ける便益より、資金洗浄(マネーロンダリング。=犯罪で得たお金の出所を分からなくすること)・名義貸しの確認コストのほうが大きく見える

銀行は本人確認・実質的支配者(=その会社を実際に支配している個人。銀行が必ず確認する)・事業目的・資金源・反社会的勢力とマネーロンダリングのリスクを審査する。「ETFを買うだけです」は、銀行にとって説明として弱い。ネット銀行だから設立直後でも自動的に通る、ということはない。

申込前に揃えるもの

−

定款(=会社の基本ルールを書いた書類。会社を作るときに必ず作る)の目的に「有価証券の取得、保有、運用及び管理」を具体的に記載する

−

資本金500万円の出所が分かる個人口座の履歴

−

法人Aから役員報酬を受けていることが分かる資料

−

5〜10年の投資方針書(投資対象・予定している証券会社・毎月の拠出額)

−

会計ソフト・税理士・決算月・帳簿の管理方法

−

登記住所で郵便物を確実に受け取れる状態

−

なぜ個人ではなく法人で運用するのかの説明

架空の売上見込み・実態のないコンサルティング事業を目的に足すのは逆効果である。説明は実態に即したものにする。

証券口座への即時入金という論点

SBI証券の即時入金(=銀行から証券口座へ、振込手数料をかけずにその場で入金できる仕組み)サービスで「法人口座でのご利用」が○なのは、ドコモSMTBネット銀行とPayPay銀行の2行だけである。

金融機関SBI証券 即時入金(法人)
ドコモSMTBネット銀行○
PayPay銀行○
三菱UFJ・三井住友・楽天銀行・セブン・ゆうちょ・みずほ・りそな・埼玉りそな・関西みらい・イオン・スルガ×
GMOあおぞらネット銀行対応金融機関の一覧に入っていない

その欠点は年いくらか

1,200円

月1回積立の年間コスト

0円

GMOあおぞらの口座維持費

入金頻度年間振込回数年間コスト(100円×回数)
月1回12回1,200円
月2回24回2,400円
週1回52回5,200円

積立が月1回なら、即時入金の代わりに振込を使う。GMOあおぞらの他行宛は一律100円なので、100円×12=年1,200円。これが「即時入金非対応」という欠点の金額である。この試算は入金頻度を月1回に固定できることを前提にしている。入金頻度を月1回に固定できるなら、この欠点は無視できる。積立を分散させたいなら、この前提が崩れる。口座開設の通りやすさと釣り合わないと判断するなら、GMOあおぞらで良い。証券会社をSBI証券に決めていて入金頻度が高いなら、PayPay銀行かドコモSMTBネット銀行を選ぶ。

項目SBI証券楽天証券マネックス証券
法人口座ありあり(株式会社・合同会社・持株会社・公益法人等)あり
決算書の要否公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし
設立直後の可否公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし
米国ETF買付手数料無料SBI ETFセレクション10銘柄15銘柄22銘柄(業界最多と公式表記)
法人口座の自動積立公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし

「決算書の要否」「設立直後の可否」「法人口座の自動積立の可否」は3社とも公式に記載を確認できなかった。合同会社を法人口座の対象として公式に明記しているのは、確認した範囲では楽天証券(株式会社・合同会社・持株会社・公益法人等)と三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム、株式会社・有限会社・合資会社・合名会社・合同会社ほか。外国法人は対象外)である。

順番を間違えない

銀行口座が開いても証券口座が開くとは限らない。先に、使う予定の証券会社が合同会社の自己資金運用を受け付けるかを確認する。

→ 次のSection 11では、年会費が高いカードの付帯サービスを「使う回数」で割り、価値ゼロと断定する根拠を示す。

🪓 年会費を殺す — 使わない付帯サービスの1回あたり単価

このセクションの3点

① 券面・ステータス・コンシェルジュ・空港ラウンジ・付帯保険は、この記事の順位計算に一切入れていない。価値が無いからではなく、使う回数を自分で決められるからである

② 年会費は固定で毎年出ていくが、便益は使った回数に比例する。回数がゼロなら便益もゼロになり、年会費だけが残る

③ 三井住友プラチナプリファードだけは扱いが違う。還元率1.0%と継続特典は金額で測れるため、付帯サービスではなく還元で判定する

この記事は券面・ステータス・コンシェルジュ・空港ラウンジ・付帯保険を、順位計算に一切入れていない。その理由は「価値が無いから」ではなく、「使う回数を自分で決められるから」である。年会費は固定で毎年出ていくが、便益は使った回数に比例する。回数がゼロなら便益もゼロになり、年会費だけが残る。

カード年会費年12回使うなら1回あたり年2回なら年0回なら
Amexビジネス・ゴールド49,500円4,125円24,750円∞(全額が損)
Amexビジネス・プラチナ165,000円13,750円82,500円∞
セゾンプラチナ・ビジネス33,000円2,750円16,500円∞
ダイナース ビジネス33,000円2,750円16,500円∞
三井住友プラチナプリファード33,000円2,750円16,500円∞(還元で回収可)

三井住友プラチナプリファードだけは扱いが違う。還元率1.0%と年100万円ごと10,000ポイントの継続特典があり、これは付帯サービスではなく金額で測れる。年3,000万円の決済なら還元340,000円で、年会費33,000円は回収できる。回収できるかどうかは、付帯サービスではなく還元で判定する。

年会費が無料になる条件を読む

カード年会費無料になる条件実質いくらか
JCB Biz ONE ゴールド5,500円初年度無料。年間100万円利用で翌年度も無料実質0円
三井住友 ビジネスオーナーズ ゴールド5,500円年間100万円利用で翌年以降永年無料実質0円
マネーフォワード ビジネスカード初年度無料直前1年間で1度も支払い実績がない場合のみ1,000円+税使っていれば0円
P-one Business Mastercard初年度無料前年度に利用があれば無料0円
オリコ EX Gold for Biz M3,300円(初年度無料)初年度無料だけで、2年目以降を無料にする条件は無い毎年3,300円

「年会費無料」と「条件付きで無料」と「初年度だけ無料」は別のものである。オリコ EX Gold for Biz Mは3番目で、2年目以降は毎年3,300円が出ていく。

年会費の判定

年会費を払う理由になるもの

  • ・還元率の上乗せ(金額で測れる)
  • ・継続特典のポイント(金額で測れる)
  • ・限度額の枠(止まったときの損失を防ぐ)

年会費を払う理由にならないもの

  • ・空港ラウンジ(年0回なら年会費が全額損)
  • ・コンシェルジュ(使わないなら0円の価値)
  • ・券面の色・素材
  • ・付帯保険(既に法人で加入している保険と重複していないか確認していないなら価値は不明)

判定の式

年会費 ÷ 実際に使う回数 = 1回あたりの単価。この単価が、同じサービスを都度買った場合の値段より高ければ、年会費を払う理由が無い。回数はカード会社ではなく自分が決める。

→ 次のSection 12では、やってはいけないことを5つ挙げる。

🚫 やってはいけないこと — ポイントの私的利用は役員賞与になりうる

このセクションの3点

① ポイントの私的利用・限度額の使い切り・1枚集中・ポイントの現金換算・引落と入金の同時切替。この5つは、円だけで順位を出した後にも残る実務上の危険である

② 税務・会計の判断はこの記事ではしない。論点になる箇所は「論点になる」「税理士に確認する」とだけ書く

③ 乗り換えは一度に全部を動かすと止まる。出金を先に移し、入金は最後に移す

1. 法人の支出で貯めたポイントを個人の買い物に使う

・法人の支出から生じたポイントは、法人の資産として扱うか個人が受けたものとして扱うかで処理が変わる

・代表者個人の旅行や買い物に充てると、役員賞与・役員貸付などの論点が生じうる

・経理規程で「法人支出から生じたポイントは法人の用途に使う」と決めておく

・判断は税理士に確認する。この記事は税務判断をしていない

ここで判断を誤ると、次に問題になるのは還元率そのものの前提である。表面の還元率が、実際の支払先に対して同じ数字で適用され続けるとは限らない。

2. 高還元と書いてあるカードで、広告費や税金を払う

・比較表の1.0%は、すべての加盟店に永久に適用される保証ではない

・広告費・税金・電子マネーへのチャージ・金券・決済代行を経由する取引は、除外・減額・上限の対象になりうる

・UPSIDERは公式に「一部加盟店除外あり」と書いている

・乗り換え前に、過去12か月の利用明細を加盟店名で分類し、主要な支払先が還元対象かをカード会社に直接確認する

還元率が机上の数字にとどまらないためには、支払いの手段そのものを分散しておく必要がある。1枚のカードに寄せることのリスクは、還元率とは別の種類の損失を生む。

3. 支払いを1枚のカードに集中させる

・利用停止・不正検知・限度額の引き下げが、そのまま支払い停止になる

・クラウドの継続課金が落ちると、サービス側が自動で停止する場合がある

・発行会社・国際ブランド・引落口座の3つを分けておく

・年会費が両方0円なら、分散にかかる年会費の追加は0円(明細照合の手間はゼロではない)

分散はリスクを減らすが、それによって得たポイントの扱いにも同じ注意が要る。ポイントは現金ではない。

4. ポイントを現金と同じものとして計算する

・ポイントには失効期限・交換レートの変更・交換上限・用途制限がある

・この記事の還元額は、ポイントを額面どおり全部使い切れた場合の数字である

・使い切れないなら、実際の還元率は計算より低くなる

・交換先によってレートが違う場合、一番低いレートで計算しておく

ポイントの計算を保守的に見積もっても、最後に残るのは口座そのものの切替リスクである。乗り換えは、一度に全部を動かすと止まる。

5. 銀行の乗り換えで、引落と入金を同時に切り替える

・税金・社会保険・公共料金の口座振替は、変更手続きに1〜2か月かかる場合がある

・取引先からの入金口座を先に変えると、切替期間中の入金が宙に浮く

・並行運用の期間を必ず取る

・先に出金(振込)を移し、入金は最後に移す

乗り換える前に、この5つを潰したか

−

法人支出から生じたポイントの使い道を、経理規程で決めた

個人の買い物に充てると役員賞与・役員貸付の論点が生じうる。税理士に確認する

−

過去12か月の明細を加盟店名で分類し、主要な支払先が還元対象か確認した

広告費・税金・チャージ・決済代行経由は除外や減額の対象になりうる

−

発行会社・国際ブランド・引落口座の3つを分けた

年会費が両方0円なら分散にかかる年会費の追加は0円

−

還元額を、ポイントを全部使い切れる前提で計算していないか見直した

失効・交換レート変更・用途制限があれば実際の還元率は下がる

−

銀行の切替で、出金を先に・入金を最後にする順番を決めた

口座振替の変更に1〜2か月かかる場合がある

この記事が判定していないこと

税務処理・会計処理・審査に通るかどうかの3つは、この記事では判定していない。判定したのは、公表されている手数料と還元率から計算できる金額だけである。

→ 次のSection 13では、移行の手順と、止めてはいけないものの順番を示す。

🗓️ 移行手順書 — 順番と日数と、止めてはいけないもの

このセクションの3点

① 順番は3行で決まる。①先に新しいものを作る ②並行して動かす ③最後に古いものを止める

② 法人AはみずほビジネスWEBだけを解約する。みずほ口座そのものは残す

③ 法人Bは証券口座が開けるかを一番先に確認する。銀行口座が開いても証券口座が開くとは限らない

以下の日程は最短のモデルであって、約束ではない。各段階は「前の段階が完了したこと」を条件に次へ進む。審査・口座開設・口座振替の変更は相手方の都合で遅れる。遅れても損はほとんどしない。銀行の年間削減額375,600円は、1か月遅れても31,300円しか変わらない。

移行の原則は3行で決まる。①先に新しいものを作る。②並行して動かす。③最後に古いものを止める。この順番を崩すと、切替期間に支払いか入金のどちらかが止まる。

順番を逆にした場合の失敗は取り返しがつかない。先に古いものを止めてから新しいものを作ると、その間の支払いと入金が宙に浮く。だから面倒でも、常に2つの口座・2枚のカードが同時に生きている期間を作る。

  1. 1

    第1週

    GMOあおぞらネット銀行の法人口座を申し込む

    承認されるまで次の段階には進まない。まだ何も解約しない。口座ができるまで既存の運用を続ける。
  2. 2

    第1週

    JCB Biz ONE と UPSIDER を申し込む

    同時に何枚も申し込まない。まず主力の1枚から。個人名義口座なら最短5分で発行できると公式に書いてある。
  3. 3

    第2〜3週

    新しい口座に運転資金を移す

    全額を移さない。1か月分の支払いに足りる額から。
  4. 4

    第3週

    振込の出金だけを新しい銀行に移す

    入金はまだみずほのまま。出金を先に移す。ここで年396,000円のうちの大半が止まる。
  5. 5

    第1〜2か月

    カードの決済先を1つずつ移す

    本番のクラウド環境を最初の実験対象にしない。少額のSaaSから移し、継続課金(=毎月自動で引き落とされるサブスクの支払い)・本人認証・カード更新が正常に動くことを確認する。
  6. 6

    第2か月

    ドル建ての支払いだけを JCB Biz ONE に寄せる

    海外事務手数料1.60%が効くのはここ。ドル建ての請求書を一覧にしてから移す。
  7. 7

    第2〜3か月

    口座振替(=税金や公共料金が、毎月自動で口座から引き落とされる仕組み。社会保険料も含む)の引落先を確認する

    変更に1〜2か月かかる場合がある。この段階でみずほを止めない。
  8. 8

    第3か月

    取引先の入金口座を変更する

    一斉に通知せず、支払いサイトの区切りに合わせる。切替期間中は両方の口座を見る。
  9. 9

    第4か月

    1か月、みずほに入出金が一切ないことを確認する

    明細を1件ずつ見る。口座振替の残りがここで出る。
  10. 10

    第4〜5か月

    みずほビジネスWEB の契約だけを解約する

    口座は解約しない。解約には別途手続きが必要と公式に書かれている。月間基本料金3,300円がここで止まる。
  11. 11

    第5か月

    オリコ EX Gold for Biz M を解約する

    年会費の引落日より前に。引落済みの年会費は戻らない。カードに紐づいた継続課金がゼロであることを確認してから。
  12. 12

    随時

    みずほ口座は残したまま、年1回は入出金を通す

    未利用口座の扱いは公式ページで確認できなかったため、実際の扱いは銀行に直接確認する。

この順番を崩すと起きること

・入金口座を先に変えると、切替期間中の入金が宙に浮く

・みずほビジネスWEBを先に解約すると、残った口座振替の引落が失敗する

・カードを先に解約すると、継続課金のサービスが停止する

・1日で全部やろうとすると、どこで失敗したか分からなくなる

法人B(これから作る投資マイクロ法人)の順番

  1. 1

    設立前

    使う証券会社が合同会社を受け付けるか確認する

    銀行口座が開いても証券口座が開くとは限らない。ここが一番先。
  2. 2

    設立前

    定款の目的に「有価証券の取得、保有、運用及び管理」を入れる

    設立後に変えると登記費用がかかる。
  3. 3

    登記中

    GMOあおぞらネット銀行に法人口座を申し込む

    法人登記中でも申込が可能と公式に書かれている。履歴事項全部証明書・印鑑証明書の取得は不要。
  4. 4

    設立直後

    JCB Biz ONE 一般を申し込む

    法人口座を作る前でも申し込めると公式に書かれている。年会費は永年無料。
  5. 5

    設立直後

    資本金500万円の出所が分かる資料を揃える

    個人口座の履歴、法人Aからの役員報酬が分かる資料。
  6. 6

    1か月目

    証券口座を開く

    必要書類は証券会社ごとに違う。SBI証券は登記簿謄本の原本と法人番号確認書類の原本。
  7. 7

    以降

    毎月1回、銀行から証券口座へ入金する

    GMOあおぞらの他行宛は一律100円。年1,200円。

解約する前に必ず確認するもの

−

オリコのカードに紐づいた継続課金がゼロか

−

みずほ口座への入金が1か月ゼロか

−

口座振替(税金・社会保険・公共料金)が全部移っているか

−

取引先への振込先変更の通知が全件済んでいるか

−

新しいカードで、主要な支払先が還元の対象になっているか

止めてはいけないもの

移行のあいだ、①取引先への支払い ②取引先からの入金 ③クラウドの継続課金 の3つは1日も止めない。この3つが止まらない限り、移行は何か月かかっても構わない。急ぐ理由は無い。年375,600円は、1か月遅れても31,300円しか変わらない。

→ 次のSection 14では「Codexの独立案との突き合わせと、3つのレビュー」を扱う。

🧪 3つのレビューで、この記事のどこが崩れたか

このセクションの3点

① ここは記事の付録である。第13章までで結論は全部出ている。ここから先は「どうやってその結論に着いたか」と「どこを直したか」の記録なので、読まなくても実行に支障はない

② 公開前に3つのレビューを回した。①Codexによる全文レビュー(72点)②何も知らない高校生2人による読みやすさレビュー(60点と18点)③実ブラウザでの見た目のレビュー。合計で16箇所を直した

③ 一番大きかったのは「JCBの海外事務手数料1.60%は最安だが、Cloudflareの公式の支払い方法一覧にJCBが載っていない」という発見。これで主力カードの結論がJCBからUPSIDERへ入れ替わった

この章は読み飛ばしてよい。第1章のランキングと第13章の手順書で、やることは全部決まっている。ここに書いてあるのは、その結論がどうやって間違いを剥がされたかの記録である。

レビューは3つ回した

レビュー誰が何を見たか点数
CodexクロスレビューCodex(GPT-5.6)全文32,000字。計算の検算、章どうしの矛盾、確認していないことの断定72点
高校生レビュー ①記事の意図を知らないAI(高校2年生として)同じ全文。用語・離脱箇所・「結局どういうこと」60点
高校生レビュー ②別のAI(お金に興味のない高校2年生として)同上。同じ記事を別の人格で読ませて、指摘が重なるかを見た18点
デザインレビューClaude(実ブラウザ・390pxと1280px)横スクロール、数字の折り返し、図の文字の大きさ、文字の壁不合格項目 0

高校生レビューを2本回したのは、点数そのものを信用していないからである。同じ記事でも読み手によって60点と18点に割れる。信用できるのは点数ではなく、2人が同じ箇所を指摘したかどうかだけだった。

① Codexが崩した、この記事の誤り

🧠 Codexの判定 最大の指摘

JCBをドル建て決済の主力にするなら、その決済先がJCBを受け付けるかを検査していない。1.60%が最安でも、決済できなければ便益はゼロである

  • 記事はJCB Biz ONEの海外事務手数料1.60%を根拠に1位を付けていた
  • しかし、日本のJCBが海外のサービスで使えるかを一度も確認していなかった
  • これは「ドル建て600万円」という計算の前提そのものを崩す
くわしい根拠を読む ▾

指摘を受けて公式ページを確認した結果、Vercelは公式に JCB(Japan Credit Bureau)を受け付けると明記しており、Cloudflareの公式の支払い方法一覧にはJCBが載っていなかった(Visa・Mastercard・American Express・Discover・UnionPay と PayPal・Apple Pay・Google Pay・Stripe Link)。

あわせて、UPSIDERの国際ブランドがVisaであることも公式で確認した。Visaなら両方の受入リストに入っている。この1件で、法人Aの主力カードがJCB Biz ONEからUPSIDERへ入れ替わった。手数料率は、使える場所の中でしか意味を持たない。

これは数字の誤りではなく、比較の枠組みの誤りだった。私は「率が低いほうが得」という軸だけを立てて、その軸が成立する範囲を確かめていなかった。以下は、それ以外にCodexが挙げた指摘である。

Codexの指摘どこが誤りだったかどう直したか
結論が章によって違う第1章は「JCB Biz ONE 一般」、第5章は「メインUPSIDER+ドル建て専用JCB」で食い違っていた。主カードがどちらかは依頼の中心である両方を「UPSIDER+JCB Biz ONE の2枚運用」に統一した
計算できないカードに順位を付けている海外事務手数料が公式に無いマネーフォワードを5位、還元率が公式に無いfreeeを候補に入れて並べていた。ネット便益が確定しないなら順位は付けられない「確定ランキング」と「計算できなかった候補」の2段に分けた。現行のオリコも後者に落とした
改善額のレンジの下限に根拠が無いカード改善を「27,300円〜」としていたが、27,300円はオリコの海外事務手数料を0%とした場合の値で、その前提を書いていなかった123,300円〜258,300円に直した。合計は498,900円〜633,900円になった
法人Bについて「通る」と断定している「法人そのものを審査するカードは原理的に通らない」は言い過ぎ。第12章の「審査は判定しない」とも衝突していた「申し込めることと承認されることは別。この記事は承認を判定していない」に統一し、前払い・保証金型の代替手段を並記した
「円だけで決める」という基準を自分で破っている順位は金額だけと言いながら、限度額・障害時の代替経路・銀行との関係を結論に入れていた「順位は金額のみ。最終採用は金額+事業継続性」の二段階だと明記した
未確認の費用を0円として順位計算しているPayPay銀行の月額を「確認できなかった」と書きながら、表では月額0円で年87,000円と計算していた「月額0円が前提。確認できるまでは条件付き」と明示した
不存在の証明になっている「オリコは公式に一度も記載していない」は、過去の規約やPDFまで無いことの証明にはならない「調査した公式サイト・商品ページ・FAQでは確認できなかった」に弱めた
ポイントを現金と同じに扱っている還元をすべて額面1%でネット便益に入れていた。失効・交換上限・対象外決済の検証はしていない「ポイントを法人用途で1円相当として使い切れた場合の上限値である」と明記した

Codexが正しく、私が採用したもの(記事の外の話)

Codexは独立案の段階で、私が計算に入れていなかった選択肢を3つ挙げていた。①SaaSの年払い割引10〜20%とボリュームディスカウント。②外貨残高を持つことは為替リスクを前倒しで負うこと。③法人の支出で貯めたポイントを個人が使うと役員賞与の論点が生じうること。

①は特に効く。年間600万円のドル建て支出に10%の年払い割引が効けば60万円で、この記事のカード改善額(年約20万円)の3倍になる。還元率と手数料は支払いの上に乗る薄い層で、支払いそのものの金額を動かすほうが大きい。ただし年払いには解約不能・返金不能のリスクがあるので、この記事の手順書には組み込まず、別の検討事項として残した。

② 高校生2人が、同じ場所で読むのをやめた

2人の点数は60点と18点で大きく割れた。18点をつけたほうは「興味が持てるかどうか以前に、自分に関係のある話だと思える瞬間が一度もなかった」と書いている。これは記事の欠陥というより読者層の違いだが、2人が同じ箇所を挙げたものだけは、確実な欠陥である。

2人とも指摘したので直したこと

✓

専門用語がその場で説明されていない

与信・実質還元率・ネット便益・決算書・口座振替・損益分岐点・履歴事項全部証明書などに、初出時のカッコ書きを入れた

✓

第3章のポイント4段変換で読むのをやめる

「1,000円使うと6円戻る」という結論を先に大きく出し、4段の途中経過は折りたたみに移した

✓

第5章のカード名が多すぎて区別がつかない

1位と2位だけを本文に残し、3位以下は折りたたみに退避した

✓

この章(Codexとの答え合わせ)で一番集中力が切れる

冒頭に「ここは付録。読み飛ばしてよい」と明記した

✓

誰向けの記事か冒頭に書いていない

第1章の先頭に1行入れた

△

表が多すぎて、どれが大事な数字か分からなくなる

折りたたみへ移して減らしたが、比較を捨てるわけにいかないので完全には解消していない

2人とも「面白い」と言った3箇所は、削らずに厚くした

①第8章の「オリコもみずほ側にいる」。10年使ってきたカード会社が、10年使ってきた銀行の系列会社だった、という話。②第7章の「とくとく会員」。名前が「お得」でも、月500件振り込まないと損になるという話。③第2章の「なぜ気づかなかったか」。660円は小さすぎて明細では気づけない、という話。

3つとも共通しているのは、数字そのものではなく、数字が見えなくなる仕組みの話だという点である。金額の比較は読み飛ばされるが、見えなくなる仕組みは読まれる。

③ 見た目は390pxの実画面で測った

検査項目結果
横スクロールの発生無し(390px)
大きな数字の折り返し無し
構成図の文字の実効サイズ全て9px以上
見出しに色が付いているか14章すべてに色あり
表が7列以上になっていないか無し(全て6列以内)
文字の壁(連続する段落)1箇所 1,552字。この章にあったので、表とカードで割った

それでも確定しなかったこと

ここから先は本人が確認する

−

オリコ EX Gold for Biz M の海外事務手数料

調査した公式サイト・商品ページ・FAQでは確認できなかった。カード会社に直接聞く

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みずほ銀行の法人口座の口座維持手数料・未利用口座手数料

公式ページで確認できなかった。無いことを確認できてから口座を残す

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過去12か月の外貨支払先が、JCBで通るかVisaが要るか

Cloudflareの公式一覧にJCBは無い。Vercelには明記されている。決済先ごとに違う

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プリペイド型・バーチャルカードを弾く決済先が無いか

Vercelは「prepaid cards」「some virtual cards」を無効と公式に明記している

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主要な支払先が、新しいカードの還元対象になっているか

UPSIDERは「決済先によって異なる場合がございます」と注記している

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審査に通るかどうか

この記事は公表されている条件を並べただけで、承認を予測していない

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ポイントの税務上の扱い

税理士に確認する。この記事は税務判断をしていない

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SaaSの年払い割引・請求書払いの条件

カードの還元率より大きく効く可能性がある

確定したことと、確定しなかったこと

確定した。みずほビジネスWEB ライトプランは月額3,300円で他行宛3万円以上が660円。振込 月50回なら年435,600円。GMOあおぞらネット銀行は月額0円で他行宛が一律100円なので年60,000円。差は年375,600円。オリコ EX Gold for Biz M の実質還元率は、公式ページを4枚たどって0.60%。JCBの海外事務手数料は1.60%で、三菱UFJニコスの3.85%とは2.25ポイント開いている。

確定しなかった。オリコの海外事務手数料。Wise Businessの日本向け料率。証券会社3社が設立直後の法人を受け付けるか。そして、審査に通るかどうか。確定しなかったものを、それらしい数字で埋めなかった。この記事の年間改善額が498,900円〜633,900円という幅を持っているのは、そのためである。

→ 第1章の2つのランキングに戻れば、明日どこへ申し込むかは決まっている。