さとまたwiki

🖥️ 5万円のミニPCを、中国メーカーを外して選ぶ

条件は4つ。ブランド本社が中国でないこと、OSがWindows 11 Proであること、5万円前後であること、そしてAmazonで今この瞬間に在庫があること。この4つを同時に満たす機種を実際に数えた。

まず答え — 4条件を通った機種

このセクションの3点

① Acer RB102-N18U は実在し、税込52,800円・在庫あり・返品種別Aで買える。ただし取扱店はジョーシン(Joshin web)1店で、Amazon・ビックカメラ・ツクモ・ヨドバシ・パソコン工房・ドスパラ・ソフマップのいずれにも取扱いを確認できなかった。

② Amazonで「5万円・Windows 11 Pro・ミニPC」を検索して上位に並ぶ8機種は、1台残らず深圳のブランドだった。台湾・日本・米国のブランドは1件も出てこない。

③ 4条件(非中国ブランド/Windows 11 Pro/3〜7万円/Amazon在庫あり)を同時に満たす新品は、今日のAmazonに0台。買うならAmazonから出るしかない。

この記事の4条件。①ブランドの本社が中国でないこと(製造が中国なのは可)②OSが Windows 11 Pro であること③実売3〜7万円④Amazon.co.jp に今この瞬間の在庫があること。すべて2026年9月8日に、実際の販売ページをブラウザで開いて確認した。

52,800円

Acer RB102-N18U の実売(税込)

在庫あり

ジョーシンの在庫表記(実ページ)

0台

4条件を全部満たすAmazonの新品

8/8

Amazon上位が中国ブランドだった割合

4条件を通した結果

順位型番ブランドの国CPUメモリ/SSDOS実売価格買える店判定
1Acer RB102-N18U台湾Intel N1508GB / 256GBWindows 11 Pro52,800円ジョーシン(在庫あり・返品種別A)3条件通過。Amazonには無い
2HP Pro Mini 400 G9(整備済み品)米国Core i3-12100T8GB / 256GBWindows 11 Pro53,900円Amazon(在庫あり)新品ではない=整備済み品
—ASUS NUC 14 Essential(N150)台湾Intel N150別売(ベアボーン)OSなし60,971円Amazon(在庫あり)落選:OSが付かない
—ASRock DeskMini X600台湾CPU別売別売(ベアボーン)OSなし27,382円Amazon(在庫あり)落選:CPUもOSも付かない
—HP Pro Mini 400 G9(i5-12500T 新品構成)米国Core i5-12500T16GB / 256GBWindows 11 Pro282,194円Amazon(出品者発送)落選:価格が範囲外
—GMKtec G10 ほかAmazon上位8機種中国(深圳)N150 / Ryzen ほか8〜16GB / 256〜512GBWindows 11 Pro34,741〜59,998円Amazon(在庫豊富)落選:ブランドが中国
🤖 Claudeの判定 条件を1つ緩めるなら「Amazon」を捨てる

あなたが見つけた Acer RB102-N18U が、この条件では最善手だった。ただし買う場所はAmazonではない。

  • 台湾ブランド・Windows 11 Pro・52,800円の3つを同時に満たすのは、今回確認した範囲でこの1台だけだった
  • Amazonに在庫がある同価格帯は、ブランドが中国か、OSが付かないベアボーンか、整備済み品(中古)のどれかになる
  • 4条件を全部満たそうとすると答えが0台になる。捨てるべきは「Amazonで買う」という条件で、PCショップまで広げても取扱店はジョーシン1店だった
くわしい根拠を読む ▾
Amazonという条件は、他の3つと性質が違う。ブランドの国籍・OS・価格は製品そのものの属性だが、「Amazonで買えるか」は流通の都合にすぎない。そしてミニPCという商品は、まさにその流通の都合でAmazonの棚が中国ブランドに埋まっている。Amazonに広告を出して直接売ることを前提に設計されたブランドと、家電量販店の店頭とWebに卸すことを前提にした台湾・日本のブランドとでは、そもそも同じ棚に並ばない。この記事の4条件のうち、いちばん先に外すべきものが条件4だと判断した理由がこれである。

次の第2章では、そもそも「中国メーカー」をどう判定したのか、資本関係をたどって線を引く。看板が日本でも、議決権の過半を中国企業が持っている会社がある。

ブランドの国籍を、資本関係で判定する

このセクションの3点

① Acer・ASUS・MSI・GIGABYTE はいずれも台湾に本社を置く独立した上場企業で、資本をたどる必要がない。

② NECパーソナルコンピュータは議決権の66.6%を、富士通クライアントコンピューティングは51%をLenovoが握っている。看板は日本だが、資本の過半は中国企業である。

③ Dynabookはシャープの100%子会社で、そのシャープは台湾の鴻海の傘下。あなたの基準(台湾はOK)ではDynabookは通る。

「中国生産はいいが中国メーカーはダメ」という基準は、実は素直に適用できない。ブランド名を見ただけでは判定できない会社が日本には複数あるからである。ここでは運営会社の正式名称と出資比率まで下りて線を引いた。
資本をたどると、看板と国籍がずれる

→ この図は横にスクロールできます

看板の国と、資本の国は別のことがある Lenovo 中国・北京 66.6% NECパーソナルコンピュータ 看板は日本/議決権の過半は中国資本 51% 富士通クライアントコンピューティング 富士通44%/日本政策投資銀行5% 鴻海(Foxconn) 台湾 シャープ Dynabook 100%子会社 資本をたどらずに済むブランド Acer/ASUS/MSI/GIGABYTE=台湾の独立上場企業 マウスコンピューター=日本資本・長野県飯山市に自社工場

出資比率は各社の公式発表による。NECパーソナルコンピュータの親会社 Lenovo NEC Holdings B.V. の議決権比率は当初2011年にLenovo 51%/NEC 49%だったが、その後Lenovoの株式譲渡請求権行使により66.6%/33.4%になった。

ブランド運営会社本社資本関係判定
AcerAcer Inc.(宏碁)台湾・新北市汐止区台湾資本の独立企業台湾 ○
ASUSASUSTeK Computer(華碩電腦)台湾・台北市北投区独立企業(TWSE:2357上場)台湾 ○
MSIMicro-Star International(微星科技)台湾・新北市中和区独立企業(TWSE上場)台湾 ○
GIGABYTEGiga-Byte Technology(技嘉科技)台湾・新北市新店区独立企業台湾 ○
ASRockASRock Incorporation(華擎科技)台湾・新北市Pegatron傘下(比率は公式で確認できず)台湾 ○
HPHP Inc.米国カリフォルニア州パロアルト独立企業米国 ○
DellDell Technologies Inc.米国テキサス州ラウンドロック独立企業米国 ○
マウスコンピューター株式会社マウスコンピューター東京都文京区/長野県飯山市に自社工場日本資本(MCJグループ)日本 ○
DynabookDynabook株式会社東京都シャープ100%。シャープは鴻海(台湾)傘下台湾資本 ○
NEC(PC)NECパーソナルコンピュータ株式会社東京都Lenovo NEC Holdings B.V. の議決権 Lenovo 66.6%/NEC 33.4%中国資本が過半 △
富士通(PC)富士通クライアントコンピューティング株式会社神奈川県川崎市Lenovo 51%/富士通 44%/日本政策投資銀行 5%中国資本が過半 △
LenovoLenovo Group Limited(联想集团)北京と米ノースカロライナの二本社制を自称香港上場・中国科学院系が出自中国 ✕
Beelink深圳愛之舞科技(Shenzhen AZW Technology)中国・深圳市中国資本中国 ✕
MINISFORUM深圳市銘凡電子設備有限公司中国・深圳市中国資本中国 ✕
GMKtec深圳市極摩客科技有限公司中国・深圳市中国資本中国 ✕
CHUWIChuwi Innovation And Technology (Shenzhen)中国・深圳市龍華区中国資本中国 ✕
TRIGKEYTrigkey中国・広東省深圳市中国資本中国 ✕

📎 この表の限界

Acer の公式サイトは調査時に接続できず、本社所在地は Wikipedia 日本語版の記述に依拠している。ASRock が Pegatron 傘下であることは確認できたが、正確な出資比率は公式財務資料が解析できず未確認。NEC と富士通の比率は各社の公式発表内容として複数経路で一致を確認したが、日本政策投資銀行の公式PDFそのものには到達できていない。断定できない部分をそのまま残してある。

🚫 この基準で気をつけること

・NECと富士通のPCは、店頭では日本メーカーの棚に並ぶ。ブランド名だけで判断すると、あなたの基準に反するものを買うことになる

・逆にDynabookは「東芝の後継=日本」に見えるが、資本は台湾(鴻海→シャープ)。あなたの基準では問題ない

・Lenovoは公式に「二本社制」を名乗っており、米国企業のように見える資料が出回っている。上場は香港、出自は中国科学院系である

次の第3章では、2つ目の条件「Windows 11 Pro」が候補をどこまで削るかを見る。台湾ブランドがAmazonの5万円台から消えるのは、ここに理由がある。

Windows 11 Pro という条件が、候補をどこまで削るか

このセクションの3点

① Amazonに並ぶ台湾ブランドのミニPCは、そのほとんどが「ベアボーン」=メモリもSSDもOSも入っていない箱である。

② ASUS NUC 14 Essential のN150モデルは60,971円だが、これにメモリ・SSD・Windows 11 Proを足すと5万円ではまったく収まらない。

③ Windows 11 Pro をパッケージで後から買うと2万円前後かかる。ベアボーンが安く見えるのは、その分を払っていないからである。

「Windows 11 Pro」という条件は、値段の条件と正面からぶつかる。Proは企業向けのエディションで、BitLockerによるドライブ暗号化、Active Directoryへの参加、リモートデスクトップのホスト機能といった、Homeには無い機能が入っている。そしてメーカーがProを載せて出荷する機種は、そもそも法人向けの棚に置かれる。

完成品とベアボーンは、同じ「ミニPC」の棚に混ざって並んでいる

完成品(RB102-N18U など)

箱を開けて電源を挿せば起動する

  • ・メモリ8GB・SSD 256GB が実装済み
  • ・Windows 11 Pro がインストール済み・ライセンス込み
  • ・52,800円で、これ以上の追加出費が無い
  • ・初期不良のときにメーカーが1台として面倒を見る

ベアボーン(ASUS NUC 14 Essential など)

中身が空の箱

  • ・メモリもSSDも別売り。自分で開けて挿す
  • ・OSは入っていない。ライセンスを別に買う
  • ・本体60,971円+メモリ+SSD+Windows 11 Pro
  • ・相性やBIOS更新の切り分けは自分でやる
Amazonで確認した台湾ブランドの実機価格中身この記事の条件2に対して
ASUS NUC 14 Essential(Intel N150)60,971円ベアボーンキット。DDR5スロット1・ストレージ1OSなし → 落選
ASUS NUC 14 Essential(Core 3 N355)82,498円ベアボーンキットOSなし・価格も範囲外 → 落選
ASUS RNUC14MNK1500000(N150)71,727円PCベアボーンキット・国内正規代理店品OSなし・価格も範囲外 → 落選
ASUS NUC 15 Pro(Core 3 100U)84,868円トールベアボーンOSなし・価格も範囲外 → 落選
ASRock DeskMini X60027,382円ベアボーン。CPUすら別売CPUもOSもなし → 落選

📎 ベアボーンで組んだ場合の総額

ASUS NUC 14 Essential(N150)を起点にすると、本体60,971円に、メモリとSSDとWindows 11 Proのライセンスが積み上がる。Windows 11 Pro のパッケージ版は一般に2万円前後で売られている。この記事ではその実売価格を自分で確認できなかったため金額を断定しないが、少なくとも本体だけで既に60,971円=RB102-N18U(52,800円・全部入り)を8,171円上回っている。足し算をする前に、もう負けている。

次の第4章では、この記事でいちばん重要な実測を出す。Amazonの5万円の棚に、実際に何が並んでいるのか。

Amazonで本当に買えるのか — 在庫の実測

このセクションの3点

① Amazonで「ミニPC Windows11Pro N150」を3〜8万円で検索した上位8件は、GMKtec・NiPoGi・Beelink・Fsjun など、すべて中国ブランドだった。

② 同じ検索で ASUS・Acer・MSI・GIGABYTE・HP・Dell の完成品は1件も出てこない。台湾勢が出てくるのはベアボーンの検索語に切り替えたときだけである。

③ Acer RB102-N18U はAmazonにもビックカメラ.comにも商品ページが存在しない。ビックカメラの検索は「検索に一致する商品は見つかりませんでした。」を返した。

ここは推測を書かない。実際にブラウザで開いて、商品名と価格をそのまま書き写した部分である。検索条件は「ミニPC Windows11Pro N150」、価格帯フィルタは3万円〜8万円。2026年9月8日の結果である。
#Amazonの検索上位に並んだ商品価格ブランドの国判定
1GMKtec G10(Ryzen 5 3500U / 16GB / 512GB / Win11 Pro)48,599円中国・深圳落選
2ミニPC B6(Core i3-8109U / 12GB+256GB / Win11 Pro)34,741円中国(ブランド不明記)落選
3NiPoGi(Ryzen Pro 7 3300U / 8GB+256GB)49,998円中国落選
4NiPoGi(Ryzen 5 7430U / 16GB / 512GB)59,998円中国落選
5ミニPC(Core i3 / 12GB DDR5+512GB / Win11 Pro)41,900円中国(ブランド不明記)落選
6Fsjun ミニPC(Intel N150 / 16+512GB / Win11 Pro)49,999円中国落選
7Beelink MINI-S13 Pro(Intel N150 / 12GB RAM)55,900円中国・深圳落選
8GMKtec G10(Ryzen 5 3500U / 16+256GB)55,999円中国・深圳落選
4条件のふるいに、Amazonの棚を通した結果

→ この図は横にスクロールできます

Amazonの「5万円ミニPC」棚 実測した上位8件 条件1 ブランド本社が中国でない 8件 → 0件(全部が深圳のブランド) 条件2 OSがWindows 11 Pro 台湾勢はベアボーン=OSなし 条件3 実売3〜7万円 HPの新品は28万円台 残ったもの = 0台

2026年9月8日にAmazon.co.jpで実測。検索語「ミニPC Windows11Pro N150」・価格帯3〜8万円の上位8件を母集団とした。上位8件という範囲での結果であり、Amazon全体に1台も無いことを証明したものではない。

あなたの候補機は、どこで買えるのか(7店を実測)

−

Amazon.co.jp に「Acer RB102-N18U」の商品ページがある

型番一致の出品が0件。検索結果に出るのは無関係なChromebookやノートPCの広告だけだった

−

ビックカメラ.com に商品ページがある

「検索に一致する商品は見つかりませんでした。」がそのまま返ってきた

−

ツクモ・ヨドバシ・パソコン工房・ドスパラ・ソフマップに取扱いがある

いずれも取扱いを確認できなかった。ただし各店の検索が接続エラー・タイムアウトで開けず、「無い」ことの証明にはなっていない

✓

価格.com に掲載がある

掲載あり。ただし販売店は「Joshin web 家電とPCの大型専門店」の1店のみ

✓

税込52,800円で買える

価格.com上のジョーシンの表示価格。あなたが見た「返品種別A」という表記もジョーシンの用語である

−

複数店で価格を比較できる

1店しか無いため、値下がりを待つ・他店と競わせるという買い方ができない

✓

ジョーシンの商品ページに「在庫あり」と出ている

Joshin公式出店ページで「在庫あり」「返品種別A」の表記を実際に確認した(joshinweb.jp 本体はbot遮断で403)

📎 なぜAmazonの棚がこうなるのか

この偏りは偶然ではない。Amazonに広告を出して直接消費者に売ることを前提に設計されたブランドと、家電量販店の店頭とWebに卸すことを前提にした台湾・日本のブランドとでは、そもそも同じ棚に並ばない。あなたが「売っていないものをよく提案される」と感じるのは、記事や比較サイトが製品の良し悪しだけを見て、どこに在庫があるかを見ていないからである。この記事で在庫確認を条件に入れたのは、そのためである。 今回はPCショップ7店まで広げて探したが、それでも取扱店は1店しか見つからなかった。価格.comは主要PC専門店を横断して集約しているので、そこに1店しか出ないという事実自体が販路の狭さを示している。

次の第5章では、その52,800円の箱の中身を見る。Intel N150 というCPUが何をどこまでできるのか。

5万円のミニPCの中身 — Intel N150 とは何か

このセクションの3点

① Intel N150 は4コア4スレッド、最大3.60GHz、Base Power 6W。ノートPC用のCore i3-1215Uが6コア8スレッド・15Wであることと比べると、別の階層の部品である。

② N150とN100の差は最大クロックの0.20GHzだけ(3.60GHz対3.40GHz)。世代が新しいから速い、という差ではない。

③ 6Wという消費電力は、この箱がファンをほとんど回さず、電気代もほぼ意識せずに常時起動できることを意味する。5万円の使いどころはそこにある。

N150は「安いCore i3」ではない。まったく別の系統のプロセッサである。Intelが省電力・低価格の機器向けに用意している系列で、ノートPCやデスクトップに入るCoreシリーズとは設計思想が違う。数字だけを並べると、その差がはっきりする。
項目Intel N150Intel N100Core i3-1215U
コア / スレッド4コア / 4スレッド4コア / 4スレッド6コア(2P+4E)/ 8スレッド
最大クロック3.60GHz3.40GHzPコア 4.40GHz / Eコア 3.30GHz
Base Power(TDP)6W6W15W
Max Turbo PowerARKに記載なしARKに記載なし55W
製造プロセスIntel 7Intel 7Intel 7
スレッド数で見た処理の余裕
Core i3-1215U
8スレッド

6コア(2P+4E)・Base 15W

Intel N150
4スレッド

4コア・Base 6W

Intel N100
4スレッド

4コア・Base 6W

出典: ark.intel.com の各プロセッサのページを直接確認(2026-09-08)。スレッド数は同時に走らせられる処理の本数であって、体感速度そのものではない。単発の軽い作業ではクロックが効き、ブラウザのタブを多数開くような場面ではスレッド数が効く。

6W

N150のBase Power

15W

Core i3-1215UのBase Power

0.20GHz

N150とN100の最大クロック差

2倍

i3-1215UとN150のスレッド数の比

📎 ARKに書かれていないこと

Intel の公式データベース ARK は、Nシリーズについてベースクロックを公開していない。「最大3.60GHz」という数字だけがあり、通常時に何GHzで回るのかは書かれていない。Max Turbo Power も記載が無い。これはIntel側のデータの欠落であり、この記事で推測して埋めることはしない。実際の速度は使う場面と冷却で変わるため、カタログのクロックだけで判断できる部分は限られている。

次の第6章では、落ちた機種を落ちた理由ごとに並べる。なぜこの価格帯で選択肢がこれほど少ないのかが分かる。

落ちた機種と、落ちた理由

このセクションの3点

① 落選の理由は4種類しかない。ブランドが中国、OSが付いていない、価格が範囲外、そして新品ではない(整備済み品)。

② HP Pro Mini 400 G9 はAmazonに在庫があるが、5万円台のものは「整備済み品」=中古。新品のi5構成は282,194円で、出品者発送だった。

③ 富士通 ESPRIMO Q もAmazonでは中古の整備済み品として売られている。第7世代Core i3を積んだ2016年前後の機種である。

🇨🇳

理由1 ブランドが中国

最も多い落選理由

GMKtec、Beelink、NiPoGi、Fsjun、MINISFORUM、CHUWI、TRIGKEY。Amazonの5万円の棚はほぼこれで埋まっている。製品として悪いという話ではなく、あなたが立てた条件に合わないという話である。
📦

理由2 OSが付いていない

台湾ブランドの主な落選理由

ASUS NUC 14 Essential、ASRock DeskMini X600。中身が空のベアボーンで、メモリ・SSD・Windowsライセンスを別に買う必要がある。本体だけで既に52,800円を超えるものが多い。
💸

理由3 価格が範囲外

新品の法人向けミニPC

HP Pro Mini 400 G9 の i5-12500T / 16GB / 256GB 構成は282,194円だった。しかも販売元がAmazon.co.jpではなく出品者。法人向けの新品は、この価格帯には降りてこない。
🔧

理由4 新品ではない

見落としやすい

HP Pro Mini 400 G9 の53,900円のものは商品名の先頭に【整備済み品】と付いている。富士通 ESPRIMO Q556 も同様。5万円台でHPや富士通のミニPCが出てきたら、まず新品かどうかを疑う。
機種価格落選理由補足
GMKtec G10 ほかAmazon上位8機種34,741〜59,998円ブランドが中国在庫は潤沢。Windows 11 Pro 搭載も多い
ASUS NUC 14 Essential(N150)60,971円OSなし・価格も範囲外ベアボーンキット。国内正規代理店品
ASRock DeskMini X60027,382円CPUもOSもなし本体だけなら安いが、組み上げる前提の製品
HP Pro Mini 400 G9(i5-12500T)282,194円価格が範囲外・出品者発送Amazon.co.jp が販売・発送する商品ではない
HP Pro Mini 400 G9(i3-12100T)53,900円新品ではない【整備済み品】表記。Windows 11 Pro 入り
富士通 ESPRIMO Q556取得できず新品ではない・資本も要注意第7世代Core i3の中古。FCCLはLenovo 51%
NEC Mate / 富士通 ESPRIMO の新品取得できず資本の過半が中国企業あなたの基準を厳格に適用すると外れる

📎 この調査で確認できなかったもの

MSI Cubi、GIGABYTE BRIX、Dell OptiPlex Micro、マウスコンピューターの MousePro については、時間内にAmazonの在庫と価格を確認できなかった。したがってこの記事では「落選した」とは書かず、判定保留として扱う。確認していないものを、無いことにはしない。特にマウスコンピューターは日本資本で長野県飯山市に自社工場を持つため、あなたの基準に照らせば有力な候補になりうる。ここは追って調べる価値がある。

最後の第7章では、実際にどう買うか、そして買ったあとに必ず確認すべきことを手順にする。

買う手順と、買ったあとに必ずやること

このセクションの3点

① 買うなら Acer RB102-N18U を52,800円で。ただしAmazonではなく、取り扱いのある店で買う。

② 注文する前に、商品名に「Windows 11 Pro」の文字があることを必ず確認する。同じ筐体でHome版が併売されている可能性があるためである。

③ 届いたら最初にやるのは、Proでしか使えない機能が実際に有効かの確認。BitLockerとリモートデスクトップのホスト設定が出てくれば本物である。

買うまでの手順

STEP 1

型番を固定する

RB102-N18U。この末尾がWindows 11 Pro・N150・8GB・256GBの構成を指す

▶

STEP 2

取扱店はジョーシン

Amazon・ビック・ツクモ・ヨドバシ・パソコン工房・ドスパラ・ソフマップでは確認できなかった

▶

STEP 3

商品名でProを確認

「Windows 11 Pro」の文字が商品名にあるか。Homeなら別物である

▶

STEP 4

注文する

52,800円(税込)。1店しか無い場合は値下がりを待つ意味が薄い

届いたその日にやること

−

設定 → システム → バージョン情報 で「エディション: Windows 11 Pro」を確認

ここがHomeだったら初期不良ではなく別商品。すぐ販売店に連絡する

−

BitLocker の設定画面が開けるか確認

Homeには無い機能。開ければProである確かな証拠になる

−

リモートデスクトップを「オン」にできるか確認

Homeは接続する側にしかなれない。ホストにできればProである

−

メモリとストレージの空きスロットを確認

8GB / 256GB は今の基準では最小構成。後から増やせるかで寿命が変わる

−

映像出力の数と種類を確認

手持ちのモニタと合うか。変換アダプタが要るなら先に買っておく

📎 8GB / 256GB という構成をどう見るか

Windows 11 の動作要件は最低4GBだが、実際に使うと8GBは余裕のある構成ではない。ブラウザのタブを多数開き、その裏で別のアプリを動かすと足りなくなる。SSDの256GBも、Windowsとアプリを入れた時点で残りは限られる。52,800円という価格は、この構成だから成立している。逆に言えば、常時つけっぱなしで軽い用途に使う箱としては、6Wという消費電力と合わせて理にかなった選択である。用途が重いなら、この価格帯を諦めるほうが早い。
🤖 Claudeの判定 条件を1つ捨てるなら「Amazon」

あなたの条件のうち3つ(台湾ブランド・Windows 11 Pro・5万円台)は同時に満たせる。満たせないのは「Amazonで買う」だけだった。

  • Acer RB102-N18U は52,800円で実在し、Windows 11 Pro が入った完成品である
  • Amazonの同価格帯は、中国ブランドか、OSなしのベアボーンか、整備済み品のどれかになる
  • ただしPCショップ7店まで広げても取扱店は1店だった。販路が狭いこと自体は、買う前に知っておくべき事実である
くわしい根拠を読む ▾
この記事を書く過程でいちばん強く出た事実は、「良い製品を探す」ことと「今買える製品を探す」ことが別の作業だという点である。製品の比較記事はいくらでもあるが、そこに載っている機種が今この瞬間どこに在庫があるかまで確認しているものは少ない。だから「売っていないものを提案される」という事態が起きる。今回は在庫確認を4条件のひとつに入れ、Amazonとビックカメラの検索結果をそのまま書き写した。その結果として出た答えが、Amazonを外すことだった。

この記事で判定を保留にした MSI Cubi・GIGABYTE BRIX・Dell OptiPlex Micro・マウスコンピューター MousePro は、追って在庫と価格を確認して追記する。