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🏭 すべてが工場だとしたら、個人は何を生産すればいいのか — これから20年のランキング10

人間の活動をすべて繰り返しの生産と定義する。警察は治安を生産し、教師は理解を生産している。個人も1つの工場だとしたとき、これから20年で必要とされ続ける生産物は何かを、5つの軸で採点して10位まで並べた。1位は検証だった。

まず答え — 10個のランキング

このセクションの3点

① 人間の活動をすべて繰り返しの生産とみなすと、個人も1つの工場になる

② これから20年で必要とされ続ける生産物を5つの軸で採点し、10位まで並べた

③ 1位は検証。AIの生産量が増えるほど需要が増える、唯一の生産物だった

この記事は誰の話か

この記事は、ある個人からの依頼で書いた。1990年生まれ・35歳・2015年から独学でプログラミングを続け、2014年に入社した会社でシステム開発と経理と営業と実務を10年以上兼任している人である。SvelteKit と Turso でシステムを作り、開発のほとんどを Claude Code で行っている。

第1章から第11章までは誰にでも当てはまる話として読める。最後の章だけ、この人に当てて絞り込んでいる。

まず答え — 10位までのランキング

10の生産物を5つの軸で採点した(25点満点)
1 検証
23点

AIが増えるほど需要が増える

2 責任
22点

署名して責任を引き受けられるのは人間か法人だけ

3 一次データ
21点
4 保守
21点
5 治安
20点
6 介護
19点
7 信用
19点
8 選別
19点
9 場
17点
10 教える
16点

反復性・AI耐性・個人可能性・非属人化・20年後の需要を各5点で採点。実測ではなく、この記事の枠組みに沿った私の判断。

人間の活動をすべて「繰り返しの生産」とみなしたとき、これから20年、個人が生産して儲かるものを5つの軸で採点し、10位までの順位をつけた。専門用語はまだ使わず、それぞれが何を生み出すかだけを先に書く。

順位生産物一言でいうと25点満点の合計
1検証AIが出したものが本当に正しいか確かめる23
2責任署名し、結果を引き受ける22
3一次データ現地で自分の目と手で測る、数える、撮る21
4保守壊れたものを動く状態に戻す21
5治安・安全毎日の安全を作り続ける20
6介護・看取り体に触れて世話をする19
7信用この人に頼めば大丈夫、という実績を積む19
8選別大量にあるものの中から良いものを選ぶ19
9場人が集まる場所を作り、維持する17
10教える相手を見ながら伝え方を変える16
1位は「検証」。AIが作るものが増えるほど、それが正しいか確かめる仕事の量も増える。作る量に比例して需要が増える生産物は、この10個の中でここだけである。

→ 次のSection2では、この「生産」という考え方そのものを説明する。

すべてを生産とみなすと何が変わるか

このセクションの3点

① 職業の名前で考えるのをやめて、何を生産しているかで考える

② 警察は治安を生産し、教師は理解を生産している

③ デザイナーが失ったのは職業ではなく、画像という生産物のほうだった

すべてを生産とみなすと何が変わるか

職業の名前ではなく、何を生産しているかで見る
職業 → 生産している物 警察 →治安 教師 →理解 医者 →健康 デザイナー →画像 AIが取ったのは職業ではなく、画像という生産物のほう 同じ人が決定を生産すれば、取られていない

人間の活動はすべて繰り返しの生産である。警察は治安を生産している。教師は理解を生産し、医者は健康を生産している。教師も医者も警察も、毎日同じ種類のものを作り続けているという点で工場と同じ構造を持つ。

この考え方を採用すると、個人も1つの工場になる。問うべきは「何の仕事をするか」ではなく「何を作る工場になるか」である。

この枠組みの効用

職種名でなく生産物で考えると、AIに何を取られたかが正確に見える。

たとえばデザイナーが取られたのは「デザイナーという職業」ではない。「画像という生産物」を取られた。同じ人が、画像ではなく「決定」を生産していれば、まだ取られていない。決定とは、AIが出した候補のうちどれを採用するかを選び、その責任を引き受けることである。

同じ人でも、何を生産しているかで結果が変わる

画像を生産する人

AIに取られた

  • ・AIが同じ画質・同じ枚数を、同じ時間でもっと安く作れる
  • ・値段は生産量が増えるほどゼロに近づく

決定を生産する人

まだ取られていない

  • ・AIが出した候補のどれを採用するかは人間が選ぶ
  • ・選んだ結果への責任は人間にしか引き受けられない

→ 次のSection3では、この採点に使った用語を1つずつ説明する。

用語カード

このセクションの3点

① この記事に出てくる言葉を先にまとめて説明する

② 生産物・反復性・非属人・参入障壁が、順位を決めている軸になる

③ 職業名ではなく生産物の名前で読むと、以降の章が通る

用語カード

→ 次の章では、10個を並べるのに使った5つの軸と配点を示す。

5つの軸と配点

このセクションの3点

① 5つの軸で各5点、合計25点満点で採点した

② 反復性・AI耐性・個人可能性・非属人化・20年後の需要

③ この配点は実測ではなく、この記事の枠組みに沿った判断である

5つの軸と配点

反復性

繰り返し必要とされるか。1回で終わるものは工場にならない

AI耐性

AIが同じ生産物を出せないか。出せるなら価格はゼロへ向かう

個人可能性

設備・許認可・資本が個人の手に届くか

非属人化

本人がいなくても回るか

20年後の需要

2046年に増えているか。人口動態や制度で説明できるか

10個の生産物は、5つの軸でそれぞれ5点満点、合計25点満点で採点した。なぜこの5軸なのかを先に書く。

採点の内訳を表で見る 上のカードと同じ数字 開く ▾
軸意味
反復性その生産物が繰り返し必要とされるか。1回で終わるものは工場にならない
AI耐性AIが同じ生産物を出せないか。出せるなら価格はゼロへ向かう
個人可能性設備・許認可・資本が個人の手に届くか
非属人化本人がいなくても回るか(依頼者の既存原則。SNSだけ例外)
20年後の需要2046年に増えているか(人口動態・制度で説明できるか)

反復性がなければ、そもそも工場として成立しない。AI耐性がなければ、いくら繰り返しても価格が下がり続けて儲からない。個人可能性がなければ、この記事の対象である「個人」が生産できない。非属人化は、本人が倒れても止まらない仕組みを作れるかという軸で、SNSだけは本人でなければ成立しないため例外とする。最後の20年後の需要は、この採点が今だけでなく2046年まで通用するかを見るための軸である。

5軸は単純に足して25点満点とした。軸に重みはつけていない。

→ 次のSection4では、1位「検証」と2位「責任」を掘り下げる。

1位 検証 — AIが増えるほど需要が増える唯一の生産

このセクションの3点

① 1位は検証。AIが出したものが正しいと確かめる生産

② AIの生産量が増えるほど、検証されていない生産物の量も増える

③ AIに検証させても、そのAIが正しいかを確かめる必要が残る

1位 検証 — AIが増えるほど需要が増える唯一の生産

5

反復性 / 5

4

AI耐性 / 5

5

個人可能性 / 5

4

非属人化 / 5

5

20年後の需要 / 5

23点

1位 検証 の合計(25点満点)

検証とは何か。AI、あるいは他の誰かが出した生産物を、実際に動かし、数え、裏取りして「正しいか」を確かめる作業そのものを、ここでは1つの生産物として扱う。コードが動くかを確認する、記事の数値が出典と一致しているかを確かめる、契約書の条文が実態と食い違っていないかを読む。すべて同じ形をしている。

コードを書く、文章を書く、画像を作るという生産物と違い、検証には完成品が存在しない。あるのは「合格」か「不合格」かという判定と、その根拠だけである。

なぜ必要とされるのか

ここがこの生産物の核心であり、10位までの中で唯一この性質を持つ。AIの生産量が増えるほど、検証されていない生産物の量も同じだけ増える。デザイナーが1日に作れた画像の枚数と、AIが1日に作れる画像の枚数は桁が違う。検証されないまま出回る画像・コード・文章の量も、同じ比率で増える。

つまり検証という生産物は、他の9つのように「AIが増えても横ばい」ではなく、AIの生産量に比例して需要が増える。生産量が増えるほど価値が下がる他の生産物と、正反対の向きに動く。

AIが代替できない理由(入れ子構造)

ここに入れ子の構造がある。AIに検証をやらせることはできる。しかしそのAIが出した検証結果が正しいかどうかは、また誰かが確かめる必要がある。検証者を検証する者が要る、という構造は原理的に閉じない。人間がどこかの層で「これ以上は確かめなくてよい」と判断して止めるしかなく、その最後の判断者が生産物としての検証の担い手になる。

AI耐性が5点ではなく4点なのはここに理由がある。AIは検証の下準備(数値の突き合わせ、差分の抽出)までは代替できる。最後に「これで合格」と判断する層だけが人間に残る。

個人がどう始めるか

設備はほぼ要らない。必要なのは検証対象についての専門知識と、実際に動かして確かめる時間だけである。コードレビュー、事実確認、査読、監査、第三者チェックはすべてこの生産物の実装形態にあたる。元手はゼロに近く、参入障壁は資格ではなく専門知識の深さで決まる。

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軸反復性AI耐性個人可能性非属人化20年後の需要計
検証5454523
依頼者自身がこの生産をすでに行っている。全記事でCodexに書かせた本文を自分で検証し、さらに高校生に読ませて点をつけさせている。まだ売っていないだけで、行為としては1位の生産をすでに毎日繰り返している。

→ 次の章では、2位の責任を見る。AIが決して肩代わりできない生産である。

2位 責任 — 署名して責任を引き受けられるのは人間か法人だけ

このセクションの3点

① 2位は責任。署名し、承認し、引き受ける生産

② 法律上AIは責任を負えないので、この生産は制度として人間に残る

③ AIが増えるほど、誰が引き受けたかの価値は上がる

2位 責任 — 署名して責任を引き受けられるのは人間か法人だけ

5

反復性 / 5

5

AI耐性 / 5

4

個人可能性 / 5

3

非属人化 / 5

5

20年後の需要 / 5

22点

2位 責任 の合計(25点満点)

責任とは何か。承認する、署名する、引き受けるという行為そのものを1つの生産物として扱う。設計図に押す印、契約書のサイン、意思決定の最終決裁。中身を作るのは他の誰か・何かでもよいが、最後に「これでいく」と決めて自分の名前を残す行為だけを取り出す。

なぜ必要とされるのか

法律上、AIは責任主体になれない。契約の当事者にも、過失の帰属先にもなれない。だから承認・引き受けという行為は、制度として人間の側に固定されたまま動かない。AIが生産する量が増えるほど、その生産物の背後に「誰が引き受けたか」を求められる場面も増える。署名して責任を引き受けられるのは人間か法人だけという一文が、この生産物の需要が減らない理由のすべてである。

AI耐性5点(満点)の理由

10項目の中でAI耐性が満点なのはここだけである。AIがどれだけ精度を上げても、法律上の責任主体になれない限りこの生産物には手が届かない。技術の進歩ではなく制度の側で守られている点が、他の生産物と質的に違う。

個人可能性と非属人化

個人可能性は4点。資格や免許、あるいは会社内での決裁権に紐づくため、誰でもすぐに始められるわけではないが、個人が到達できる範囲にはある。非属人化は3点で最も低い部類に入る。署名は本人の名前でしか成立しないという性質上、他人に完全に引き継ぐことができない。ここが検証や一次データと違う弱点になる。

個人がどう始めるか

資格を取って承認する側に回る(建築士、行政書士、監査人など、承認・押印が業務に組み込まれた資格)、あるいは組織の中で意思決定権を持つ立場に上がることの2通りがある。設備投資は不要だが、信用の積み上げに時間がかかる生産物である。

採点の内訳を表で見る 上のカードと同じ数字 開く ▾
軸反復性AI耐性個人可能性非属人化20年後の需要計
責任5543522
依頼者にとって、この生産物は要件定義とプライバシーマーク・ISMSの実務経験が直接効く数少ない項目にあたる。ソースコードを書かずに外注で通した経験は、中身を作らず引き受ける側に立った経験そのものである。

→ 次の章では、3位の一次データと4位の保守をまとめて見る。

3位 一次データ と 4位 保守

このセクションの3点

① 3位は一次データ。現地で測る・数える・撮る生産

② 4位は保守。設備や住宅を動く状態に保つ生産

③ どちらも21点。AIが既存データしか持たないこと、物が必ず壊れることが根拠

3位 一次データ — 現地で測る・数える・撮る

3位 一次データ と 4位 保守

3位 一次データ

21点

  • ・現地で測る・数える・撮る
  • ・AIは既にあるデータしか持たない
  • ・測った人以外まだ誰も持っていない数字になる

4位 保守

21点

  • ・設備・住宅・機械を動く状態に保つ
  • ・物は必ず壊れる。壊れる速さは技術の進歩と無関係
  • ・人口が減っても設備は減らないので1人あたりの量は増える

一次データとは何か。誰かがまとめた統計や記事を引用するのではなく、自分の手足で現地に行き、数え、測り、撮って作る数値そのものを生産物として扱う。物件の実際の掲載数を数える、店舗の在庫を数える、価格をAPIで1件ずつ取得する。すべて同じ形をしている。

なぜ必要とされるのか。AI単体は既にあるデータしか持たない(センサーやカメラを持つ仕組みと組めば新しく取ることはできる)。学習データに入っていない数値、まだ誰も集計していない現場の状態は、AIにとって空白のままである。現地で測った数字は、測った本人以外まだ誰も持っていない。この非対称性が需要の源になる。

AIが代替できない理由。AIは集計・要約・比較には強いが、現地に足を運んで数えるという行為そのものは代替できない。AI耐性が5点(満点)なのはこのためである。裏返せば、一次データさえ入力してしまえば分析はAIが引き受けられるので、価値は「集める」段階に集中する。

個人がどう始めるか。特別な許認可は不要で、対象領域を決めて現地に行く、あるいは公開APIを使って自分で数える体制を作ることから始められる。元手はほぼゼロで、必要なのは根気と検証の習慣である。

軸反復性AI耐性個人可能性非属人化20年後の需要計
一次データ4544421
依頼者が麹町の物件を1件ずつ数え、楽天APIで802件を数えたのがこの生産物にあたる。すでに実装している3つの生産物のうちの1つ。

4位 保守 — 動く状態に保ち続ける

保守とは何か。設備・住宅・機械を、壊れたら直し、壊れる前に点検し、動く状態のまま保ち続ける生産物である。新しく作る生産物ではなく、すでにあるものを維持し続ける生産物という点が他の項目と違う。

なぜ必要とされるのか。物は必ず壊れる。壊れる速さは技術の進歩とほぼ無関係で、AIがどれだけ賢くなっても配管の劣化や部品の摩耗は止まらない。人口が減っても既存の設備の総量はすぐには減らないため、1人あたりの保守量はむしろ増える方向に動く。

AIが代替できない理由。AI耐性は5点(満点)。診断や部品発注の最適化はAIが担えても、実際に現場で手を動かして直す部分は物理的な作業として人間に残る。ここは検証や責任と違い、法制度ではなく身体性が理由になっている。

個人がどう始めるか。個人可能性は3点とやや低い。特定分野の技能資格や設備投資が必要になる場合が多く、参入コストは検証や一次データより高い。まず1つの分野(住宅設備、機械、ITインフラなど)に絞って技能を身につけることが起点になる。

軸反復性AI耐性個人可能性非属人化20年後の需要計
保守5533521

→ 次の章では、5位の治安と6位の介護を見る。

5位 治安 と 6位 介護

このセクションの3点

① 5位は治安。依頼者が挙げた例そのもの

② 6位は介護。身体に触れ、法的責任を伴う

③ 治安は貯めておけず、介護は人口動態という最も外れにくい根拠を持つ

5位 治安・安全 — 依頼者が挙げた例そのもの

5位 治安 と 6位 介護

5位 治安

20点

  • ・依頼者が挙げた例そのもの
  • ・毎日生産し続けないと在庫がゼロになる
  • ・貯めておけない生産物

6位 介護

19点

  • ・身体に触れる必要があり法的責任も伴う
  • ・20年後の需要の根拠が人口動態で最も外れにくい
  • ・個人可能性2点・非属人化2点で下位

治安とは何か。警察・警備・監視といった、社会が安全な状態にあることそのものを生産物として扱う。依頼者が最初に挙げた例そのものであり、この記事の枠組みの出発点にあたる。

なぜ必要とされるのか。治安には在庫という概念がない。毎日生産し続けないと、その日のうちに在庫がゼロになるタイプの生産物である。昨日安全だったからといって今日も安全とは限らず、蓄えておいて後で取り崩すことができない。この性質が、需要が途切れない理由になっている。

AIが代替できない理由。AI耐性は4点。監視カメラの映像解析や異常検知はAIが担える範囲が広がっているが、現場に駆けつけて実際に対処する部分、判断して人を制止する部分は人間に残る。AI耐性が満点でないのは、検知の自動化が確実に進む分野だからである。

個人がどう始めるか。個人可能性は2点と低い。警備業には都道府県公安委員会への認定が必要で、警察官には採用試験がある。個人が単独で始められる範囲は限られ、多くは組織に所属することが前提になる。個人で始めるなら、施設警備や個人宅向けの防犯コンサルティングなど、認定を取った上での小規模な受託が現実的な入口になる。

軸反復性AI耐性個人可能性非属人化20年後の需要計
治安・安全5424520

6位 介護・看取り — 身体接触と法的責任を伴う

介護とは何か。身体に直接触れて世話をする、最期を看取るという生産物である。他の9項目のほとんどが情報や判断を生産物とするのに対し、これは身体的な接触を必須とする点で異質である。

なぜ必要とされるのか。この項目の根拠は人口動態であり、10項目の中で最も外れにくい予測にあたる。2046年の高齢者数は今より多いことがすでに推計上ほぼ動かない。景気や技術の進歩に左右される他の項目と違い、この需要はすでに生まれている人の年齢が積み上がるだけで発生する。

AIが代替できない理由。AI耐性は5点(満点)。身体を支える、排泄を介助する、最期に立ち会うという行為は、ロボットや自動化の対象にはなりにくい。同時に法的責任(虐待の禁止、医療行為との境界)も人間に課されており、この2点が代替を防いでいる。

個人がどう始めるか。個人可能性は2点と最も低い部類に入る。介護福祉士などの資格取得、あるいは訪問介護事業者としての開業には時間と身体的な負荷がかかる。個人が単独で始めるハードルは高く、非属人化も2点しかない。担い手本人が現場にいなければ生産が止まる、この記事の中で最も属人的な生産物である。

軸反復性AI耐性個人可能性非属人化20年後の需要計
介護・看取り5522519

→ 次の章では、7位の信用と8位の選別を見る。

7位 信用 と 8位 選別

このセクションの3点

① 7位は信用。実名と実績と継続で担保する生産

② 8位は選別。大量生産物の中から選ぶ生産

③ 選別はAI耐性が2点しかないのに、反復性と個人可能性が満点なので順位が高い

7位 信用 — 実名・実績・継続で担保する(計19点)

7位 信用 と 8位 選別

7位 信用

19点

  • ・実名・実績・継続で担保する
  • ・AIは信用を蓄積できない(本人が存在しないため)
  • ・非属人化は2点。本人に紐づくのが弱点

8位 選別

19点

  • ・大量生産物の中から選ぶ
  • ・AI耐性は2点しかない(AIが最も得意な領域)
  • ・それでも順位が高いのは反復性と個人可能性が満点だから
軸反復性AI耐性個人可能性非属人化20年後の需要計
信用4452419

信用は、同じ品質を誰から買うかで価格が変わる生産物である。中古品の査定、紹介、仲介はすべて信用の価格差を売っている。AIは大量の情報を生産できるが、信用そのものは蓄積できない。信用は「この人が過去にやったこと」の積み重ねであり、AIには過去の実績を自分の名前で背負う主体がいないからだ。

非属人化が2点と低いのは、信用が本人に紐づく生産物だからである。信用は仕組みに乗せて他人へ引き継ぐことが難しく、本人がいなくなると生産が止まる。個人可能性は5点で、資本も許認可もほぼ要らず、継続だけで積み上がる。

8位 選別 — 大量生産物の中から選ぶ(計19点)

軸反復性AI耐性個人可能性非属人化20年後の需要計
選別5253419
AI耐性は2点しかないのに、順位は19点で7位の信用と並ぶ。理由は反復性と個人可能性が満点だから。選別は毎回必ず発生し、しかも個人が今日から始められる生産物である。低い1軸だけでは順位は落ちない。

選別とは、目利き・キュレーション・仕入れの目利き・レビューのように、大量に生産されたものの中から「これを選べ」と決める生産物である。AIは選択肢を大量に生産することが得意だが、選ぶという決定そのものもAIが最も得意とする領域であり、ここでAI耐性が2点まで落ちる。

それでも順位が19点まで上がるのは、選別という作業自体が毎回発生し(反復性5)、設備も許認可も要らず個人がすぐに始められる(個人可能性5)ためである。AIに代替されやすい軸を、代替されにくい軸が押し上げている生産物といえる。

→ 次のSectionでは9位「場」と10位「教える」を見る。

9位 場 と 10位 教える

このセクションの3点

① 9位は場。人が集まる場所を維持する生産

② 10位は教える。人間相手に即応して伝える生産

③ どちらも非属人化が2点で、本人が抜けると止まる

9位 場 — 人が集まる場所と運営(計17点)

9位 場 と 10位 教える

9位 場

17点

  • ・人が集まる場所と運営
  • ・誰かが維持しないと消える
  • ・非属人化2点。運営者が抜けると終わる

10位 教える

16点

  • ・人間相手に即応して伝える
  • ・教材そのものはAIが作れる
  • ・残るのは相手を見て出し方を変える部分だけ
軸反復性AI耐性個人可能性非属人化20年後の需要計
場4432417

場は、オンラインでもオフラインでも、人が集まり続ける場所とその運営そのものを指す生産物である。AIは会話や情報は生産できるが、人が集まり続ける場所自体は生産できない。誰かが維持しなければ場は自然に消える。

個人可能性が3点と中位なのは、場を維持するには一定の継続的な労力と、時には設備・場所代が必要になるからだ。非属人化はもっとも低い2点で、場は運営者の存在そのものに依存しやすい。

10位 教える — 人間相手に即応して伝える(計16点)

軸反復性AI耐性個人可能性非属人化20年後の需要計
教える4342316

教えるという生産物のうち、教材そのものはすでにAIが作れる。残るのは、目の前の相手の理解度・つまずき・反応を見て、その場で説明の仕方を変える部分だけである。AI耐性が3点と中位に留まるのはこのためだ。

非属人化は2点で最も低い。教える行為は本人が相手の反応を見て即応することが本質であり、仕組み化すればするほど「教える」ではなく「教材を配る」に近づいてしまう。20年後の需要も3点とランキング中で最も低く、教材の生産がAIに置き換わるほど、人間が担う部分は狭く深くなっていく。

→ 次のSectionでは、AIに食べられたのは職業ではなく生産物だったという、この記事でいちばん重要な主張を見る。

AIに食べられたのは職業ではなく生産物だった

このセクションの3点

① デザイナーが失ったのは職業ではなく、画像という生産物である

② 同じ人が決定や責任を生産すれば、その人は何も失っていない

③ 職種名で数えると失業に見え、生産物で数えると入れ替わりに見える

「AIにデザイナーが食べられている」という言い方は、職種名で数えている。だが同じ出来事を生産物で数え直すと、見え方が変わる。AIが取ったのは画像という生産物であり、デザイナーという職業そのものではない。

画像を作ることだけを仕事にしていた人は、その生産物の価格がゼロに向かうのを直接受ける。だが同じ人が、AIが出した画像を検証する側に回る、あるいはどの画像を採用するかを決める側に回れば、その人は検証や決定という別の生産物を生産している。ここでは何も失っていない。

同じ出来事の2つの数え方

職種名で数える

失業に見える

  • ・デザイナーが減っている
  • ・AIがデザイナーの仕事を奪った
  • ・職業そのものが消えていく

生産物で数える

入れ替わりに見える

  • ・画像という生産物の価格がゼロへ向かう
  • ・検証・決定という生産物の需要が増える
  • ・同じ人が生産物を乗り換えれば生き残る
この記事の枠組みが言いたいのは一点だけである。問うべきは「その職業は生き残るか」ではなく「自分は今、何を生産しているか」である。職業名のままでは、乗り換えるべきタイミングも、乗り換え先も見えない。

→ 次のSectionでは、依頼者本人がすでに何を生産しているかを見る。

依頼した本人に当てはめる — すでに3つを生産している

このセクションの3点

① この人がすでに生産しているのは1位の検証・3位の一次データ・7位の信用の3つ

② 1位の検証は毎日やっていることそのもので、まだ売っていないだけ

③ 6位の介護と9位の場は、この人にいちばん向いていない

依頼者がすでに生産しているもの

✓

1位 検証

Codexに書かせて自分で検証し、高校生に読ませて点をつけさせている。毎日やっているが、まだ売っていない

✓

3位 一次データ

麹町の物件を1件ずつ数え、楽天APIで802件を数えた。測った数字は本人以外まだ持っていない

✓

7位 信用

2014年入社の現職で10年以上、システム開発・経理・営業・実務を兼任してきた継続そのもの

−

2位 責任

要件定義とISMS・Pマークの実務経験が直接効く。ソースコードを書かず外注で通した経験は引き受ける側の経験

−

6位 介護 と 9位 場

身体と対人が中心で非属人化できない。この2つは向いていない

項目事実
生年・年齢1990年1月生まれ・35歳
プログラミング歴10年超(2015年〜・独学)
本業2014年(24歳)入社の現職で、システム開発・経理・営業・実務を10年以上兼任
要件定義法人向けシステムの要件定義を担当。プライバシーマーク・ISMSを理解した上でAWS+CakePHPの要件定義に参加(ソースコードは書かず全て外注)
技術SvelteKit + Turso、Cloudflare Pages、Electron、Linux、Raspberry Pi 5を24時間稼働
開発スタイルClaude Code主体。AI駆動開発を本格活用
コスト設計SvelteKit + Turso + Cloudflare Pages で月額コストをほぼゼロに抑える設計が得意

ランキング上位10のうち、この人がすでに生産しているのは1位の検証・3位の一次データ・7位の信用の3つである。

1位の検証は、この人が毎日やっていることそのものだ。Codexに記事を書かせて自分で検証し、高校生に読ませて点をつけさせる。AIの生産量が増えるほど検証の需要は増えるという1位の理屈を、すでに自分の手元で回している。足りないのは検証という生産物を、まだ誰にも売っていないことだけである。

すでに生産している順位生産物この人の根拠
1位検証記事を毎回Codexと高校生に検証させ、自分でも読み返している
3位一次データ要件定義の実務で、AWS+CakePHPの構成をソースコードを書かず、外注先の設計を確認しながら通した経験
7位信用2014年入社の現職で10年以上、開発・経理・営業を兼任し続けている継続そのもの
2位の責任も、この人にとって遠くない生産物である。要件定義とプライバシーマーク・ISMSの実務経験は、「引き受ける側」の経験そのものだ。ソースコードを自分で書かずに外注で通した経験は、コードを書く技術ではなく、誰が責任を引き受けるかを設計する技術である。

いちばん向いていないのは6位の介護と9位の場

6位の介護・看取りは身体接触と法的責任が中心で、非属人化ができない。9位の場も、運営者本人の存在に依存する部分が大きい。どちらも、この人がすでに得意にしているSvelteKit+Tursoによる非属人化・自動化の設計とは方向が逆である。

→ 次のSectionでは、この記事自体の限界を見る。

この記事の限界

このセクションの3点

① この順位は実測ではなく、私が5つの軸で採点した判断である

② 儲かる金額は出していない。必要とされるかまでしか答えていない

③ 枠組みそのものは依頼者のもので、その妥当性は検証していない

この記事が答えていないこと

−

順位の根拠

実測ではなく、私が5軸で採点した判断。統計から導いたものではない

−

儲かる金額

必要とされるかまでしか答えていない。いくらになるかは出していない

−

20年後の予測の確かさ

根拠が強いのは人口動態(介護・保守)だけ。他は外れうる

−

枠組みそのものの妥当性

すべてを生産とみなす枠組みは依頼者のもので、私はそれを採用して採点しただけ

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依頼者のプロファイルの出所

wikiの profile ページに書かれている内容のみを使った。収入・資産には触れていない

この記事は、10個の生産物に順位をつけて終わりにするための記事ではない。職種名でなく生産物で自分の活動を数え直したとき、何を生産しているかが変わって見えるかどうかを試すための記事である。順位そのものより、この数え方が使えるかどうかを確かめてほしい。

→ 以上。順位は私の判断であって、実測ではない。

Codexに指摘されて直したこと

公開前に別のモデル(Codex)へ読ませたところ、この記事には実測データが1つも無いのに断定が多いという指摘を受けた。妥当なので、次のように直した。

「AIは既にあるデータしか持たない」は誤り。センサーやカメラやブラウザ操作を持つ仕組みと組み合わせれば、AIも新しい一次データを取れる。AI単体と、AIを組み込んだ仕組みを混同していた。

「署名できるのは人間だけ」も狭い。責任は法人も負う。

「AIに取られたのは職業ではなく生産物」にも反例がある。複数の作業がひとまとめに自動化されれば、職そのものが消えることはある。この記事の言い方は分析の道具としては使えるが、一般法則ではない。

そして最大の限界は変わらない。この順位は5つの軸で私が採点した判断であって、統計から出したものではない。候補の10個をどう選んだかの過程も示していないので、候補が変われば順位も変わる。