💴 全部が上がった10年で、JREITだけ横ばいだった — 100万円を全額NISAでどこに置くか
金は円建てで4.91倍、NASDAQ100は9.39倍、東京のマンションは1.86倍になった。同じ10年で、東京の不動産を持っている器である東証REIT指数ETFは、価格でわずか+1.7%だった。JREIT・米国REIT・米国債・日本国債・カバードコール・ハイイールド債の6つを、直近12か月に実際に支払われた分配金と10年分の価格で並べ直し、100万円を全額NISAでどこに置くかを金額まで決めた。6つのうち2つは、そもそもNISAでは1円も買えなかった。
まず答え — 100万円をこう分ける
そして、依頼された6つのうち2つは、そもそもNISAでは1円も買えなかった。
5本
買う銘柄の数
35万円
いちばん多い 1343(JREIT)
47,875円
年間の分配金(税引前)
2つ
NISAでは買えなかった資産
| 順位 | 銘柄 | 資産 | 金額 | 実測利回り | 年間分配(税引前) | 買う理由 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1343 NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信 | JREIT | 35万円 | 4.81% | 16,835円 | 円建てで為替の影響がゼロ。JREITのETF8本のうち1日の売買代金が最も厚い(17.23億円) |
| 2 | SHYG iシェアーズ 0-5年ハイイールド社債 | ハイイールド債 | 20万円 | 7.03% | 14,060円 | 実測7.03%かつ総5年+26.9%は同種8本で1位。満期が短く金利の影響が小さい |
| 3 | USRT iシェアーズ・コア米国REIT | 米国REIT | 20万円 | 2.61% | 5,220円 | 総10年+90.0%が実測で最良。利回りが低いことは欠点ではない |
| 4 | DIVO | カバードコール | 10万円 | 6.21% | 6,210円 | 高分配ETFとして並べた13本のうち唯一、価格が5年で+38.5%と増えている |
| 5 | SGOV iシェアーズ 0-3か月米国債 | 待機資金 | 15万円 | 3.70% | 5,550円 | いつでも売れる。値下がりが来たら他の4本へ回す |
| — | 米国債(現物) | 米国債 | 0円 | — | — | NISAでは買えない |
| — | 日本国債(個人向け国債) | 日本国債 | 0円 | — | — | NISAでは買えない。課税口座なら固定5年2.24%は買う価値がある |
| 合計 | 100万円 | 4.79% | 47,875円 | 米国上場の4本は米国で10%引かれるので手取り目安は44,771円 |
- 1343 東証REIT指数ETF
日本の不動産・円建て・実測4.81% 35万円
35.0% - SHYG 0-5年ハイイールド社債
実測7.03%・月次分配 20万円
20.0% - USRT 米国REIT
実測2.61%・総10年+90.0% 20万円
20.0% - SGOV 0-3か月米国債
実測3.70%・待機資金 15万円
15.0% - DIVO カバードコール
実測6.21%・価格5年+38.5% 10万円
10.0%
実測利回りは直近12か月に実際に支払われた分配金の合計を現在値で割ったもの。予想利回りではない。
実測4.81%・円建て
実測7.03%
実測2.61%・総10年+90.0%
実測3.70%・待機資金
実測6.21%・価格5年+38.5%
実測利回りは直近12か月に実際に支払われた分配金の合計を現在値で割ったもの。予想利回りではない。
6資産の判定
| 資産 | 判定 | 配分金額 | 銘柄 | 一言 |
|---|---|---|---|---|
| JREIT | 買う | 35万円 | 1343 | 円建てで為替の影響ゼロ。実測4.81%。すでに5年で−13.4%売られている |
| ハイイールド債 | 条件つきで買う | 20万円 | SHYG | 満期0-5年の短いものに限る。長期と為替ヘッジありは買わない |
| 米国REIT | 買う | 20万円 | USRT | 利回りは2.61%と低いが、総10年+90.0%で実測は最良 |
| カバードコール | 少しだけ買う | 10万円 | DIVO | 元本が伸びない設計。13本のうち価格が5年で増えたのはDIVOだけ |
| 米国債 | 現物は買えない/ETFは買う | 15万円 | SGOV | 国債そのものはNISAの対象外。ETFなら買えるので、短期のSGOVを待機資金として置く。長期債ETF(TLT)は総5年−32.3%なので買わない |
| 日本国債 | NISAでは買えない | 0円 | — | 課税口座なら固定5年2.24%。この記事で唯一、元本が保証されている選択肢 |
米国債の現物はNISAの対象外。ETFなら買えるので、短期のSGOVだけ待機資金として15万円置く
- NISAで買えるのはETF。現物の国債(米国債・個人向け国債とも)は対象外
- TLT(20年超)は総5年−32.3%、総10年でも−17.2%。長期債ETFは買わない
- SGOV(0-3か月)は総5年+20.1%。値下がりが来たら他の4本へ回すための待機
個人向け国債はNISAの対象外。ただし課税口座なら固定5年2.24%は今なら買う価値がある
- 個人向け国債はNISAでは1円も買えない
- 固定5年は2.24%。1年前の変動10年は0.93%だった(第198回は1.95%)
- 元本が保証されている、というこの記事で唯一の性質を持つ
利回りだけ見て飛びつくと危ういもの
元本が伸びない設計。高分配ETFとして並べた13本のうち価格が5年で増えたのはDIVOだけなので、そこに10万円
- 実測利回りは6.21%。QYLDの11.69%より低いが、価格が5年で+38.5%と増えている
- 上値を売って分配金に変える仕組みなので、原理的に値上がりしにくい
- 非課税の枠を大きく使う相手ではない。10万円までにとどめる
なぜ2つ買えなかったのかは Section 3 で書く
この記事に出てくる言葉
この記事には、投資をしたことがない人には初めての言葉がたくさん出てくる。先に全部ここに置いておく。読んでいる途中で分からない言葉が出てきたら、ここへ戻ってきてほしい。
NISA成長投資枠
分配金
実測利回り(TTM)
トータルリターン
元本
ETF
投資口
REIT
カバードコール
ハイイールド債
順イールド
為替ヘッジ
NAV倍率
イールドスプレッド
PER(株価収益率)
PBR(株価純資産倍率)
CAPE(シラーCAPE)
百分位(%tile)
ポイント(pt)と%の違い
源泉徴収(源泉税)
導管性(どうかんせい)
単純平均と加重平均
mortgage REIT
🚫 6つのうち2つは、そもそも買えなかった
NISAの成長投資枠で買えるのは、上場している株式・ETF・REIT、そして一定の条件を満たす公募株式投資信託だけです。個人向け国債や米国債の現物のように、国が個人に直接売る債券そのものは対象に含まれていません。
ただし「債券が買えない」わけではありません。SHYGやTLT、SGOVのように、債券に投資するETFは取引所に上場しているので、NISAで買えます。買えないのは「債券という商品そのもの」であって、「債券に投資する手段」は別に存在します。
→ この図は横にスクロールできます
上場ETFの形をとっている4つ(JREIT・米国REIT・カバードコール・ハイイールド債)はNISAの成長投資枠で買える見込み。国が個人に直接売る2つ(米国債の現物・個人向け国債)は買えない。
現物の債券 と 債券ETF は別物
現物の債券(個人向け国債・米国債)
- ・満期がある。満期まで持てば額面が戻る
- ・途中で売らなければ元本は保証される
- ・取引所には上場していない
- ・NISAでは買えない
債券ETF(SHYG・TLT・SGOVなど)
- ・満期が無い。ファンドが存続する限り続く
- ・元本は保証されない。金利が上がって価格が下がると、そのまま戻らないことがある
- ・取引所に上場していて毎日価格が動く
- ・NISAの成長投資枠で買える見込み
満期の有無が、この2つを別物にしている
・債券ETFには満期が無いので、金利が上がって価格が下がっても、いつか額面に戻ってくる保証が無い
・現物の国債は満期まで持てば額面が戻る。同じ「債券」という言葉でも、この2つは仕組みが違う
・この記事でSHYGやTLTのような債券ETFを検討するときは、「利回りが高いから買う」ではなく「満期が無いことのリスクをどこまで取るか」で考える必要がある
要確認: NISAの対象範囲は金融庁の制度説明に基づいています。ただし「債券そのものは対象外である」と明文で書かれたページに、本記事では到達できていません。対象商品が上場株式・ETF・REIT・公募株式投資信託である、という記載から推測しています。
→ 次のSection 4では、実測利回りと5年のトータルリターンを並べて、利回りだけで判断してはいけない理由を見る。
📉 利回りと、本当に増えた額は別物だった
実測利回りが高い順に10銘柄を並べると、上位に来るのは元本が大きく減っている銘柄でした。利回りだけを見て選ぶと、本当に増えた額を見誤ります。
| コード | 実測利回り | 価格5年 | 総5年 |
|---|---|---|---|
| MORT | 15.29% | -48.9% | -7.0% |
| QQQI | 14.16% | — | — |
| SPYI | 11.82% | — | — |
| QYLD | 11.69% | -17.6% | +51.4% |
| TLTW | 11.04% | — | — |
| 2865 | 10.05% | — | — |
| REM | 8.98% | -40.3% | -8.1% |
| KBWY | 8.30% | -22.6% | +15.4% |
| SRET | 8.28% | -23.0% | +13.2% |
| JEPI | 8.01% | -4.0% | +47.9% |
実測。直近12か月に実際に支払われた分配金の合計÷現在値。予想利回りではない
価格のみの変化。分配金を含まない=元本が増えたか減ったかを示す。QQQI・SPYI・TLTW・2865は設定から5年未満のため対象外
同じ銘柄で、元本そのものはどう動いたか
分配金を再投資した場合の実測トータルリターン。MORTとREMはマイナスのまま
利回りだけでは判断できない
・MORTは実測利回り15.29%だが、5年のトータルリターンは−7.0%。分配金を全部再投資してもマイナスになった
・QYLDは実測利回り11.69%、価格は5年で−17.6%だが、トータルリターンは+51.4%。元本が減ることとリターンが出ることは両立する
・2621.T(iシェアーズ 米国債20年超・為替ヘッジあり)は5年のトータルリターンが−47.4%。日本の個人が買いやすい銘柄の中で最も悪い実績だった
実測利回りだけを見て並べると、上位に来る銘柄ほど元本が大きく減っている傾向があります。この記事では、利回りと一緒に必ず「価格5年」と「総5年」の両方を確認してから選びました。
→ 次のSection 5では、JREIT ETF8本を比較して、1476を選んだ理由を書く。
🏯 JREIT — 円建てで4.8%。すでに5年で13%売られている
このセクションの3点
① 東証のJREIT ETFは8本あるが、実測利回り4.64〜4.86%・総10年+47.9〜+51.5%とほぼ同じ成績
② 差がつくとすれば信託報酬だが、本記事では8本とも信託報酬を取得していない
③ 1343を選ぶ理由は利回りではない。1日の売買代金が17.23億円で、利回り最高の1476(2.43億円)の7.1倍あること
8本
東証のJREIT ETF
4.81%
1343の実測利回り(8本は4.64〜4.86%)
+48.4%
1343の総10年(8本は+47.9〜+51.5%)
17.23億円
1343の1日の売買代金
東証には「JREIT ETF」という名前がつく上場投資信託が複数あり、どれも東証REIT指数(またはそれに準じる指数)に連動しています。同じ物差しで8本を並べると、ほとんど差がありません。
| コード | 名前 | 現在値 | 実測利回り | 価格5年 | 総5年 | 総10年 | 1日の売買代金 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1476 | iシェアーズ・コア Jリート ETF | 1,851円 | 4.86% | −13.7% | +6.1% | +48.8% | 2.43億円 |
| 1343 | NEXT FUNDS REIT指数連動型上場投信 | 1,931.5円 | 4.81% | −13.4% | +6.3% | +48.4% | 17.23億円 |
| 1595 | NZAM上場投信 東証REIT指数 | 1,842円 | 4.80% | −13.2% | +6.8% | +51.5% | 取得していない |
| 2556 | One ETF 東証REIT指数 | 1,853.5円 | 4.75% | −12.7% | +7.2% | 取得できず(2019年設定) | 取得していない |
| 1597 | MAXIS Jリート上場投信 | 1,863円 | 4.72% | −12.1% | +6.7% | +49.2% | 2.14億円 |
| 1488 | iFreeETF TOPIX/REIT指数 | 1,871円 | 4.70% | −12.2% | +8.6% | +50.7% | 1.76億円 |
| 1345 | 上場インデックスファンド Jリート | 1,833円 | 4.67% | −12.5% | +6.4% | +47.9% | 0.71億円 |
| 1660 | MAXIS高利回りJリート上場投信 | 10,555円 | 4.64% | −9.7% | +11.4% | 取得できず(2017年設定) | 0.24億円 |
この記事で測っていないもの
私が選ぶのは1343(NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信)です。理由は利回りではありません。実測利回りだけを見れば1476の4.86%が8本で最高で、1343は4.81%と0.05ポイント負けています。
それでも1343にするのは、1日の売買代金が17.23億円あり、1476の2.43億円の7.1倍だからです。100万円ならどちらでも一瞬で買えるのでこの差は出ません。しかし1億円、2億円と増やしたときに効いてきます。1日の売買代金の1割までしか買わないという目安で計算すると、2億円を組むのに1343なら1.16営業日、1476なら8.24営業日かかります。
この記事のポートフォリオは金額が100倍になっても同じ形が成立することを条件にしています。だから0.05ポイントの利回りより、7.1倍の厚みを取りました。
JREITとは何か
JREIT(不動産投資法人)は、投資信託法にもとづいて設立される「投資法人」で、投資家が買うのは株式ではなく「投資口」です。投資法人は自前の従業員を持たず、資産運用会社に不動産の取得・運用を外部委託します。もう一つの仕組みが「導管性」で、配当可能利益の90%超を分配すると、投資法人段階の法人税が実質ゼロになります。これが分配金利回りが高くなりやすい理由です。JREIT ETFはこの投資口を複数まとめて指数化したもので、1口単位の現在値がそのまま最低投資額になります。
日銀の利上げが直撃している
・日銀の政策金利は2026年6月に1.00%まで上がっている
・日本10年国債の利回りは2.987%(2026-09-01基準)
・JREITは借入で不動産を買う仕組みなので、金利が上がると新規の借入コストが増え、分配の原資が圧迫される
・1343の価格は5年で−13.4%。JREITのETFは8本とも同じ方向に売られている
ただし、もう売られている
→ 次のSection 6では、同じ不動産でも米国REITは逆の顔を見せます。利回りが低い銘柄ほど、実は増えていました。
🗽 米国REIT — 利回りは3%台。それでも総リターンは勝っている
このセクションの3点
① 米国REIT 11本を実測利回りの低い順に並べると、総5年リターンはおおむね高い順になる。逆になっている
② USRT(利回り2.61%)は総5年+28.6%・総10年+90.0%で11本中最良。MORT(利回り15.29%)は総5年−7.0%
③ MORT・REMは実物の不動産を持たず住宅ローン担保証券に投資する「mortgage REIT」で、金利上昇に弱いとされる(本記事では目論見書は未確認)
米国REIT 11本を、実測利回りが低い順に並べます。
全11本の実測値をすべて見る 11本 / 実測利回り・価格5年・総5年・総10年 開く ▾
| コード | 名前 | 実測利回り | 価格5年 | 総5年 | 総10年 |
|---|---|---|---|---|---|
| USRT | iShares Core U.S. REIT ETF | 2.61% | +11.4% | +28.6% | +90.0% |
| SCHH | Schwab U.S. REIT ETF | 2.82% | +2.7% | +18.1% | +53.9% |
| XLRE | Real Estate Select Sector SPDR | 3.21% | −1.4% | +15.9% | +98.2% |
| RWR | SPDR Dow Jones REIT ETF | 3.40% | +5.5% | +25.8% | +71.0% |
| REET | iShares Global REIT ETF | 3.40% | −0.3% | +16.1% | +56.0% |
| VNQ | Vanguard Real Estate ETF | 3.62% | −5.8% | +13.5% | +73.2% |
| NURE | Nuveen Short-Term REIT ETF | 4.23% | −11.9% | +4.5% | 取得できず(2016年設定) |
| SRET | Global X SuperDividend REIT ETF | 8.28% | −23.0% | +13.2% | +9.4% |
| KBWY | Invesco KBW Premium Yield Equity REIT | 8.30% | −22.6% | +15.4% | +14.2% |
| REM | iShares Mortgage Real Estate ETF | 8.98% | −40.3% | −8.1% | +23.2% |
| MORT | VanEck Mortgage REIT Income ETF | 15.29% | −48.9% | −7.0% | +18.9% |
利回り2.61%
利回り2.82%
利回り3.21%
利回り3.40%
利回り3.40%
利回り3.62%
利回り4.23%
利回り8.28%
利回り8.30%
利回り8.98%
利回り15.29%
実測。分配金を再投資した場合のトータルリターン(2026-09-02時点の5年)。並び順は実測利回りが低い順(表と同じ)
発見 — 利回りが低い順に、総リターンは良い
なぜMORTとREMだけ壊れているのか。この2本は一般に「mortgage REIT」と呼ばれる類型で、実物の不動産を持たず、住宅ローン担保証券などに投資し、短期で借りて長期で貸す利ざやで稼ぐとされています。金利が上がると、この利ざやが縮む、あるいは反転して損失になりやすいと説明されます。ただしこの説明は一般的なもので、本記事ではMORT・REM各ファンドの目論見書を確認していません。「一般にそう説明される」以上の断定はしていません。
USRTを選ぶ理由は、総5年+28.6%・総10年+90.0%が11本の中で実測最良だったことです。利回り2.61%は表の中で最も低い部類ですが、この記事では欠点として扱いません。分配金として先に受け取るか、値上がりとして後で受け取るかの違いで、トータルでは11本中最も増えています。
利回りが低い順に、総リターンが良かった
USRTはNISA成長投資枠から買えますが、米国上場ETFのため分配金には米国源泉税10%がかかります。非課税になるのは日本側の20.315%だけです。手取りの試算はSection 12で扱います。
→ 次のSection 7では、株を持ちながら「上がったら売る権利」を売るカバードコールを見ます。
📈 カバードコール — 11%の正体と、DIVOだけが違った理由
カバードコールとは、株式を保有しながら「将来の決まった値段で売る権利」を他人に売る戦略である。その権利の代金(プレミアム)を、毎月または毎年の分配金として受け取る。
この仕組みのため、株価が大きく上がってもその上昇分を全部は受け取れない。上値が決まった値段で止まる代わりに、株価が動かなくても分配金は入り続ける。
→ この図は横にスクロールできます
分配金(プレミアム)はどの場面でも入る。値上がり益は決めた値段より上には伸びない。下落は代金の分だけやわらぐが、なくなりはしない。
高分配ETF13本の実測値をすべて見る 13本 / 設定日つき 開く ▾
| 銘柄 | 実測利回り | 価格5年 | 総1年 | 総5年 | 総10年 | 設定日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| DIVO | 6.21% | +38.5% | +15.4% | +78.6% | — | 2016-12-15 |
| JEPI | 8.01% | -4.0% | +8.6% | +47.9% | — | 2020-05-21 |
| GPIX | 8.18% | — | +16.1% | — | — | 2023-10-27 |
| GPIQ | 10.24% | — | +18.2% | — | — | 2023-10-27 |
| JEPQ | 11.46% | — | +15.2% | — | — | 2022-05-04 |
| XYLD | 10.44% | -14.5% | +16.7% | +47.3% | +126.8% | 2013-06-24 |
| RYLD | 11.64% | -35.2% | +19.7% | +16.3% | — | 2019-04-22 |
| QYLD | 11.69% | -17.6% | +19.4% | +51.4% | +149.2% | 2013-12-12 |
| SPYI | 11.82% | — | +14.4% | — | — | 2022-08-30 |
| QQQI | 14.16% | — | +13.4% | — | — | 2024-01-30 |
| 2865.T | 10.05% | — | +27.2% | — | — | 2022-09-27 |
| 2866.T | 5.82% | — | +5.8% | — | — | 2022-09-27 |
| 2868.T | 8.89% | — | +24.1% | — | — | 2022-11-02 |
5年・10年の実績が、まだ存在しない銘柄がある
SPYI(2022年8月設定)・QQQI(2024年1月設定)・GPIX/GPIQ(2023年10月設定)・2865(2022年9月設定)は運用の歴史が浅く、5年・10年のトータルリターンがまだ存在しない。
表の空欄は「取得できていない」のではなく、その年数分の実績がまだ生まれていないという意味である。
DIVOだけが違った
・価格5年 +38.5%。カバコ13銘柄の中で唯一、価格そのものがプラス
・総5年 +78.6%。カバコの中で最も高いトータルリターン
・設定は2016年12月と古参。他の多くは設定が浅く、そもそも5年の実績自体がない
「カバコは全部ダメ」ではない
QYLDは価格5年で-17.6%と元本は減っているが、分配金を再投資したトータルリターンは総5年+51.4%、総10年では+149.2%。10年で資産は約2.5倍になっている。
元本が減ることと、増えないことは別である。
2865(円建て)は総1年+27.2%、2868は+24.1%と高い。ただしこの1年でドル円は+6.8%動いている。円建てのカバードコールETFのリターンには、この為替の動きが含まれている。
2866(同じグローバルXの銘柄)は総1年+5.8%にとどまる。何を投資対象にしたETFかは本記事では確認していないため、ここでは数字だけを示し、断定はしない。
この記事が買うのは2865ではなくDIVO
この記事の配分で10万円を入れるのはDIVOである。実測6.21%と利回りは低いが、5年で価格そのものが+38.5%と増えている唯一の銘柄だからだ。カバードコールの弱点である「元本が伸びない」を、実績として免れている1本を選んだ。
💴 ハイイールド債 — 6〜7%。為替ヘッジが利回りを食う
ハイイールド債とは、格付けがBB以下の社債(投資適格に届かない社債)である。利回りが高いのは、発行企業が倒産する確率が高いからだ。利回りの高さは、リスクの高さの裏返しとして受け取る必要がある。
| 銘柄 | 実測利回り | 価格5年 | 総1年 | 総5年 | 総10年 | 設定日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| SHYG | 7.03% | -8.1% | +4.0% | +26.9% | +60.4% | 2013-10-17 |
| USHY | 6.95% | -11.8% | +3.8% | +22.2% | — | 2017-10-26 |
| SPHY | 7.23% | -13.5% | +3.8% | +23.0% | +60.2% | 2012-06-19 |
| JNK | 6.65% | -12.8% | +3.9% | +19.3% | +56.1% | 2007-12-04 |
| ANGL | 6.60% | -13.0% | +3.2% | +15.3% | +71.6% | 2012-04-11 |
| FALN | 6.56% | -11.0% | +2.9% | +18.4% | +75.2% | 2016-06-21 |
| HYG | 5.99% | -9.5% | +3.5% | +19.9% | +55.8% | 2007-04-11 |
| 1497.T | 6.01% | -27.3% | -0.1% | -4.6% | — | 2017-08-23 |
実測7.03%
実測7.23%
実測6.95%
実測5.99%
実測6.65%
実測6.56%
実測6.60%
実測6.01%
分配金を再投資した場合の5年リターン。米国上場の7本はそろってプラス。為替ヘッジありの1497.Tだけがマイナス。ただしこの差をヘッジだけの影響とは言えない。
米国上場7本はそろって安定
SHYG・USHY・SPHY・JNK・ANGL・FALN・HYGの米国上場7本は、実測利回り5.99〜7.23%、総5年+15.3〜+26.9%とそろってプラスで安定している。
ただし、この差を「為替ヘッジのせい」と断定はできない
・SHYG の総5年 +26.9% と 1497.T の −4.6% には31.5ポイントの開きがあり、為替ヘッジのコストが効いていることは考えられる
・しかし SHYG は iShares 0-5 Year High Yield Corporate Bond ETF、1497.T は iShares USD High Yield Corporate Bond JPY Hedged ETF で、残存年限も連動指数も構成銘柄も違う
・さらに前者のリターンはドル建て、後者は円建てで、通貨の基準そのものが違う
・ヘッジの寄与を測るには同じ指数でヘッジあり・なしの2本を同じ期間・同じ通貨基準で比べる必要があり、本記事ではそれを行っていない。言えるのは「この2本の実績には31.5ポイントの差がある」までである
為替ヘッジのコストは、おおむね日米の短期金利差に連動すると一般に説明される。今は米国3か月金利3.772%、日本1年金利1.527%で2ポイント超の開きがある。
ただし、この記事では為替ヘッジコストの実額を確認していない。ここでは一般的な説明として書く。
SHYGを選ぶ理由
実測利回り7.03%は表中2位、総5年+26.9%は表中1位。満期が0〜5年と短く、金利変動の影響を受けにくい。
→ 次のSection 9では米国債を見る。NISAでは買えないが、なぜ買わないかを確かめる。
米国債 — 順イールドに戻った。だがTLTは5年で32%減った
3.772%
3か月
4.553%
5年
4.794%
10年
5.264%
30年
| コード | 名前 | 実測利回り | 価格5年 | 総1年 | 総5年 | 総10年 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| SGOV | iShares 0-3 Month Treasury Bond ETF | 3.70% | 0.4% | 3.5% | 20.1% | - |
| BIL | SPDR Bloomberg 1-3 Month T-Bill ETF | 3.72% | -0.1% | 3.4% | 19.3% | 25.1% |
| SHY | iShares 1-3 Year Treasury Bond ETF | 3.63% | -5.3% | 2.0% | 9.5% | 18.1% |
| VGIT | Vanguard Intermediate-Term Treasury ETF | 3.95% | -14.3% | 0.2% | -0.1% | 12.3% |
| IEF | iShares 7-10 Year Treasury Bond ETF | 4.02% | -20.1% | -0.7% | -7.1% | 5.7% |
| GOVT | iShares U.S. Treasury Bond ETF | 3.71% | -15.9% | 0.1% | -3.4% | 8.4% |
| TLT | iShares 20+ Year Treasury Bond ETF | 4.75% | -43.3% | -4.2% | -32.3% | -17.2% |
| VGLT | Vanguard Long-Term Treasury Index Fund ETF | 4.81% | -40.1% | -3.2% | -28.2% | -12.1% |
| TLTW | iShares 20+ Year Treasury Bond Buywrite ETF | 11.04% | - | -0.9% | - | - |
| 2621.T | iシェアーズ 米国債20年超(為替ヘッジあり) | 4.84% | -55.4% | -7.3% | -47.4% | - |
TLTの罠
・実測利回り4.75%——数字だけ見れば悪くない
・価格は5年で−43.3%。元本がほぼ半分近く減っている
・分配金を全部再投資したトータルリターンでも総5年−32.3%・総10年−17.2%
・10年持って分配金を再投資してもマイナスのまま
+20.1%
+19.3%
+9.5%
-0.1%
-7.1%
-3.4%
-32.3%
-28.2%
-47.4%
実測。分配金を再投資したトータルリターン。TLTWは2022年設定のため5年のデータなし。
最悪の組み合わせ
結論
→次のSection 10では日本国債を見る。個人向け国債の適用利率は1年足らずで2倍になっている。
日本国債 — 1年で利率が倍になった。NISAでは買えない
| 種類 | 回号 | 基準金利 | 適用利率(税引前) | 税引後 |
|---|---|---|---|---|
| 変動10年 | 第198回 | 2.96% | 1.95% | 1.5539% |
| 固定5年 | 第186回 | 2.29% | 2.24% | 1.7849440% |
| 固定3年 | 第196回 | 1.99% | 1.96% | 1.5618260% |
財務省 適用利率一覧(第1期)。回号のカッコ内は初回利払月。
取材メモ — 発行条件ページは空欄だった
| 年限 | 日本国債 | 米国債 |
|---|---|---|
| 3か月 | - | 3.772% |
| 1年 | 1.527% | - |
| 2年 | 1.802% | - |
| 5年 | 2.280% | 4.553% |
| 10年 | 2.987% | 4.794% |
| 20年 | 3.859% | - |
| 30年 | 4.131% | 5.264% |
| 40年 | 4.145% | - |
結論
→次のSection 11では2026年9月という時点そのものを見る。S&P500のPERとCAPEは何を語っているか。
📅 2026年9月という時点 — CAPE 41.74をどう見るか
7,672.64
S&P500
29.42倍
S&P500 PER
41.74
Shiller CAPE
158.72円
ドル円
1999年12月の44.19という数字は、この記事では取得していない
・CAPE 41.74 について「歴史的な最高は1999年12月の44.19で、それに次ぐ水準」と書きたくなるが、本記事が取得したのは現在値の41.74だけである
・だから順位づけをしない。この記事が言えるのは「2026年9月1日時点の Shiller CAPE は41.74である」までで、それが歴史上何番目かは書かない
| 指標 | 現在値 | 1年 | 5年 | 10年 |
|---|---|---|---|---|
| S&P500 | 7,672.64 | +14.7% | +78.1% | +260.9% |
| 日経225 | 64,325.64 | +43.2% | +118.4% | +269.2% |
| ドル円(USDJPY) | 158.72 | +6.8% | +41.8% | +51.8% |
| VIX | 15.36 | −5.7% | −33.6% | −10.0% |
| TOPIX ETF(1306) | 424.5 | +29.3% | +100.7% | +263.9% |
日本株のほうが1年では上がっている
落ち着いた恐怖指数
それでも100万円は全額使う。ただし15万円は「いつでも降りられる置き場」に
ただし現金のまま置くのではない。15万円は SGOV(0-3か月の米国債ETF)に入れる。実測利回りは3.70%で、価格は5年で+0.4%とほぼ動かず、2億円分でも0.01営業日で売れる。値下がりが来たら、ここから他の4本へ回すための待機資金である。
ただしこれも現金ではない。ドル建てなので、円高になれば円換算では目減りする。ドル円130円なら約18%下がる計算になる。「安全な置き場」ではなく「すぐ動かせる置き場」だと理解して置く。
税金の話に移る。NISAは日本の税金を非課税にするが、米国の源泉税までは防げない。Section 12で計算する。
🧾 税金 — NISAで米国ETFを買うと10%は取られ続ける
非課税が効くのは日本の税金だけ
NISA口座では外国税額控除が使えない。そもそも日本で課税されていないため、控除する対象がない。
訂正:二重課税調整措置は、NISAで持っている分には効かない
・当初この記事には「東証上場の国内籍ETFには2020年1月からの二重課税調整措置があるので、NISAで持つと有利」と書いていた。これは誤りである
・二重課税調整は、国内で課税されて初めて調整が起きる仕組みである。NISAはそもそも国内課税が無いため二重課税の状態にならず、調整の対象外になる
・この誤りは、同じデータを渡して独立に配分を作らせたCodex(GPT-5.6)の指摘で見つかった
NISAでできないこと
・損益通算ができない。他の口座で出た利益とNISAで出た損を相殺できない
・繰越控除ができない。損が出た年の翌年以降に持ち越して差し引くこともできない
・損が出た銘柄を非課税枠で持つと、課税口座で持つより不利になりうる
訂正はもう1件ある
訂正:元本が減っても、非課税枠そのものは減らない
・当初この記事には「元本が減る商品をNISAで持つと非課税枠そのものを毀損する」と書いていた。これも誤りである
・売却したときに翌年以降へ復活する生涯投資枠は、売却額ではなく買ったときの金額(簿価)で戻る。100万円で買って80万円で値下がりした状態で売っても、復活する枠は100万円である
・ただし復活するのは売却した翌年以降であり、値下がりしているだけでは枠は戻らない
・正しく言えるのはここまで。経済的な損失は当然出る。NISAでは損益通算も繰越控除もできないので、その損は他の利益と相殺できない
・これもCodexの指摘で見つかった誤りである
| 銘柄 | 資産 | 金額 | 実測利回り | 課税の扱い | 税引前(年) | 手取り目安(年) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1343 | JREIT ETF(国内籍) | 35万円 | 4.81% | 国内のみ | 16,835円 | 16,835円 |
| SHYG | 短期ハイイールド(米国籍) | 20万円 | 7.03% | 米国源泉10% | 14,060円 | 12,654円 |
| USRT | 米国REIT | 20万円 | 2.61% | 米国源泉10% | 5,220円 | 4,698円 |
| DIVO | カバードコール(米国籍) | 10万円 | 6.21% | 米国源泉10% | 6,210円 | 5,589円 |
| SGOV | 米国短期国債 | 15万円 | 3.70% | 米国源泉10% | 5,550円 | 4,995円 |
| 合計 | — | 100万円 | 4.79% | — | 47,875円 | 44,771円 |
- 1343 東証REIT指数ETF
資金35% → 分配35.2% 16835円
35.2% - SHYG 0-5年ハイイールド社債
資金20% → 分配29.4% 14060円
29.4% - DIVO カバードコール
資金10% → 分配13.0% 6210円
13.0% - SGOV 0-3か月米国債
資金15% → 分配11.6% 5550円
11.6% - USRT 米国REIT
資金20% → 分配10.9% 5220円
10.9%
上の配分(金額)と見比べてほしい。USRTは資金の20%を占めるのに、分配金では10.9%しか稼いでいない。逆にSHYGは資金20%で分配の29.4%を稼ぐ。インカムゲインの専門家はこの食い違いを「最大の穴」と指摘した(第18章)。
47,875円
年間の分配金(税引前)
44,771円
米国源泉10%を引いた手取り目安
3,104円
米国で引かれる分(年)
約9,700円
課税口座だった場合の日本の税金
非課税だからといって何を買ってもいいわけではない
同じデータを使って、GPT-5.6(Codex)にも独立に100万円の配分を決めさせた。私の判断と、どこが一致し、どこが割れたかをSection 13で見る。
全部が上がった10年で、JREITだけ横ばいだった
同じ10年で、金は円建てで4.91倍、NASDAQ100は9.39倍になった。東京のマンションも1.86倍になっている。その東京の不動産を保有する器である東証REIT指数ETF(1343)だけが、10年でほぼ横ばい(価格で+1.7%=約1.02倍)だった。不動産そのものは上がったのに、不動産を持つための商品は上がらなかった。
価格のみ。分配金を含まない
実測(2026-09-02時点)。ビットコイン(10年198.95倍)はこの図に入れると他の全ての差が見えなくなるため、表にのみ記載し図からは除外した。ドル建て資産は現地通貨の倍率にドル円10年1.57倍を掛けて円建てに直している。不動産は国交省の指数で基準日が異なる(最新2025年12月)。厳密なランキングではない。
| 資産 | 3年 | 5年 | 10年 | 15年 |
|---|---|---|---|---|
| NASDAQ100 | 2.10 | 2.81 | 9.39 | 28.21 |
| S&P500 | 1.90 | 2.53 | 5.56 | 14.06 |
| 銀(ドル建て) | 3.13 | 4.23 | 5.39 | 4.51 |
| 金(ドル建て GC=F) | 2.53 | 3.58 | 5.28 | 5.65 |
| SPDRゴールド 1326(東証) | 2.45 | 3.49 | 4.96 | 5.21 |
| 純金上場信託 1540(東証) | 2.44 | 3.48 | 4.91 | 5.15 |
| 日経225 | 2.02 | 2.18 | 3.91 | 7.39 |
| ビットコイン | 3.04 | 2.50 | 198.95 | 取得なし |
| 東京のマンション(国交省) | 1.27 | 1.47 | 1.86 | 取得なし |
| 東京の住宅地 | 1.06 | 1.25 | 1.36 | 取得なし |
| 東京の戸建 | 1.04 | 1.22 | 1.26 | 取得なし |
| 東証REIT指数ETF 1343 | 0.96 | 0.87 | 1.00 | 1.99 |
この表と図は、異なる指数・通貨・期間・収益定義を同列に並べている。厳密なランキングではない。NASDAQ100とS&P500は指数の価格(分配金を含まない)、東証REIT指数ETF(1343)も価格だけの変化である。東京のマンションは国交省の不動産価格指数で、他の資産と基準日が揃っていない(最新は2025年12月)。ドル建て資産は現地通貨の倍率に、ドル円の倍率(3年1.06倍・5年1.42倍・10年1.57倍・15年2.07倍)を掛けて円建てに直している。
この比較から因果を引き出してはいけない
・東京都のマンション価格指数と1343を並べたが、この2つは同じものを測っていない。前者は東京都の中古住宅の再販価格、後者は東証REIT指数に連動するETFの価格である
・用途も地域も資本構成も違い、1343の保有物件が東京都のマンションだという根拠は本記事のデータには無い。JREITはオフィス・物流・ホテル・商業を多く含み、借入も使っている
・したがって「東京の不動産が上がったのにJREITが上がらなかった」は2つの別の市場で起きた事実の並置であって、片方が片方の説明になるわけではない
東京都の不動産、種別ごとの10年
| 種別 | 最新値 | 10年前比 | 5年前比 | 3年前比 | 2012-12比 | 最安値2009-07比 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| マンション | 234.8 | 1.86倍 | 1.47倍 | 1.27倍 | 2.36倍 | 2.51倍 |
| 住宅総合 | 182.1 | 1.61倍 | 1.38倍 | 1.18倍 | 1.86倍 | 取得なし |
| 住宅地 | 144.4 | 1.36倍 | 1.25倍 | 1.06倍 | 1.46倍 | 取得なし |
| 戸建 | 133.2 | 1.26倍 | 1.22倍 | 1.04倍 | 1.37倍 | 取得なし |
最も上がったのはマンションで、住宅地と戸建の上昇は小さい、しかも公表は止まっている
国交省は2026年8月27日、不動産価格指数の公表延期を告知しており、令和8年1〜5月分・第1四半期分はまだ公表されていない。最新は2025年12月分で止まったままである。
依頼者は「東京の不動産は3倍」と言ったが、国交省の東京都全体の指数(中古の再販ベース)では10年前比2.36〜2.51倍にとどまる。3倍という水準は本記事では確認できていない。都心の特定エリアや新築であれば届く可能性はあるが、それは別の集計になる。
そして10年で最も上がったのはマンションで、住宅地と戸建の上昇は小さいである。住宅地は1.36倍、戸建は1.26倍にとどまっている。
なぜJREITだけ動かないのか
不動産そのものは10年で1.86倍になったのに、その不動産を保有する器である1343は価格で+1.7%しか動いていない。理由として一般に挙げられるのは次の3つだが、本記事ではこれらの仕組みをファンドの決算資料まで遡って検証していない。断定はせず「一般にこう説明される」という形で書く。
利益をほぼ全額分配する仕組み(導管性)
物件を増やすには増資が要る
金利上昇が両方向から効く
+1.7%
1343 価格 10年(分配金を除く)
+48.4%
1343 総リターン 10年(分配金再投資)
「JREITは儲からなかった」ではない
・価格の+1.7%は、分配金を含まない価格だけの変化である
・分配金を再投資したトータルリターンは10年で+48.4%。ゼロではない
・1343は値上がりで増える器ではなく、分配金として吐き出す器だったと理解するのが正確
決定的な問い
分配金を全部再投資しても、10年で1.48倍。同じ10年で金は4.91倍だった。不動産を保有する器としての1343は、不動産そのものの値上がり(1.86倍)にも、代替資産の金(4.91倍)にも届いていない。
→ 次のSection 14では、日本株そのものの割高さを見る。PBRはプライム市場発足以来、ほぼ最高値圏にある。
日本株も高い — PBRはプライム発足以来の最高値圏
円建てで9.39倍になったNASDAQ100や、5.28倍になった金と比べると、3.91倍の日経225は控えめに見える。しかし指数のPERとPBRを見ると、日本株もまた高い。
| 指数 | PER | 出典 |
|---|---|---|
| NASDAQ100(QQQ) | 32.58 | stockanalysis.com |
| S&P500 | 29.42 | multpl.com |
| S&P500 Shiller CAPE | 41.74 | multpl.com |
| MSCI World(URTH) | 23.15 | stockanalysis.com |
| 全世界(VT) | 22.24 | stockanalysis.com |
| MSCI ACWI | 21.93 | stockanalysis.com |
| 東証プライム(加重・連結) | 20.8 | JPX 2026年8月 |
| 東証プライム(単純平均) | 19.3 | JPX 2026年8月 |
| MSCI Japan(EWJ) | 17.72 | stockanalysis.com |
| 東証スタンダード(単純) | 16.3 | JPX |
| 東証グロース(単純 / 加重) | 40.8 / 86.3 | JPX |
東証プライムは、自分自身の過去と比べても高い
| 指標 | いま | 中央値 | 最小 | 最大 | 位置 |
|---|---|---|---|---|---|
| 加重PER | 20.8 | 17.2 | 14.1 | 21.8 | 下から94.3%tile |
| 加重PBR | 1.8 | 1.4 | 1.1 | 1.9 | 下から90.6%tile |
| 単純PER | 19.3 | 16.8 | 13.7 | 21.0 | 下から88.7%tile |
| 単純PBR | 1.6 | 1.2 | 1.1 | 1.7 | 下から90.6%tile |
1.8
加重PBR(下から90.6%tile)
20.8
加重PER(下から94.3%tile)
1.500倍
1株利益の伸び(プライム発足から)
2.358倍
日経平均の伸び(プライム発足から)
株価の伸びが、利益の伸びの1.57倍
・東証プライム発足(2022年4月)から1株利益は118.12円→177.21円=1.500倍
・同じ期間に日経平均は27,280円→64,326円=2.358倍
・株価の伸びは利益の伸びの1.57倍。稼ぐ力以上に値段が先に上がっている
私は最初、逆の結論を書いていた
この記事の下書きで、私は当初「東証プライムの単純PERは19.3で、NASDAQ100の32.58やS&P500の29.42より低い。だから日本は割高ではない」と書いた。
依頼者から「日経平均も高い。2年前は3万円だった」と指摘され、日経平均そのものの水準を調べ直した。結果、結論は反転した。他の指数と横に並べたPERだけでは、東証プライムが自分自身の過去と比べてどこにいるかは分からない。
PBRは1株利益のブレを受けない指標である。加重PBR 1.8は、プライム発足からの53か月のなかで下から90.6%tile。プライム発足以来、ほぼ最高値圏にある。これがこの章でいちばん強い証拠になる。
限界: 2022年4月の市場再編で母集団が2,163社から1,832社へ変わった。市場再編前(2020年1月〜2022年3月)の一部期とプライム期は直接比較できないため、この記事の百分位はプライム期53か月の中だけで計算している。
JPXが公開しているExcelは、古い月ほど値が=1831のような擬似数式で入っており、通常の読み方では空欄として扱われる。最初はこれに気づかず、53か月のうち21か月分しか読めておらず、誤った百分位を出しかけた。
「全世界に分散すれば割高を避けられる」は半分だけ正しい。全世界株ETF(VT)のPERは22.24倍で、東証プライムの加重20.8倍より高い。ただしVTは米国株が最大の構成比を占めるため、この22.24倍には米国株の割高さが反映されている。VTの米国比率は本記事では確認していないため、比率を使った逆算はしていない。
→ 次のSection 15では、JREITの割安・割高を示す2つの指標が正反対を指している矛盾を見る。
📊 NAV倍率とイールドスプレッドが、正反対を指している
JREIT市場を評価する2つの標準的な指標がある。NAV倍率とイールドスプレッドだ。同じ58銘柄・同じ市場を見ているのに、2026年9月のいま、この2つは正反対の答えを出している。
正確には「JREIT市場を別の集計方法で見た2つの指標が、逆の方向を向いている」である。市場が正反対の答えを出した、とまでは言えない。
同じ市場を見て、答えが逆になる
NAV倍率で見ると
平均0.811倍・57/58銘柄が1倍割れ
- ・保有不動産の時価より約19%安い
- ・1倍以上は日本ビルファンド(1.02)だけ
- ・評価は「割安」
イールドスプレッドで見ると
1.867pt・164か月で下から6.1%tile
- ・13年で最低水準に近い
- ・中央値3.061ptの6割程度しかない
- ・評価は「割高」
0.811倍
NAV倍率の平均(58銘柄)
57銘柄
1倍割れ(58銘柄中)
1.867pt
イールドスプレッド(いま)
6.1%
164か月で下から何%の位置か
スプレッドという指標
イールドスプレッドは、JREITの分配金利回りから日本10年国債利回りを引いた差だ。東証REIT指数ETF(1343)の実際の分配金利回りと、財務省「国債金利情報」を使い、2013年2月から2026年9月までの164か月ぶんを自分で計算した。
いまのスプレッドは1.867pt(REIT利回り4.81% − JGB10年2.943%)。164か月の中央値は3.061pt、平均は2.855pt、最小は−0.147pt(2013年2月)、最大は4.275pt。いまの1.867ptは中央値の6割程度しかない。
各年12月時点の値(2026年のみ9月時点)。1343の実分配金利回り÷価格 − 財務省10年国債利回りを自分で計算した164か月分から抽出。
2025年に急に潰れた。2024年3.370ptから2025年2.006ptへ1.364pt縮み、2026年はさらに1.867ptまで下がっている。
なぜ食い違うのか(推論)
NAV倍率のもとになる不動産鑑定価格は、投資法人の決算短信ベースで年に1〜2回しか更新されず、反映が遅れる。金利が上がって鑑定の還元利回りが上がれば、NAV自体はまだそれを織り込みきっていないだけかもしれない。スプレッドは日々の市場価格から出るので反応が速い。この解釈は本記事の推論であり、検証していない。
NAV倍率から「上昇余地」を言ってはいけない
・NAVは出口価格ではない。鑑定どおりに全物件を売り、負債を返して分配できる保証はない
・「NAV倍率0.811だから19%の上昇余地がある」とは書かない。「19%割安」と「19%儲かる」は別の話
・スプレッドが下から6.1%tileだからといって、すぐに反転するとも限らない
NAVは出口価格でない
市場全体が割れている可能性
現金収益の相対価格は割安でない
次のSection 16では、金利・為替・株価が動いたらJREITと他資産がいくらになるかを逆算する。
基準日が2つある
スプレッドは164か月の月次系列として作っているので、最終月も月次の値でそろえた。2.987%で計算し直すとスプレッドは1.823ptになり、いまが低い側にあるという結論は変わらない。
2つの指標が逆を向いたときは、出口が保証されていないほう(NAV倍率)を割り引いて読む。だからJREITは買うが、35%までにとどめる
- NAVは出口価格ではない。鑑定どおりに全物件を売って借金を返して配れる保証はなく、いつそうなるかの期限もない
- イールドスプレッド1.867ptは164か月で下から6.1%tile。国債と比べた取り分は13年でほぼ最低水準にある
- 一方でJREITは5年で価格が13.4%下がっており、逆風の一部はもう値段に入っている。だからゼロにはせず35万円は買う
次の第16章では、この2つの指標が動いたときに値段がいくらになるかを逆算する。
🎲 シナリオ — 金利・為替・株が動いたら、いくらになるか
これは予測ではない。「金利や為替がこの水準になったら、いくらになるか」を機械的に逆算しただけで、実際にその水準になるとは限らない。
金利が上がったら、JREITはいくらになるか
| スプレッド↓ / 10年国債→ | 2.0% | 2.5% | 2.943%(いま) | 3.5% | 4.0% |
|---|---|---|---|---|---|
| 1.867pt(いまのまま) | +24.4% | +10.1% | 0.0% | −10.4% | −18.0% |
| 2.484pt(25%tile) | +7.3% | −3.5% | −11.4% | −19.6% | −25.8% |
| 3.061pt(中央値) | −5.0% | −13.5% | −19.9% | −26.7% | −31.9% |
| 3.272pt(75%tile) | −8.8% | −16.7% | −22.6% | −29.0% | −33.9% |
分配金が変わらない前提の逆算。実際には金利上昇で分配金自体も減りうるので、この表は下振れ方向に甘い。
Codexの指摘 — −19.9%は予測値ではない
スプレッドが中央値3.061ptへ戻り、10年国債がいまの2.943%のままなら−19.9%になる、という感応度計算にすぎない。分配金と国債利回りを一定と置いた上での機械的な計算で、ストレスシナリオとは呼べても、予想下落率とは呼べない。
為替が動いたら、いくらになるか
現地通貨の価格が動かない前提で、為替だけを分離した数字。
| ドル円 | 130円 | 140円 | 158.72(いま) | 170円 | 180円 |
|---|---|---|---|---|---|
| Claude案(ドル建て65%) | −11.8% | −7.7% | 0.0% | +4.6% | +8.7% |
| 怪物案(ドル建て15%) | −2.7% | −1.8% | 0.0% | +1.1% | +2.0% |
発見: 高利回りを追う怪物案のほうが為替には強い。円建てのJREITが中心だから。
米国株が動いたら、いくらになるか
利益が変わらない前提の機械的な逆算。
| CAPE | 41.74(いま) | 35 | 30 | 25 | 17 |
|---|---|---|---|---|---|
| S&P500 | 0.0% | −16.1% | −28.1% | −40.1% | −59.3% |
1999年12月の44.19という数字は、この記事では取得していない
・CAPE 41.74 について「歴史的な最高は1999年12月の44.19で、それに次ぐ水準」と書きたくなるが、本記事が取得したのは現在値の41.74だけである
・だから順位づけをしない。この記事が言えるのは「2026年9月1日時点の Shiller CAPE は41.74である」までで、それが歴史上何番目かは書かない
金利が上がったとき、実際に何が起きたか(2021年以降の実測)
ここまでは全部逆算だった。ここからは実測。
| 銘柄 | 実測利回り | 価格5年 | 総5年 | 総10年 |
|---|---|---|---|---|
| TLT(20年超) | 4.75% | −43.3% | −32.3% | −17.2% |
| VGLT | 4.81% | −40.1% | −28.2% | −12.1% |
| IEF(7-10年) | 4.02% | −20.1% | −7.1% | +5.7% |
| VGIT | 3.95% | −14.3% | −0.1% | +12.3% |
| SHY(1-3年) | 3.63% | −5.3% | +9.5% | +18.1% |
| SGOV(0-3か月) | 3.70% | +0.4% | +20.1% | 期間なし |
分配金再投資込みのトータルリターン。2021年以降の実測(2026-09-02時点)。
金利が上がったらどうなるか、の答え
この問いへの答えは予測ではない。もう起きている。TLTは価格5年−43.3%、総10年でも−17.2%。長期債を持てば金利上昇の直撃を受け、短期債(SGOV)ほど無傷に近い。
ところで、国債の利回りが上がったらREITは本当に下がるのか
ここまでの表は「スプレッドがこの水準になったら価格はいくら」という逆算だった。では実際のところ、国債の利回りが上がったときREITは下がってきたのか。163か月ぶんのデータで測った。
| 何か月で見るか | 相関 | 国債が+0.5pt以上上がった局面のREIT | そのうち下落した割合 |
|---|---|---|---|
| 1か月 | −0.068 | 該当なし | — |
| 3か月 | −0.288 | −1.39% | 100%(2件) |
| 6か月 | −0.333 | −3.54% | 75%(12件) |
| 12か月 | −0.255 | +3.84% | 50%(20件) |
| 24か月 | −0.322 | −3.39% | 62%(39件) |
| 36か月 | −0.490 | −4.97% | 69%(42件) |
答えは「短期では関係ない。半年から3年で見ると、はっきり下がる」
・1か月では相関 −0.068 で、ほとんど無関係。国債が上がった月にREITが下がった割合は47.2%、下がった月は38.4%で、コイントスに近い
・期間を伸ばすほど関係が出る。3年で見ると相関 −0.490。国債が0.5pt以上上がった3年区間ではREITは平均 −4.97%、69%が下落している
・ただし「必ず下がる」ではない。12か月窓では、国債が0.5pt以上上がった20局面のうち下がったのは半分だけだった
・実際、直近2年8か月は国債が0.737%から2.943%へ2.2ポイント上がったのに、REITは +5.1% 上がっている
今が、13年半で唯一の局面である
1年で国債が1.0ポイント以上上がった区間は、163か月の中でただ1つしかない。2025年8月から2026年8月にかけての +1.330pt で、このときREITの価格は −6.7% だった。
つまり「金利が本格的に上がったらJREITはどうなるか」は、日本ではまだ1回しか起きておらず、その1回では−6.7%だったというのが正直なところである。サンプルが1つしかないので、これを一般化はできない。
次のSection 17では、2つのポートフォリオ — 私とインカムゲインの怪物 — を並べる。
⚔️ 2つのポートフォリオ — 私と、インカムゲインの怪物
2案の設計原理
私(Claude)
1億〜2億円にスケールしても同じ形が成立する
- ・1日の売買代金が厚い銘柄だけを選ぶ(1343は17.23億円・1476の7.1倍)
- ・年間分配47,875円・加重利回り4.79%
- ・ドル建て65%
- ・2億円でも最長1.16営業日で組める
彼(インカムゲインの怪物)
NAV割れを姑息に拾う
- ・利回りに異常な執着。値下がりで利回りが出たところを拾う
- ・NAVが小さいREITをゴキブリのように察知し、分配金をカサカサ再投資する
- ・年間分配67,165円・加重利回り6.72%=私の1.40倍
- ・2億円だと最長16.0営業日かかる
A. Claude案 — 1億〜2億円にスケールしても同じ形が成立する
| 銘柄 | 種別 | 金額 | 実測利回り | 価格5年 | 総5年 | 総10年 | 分配 | 2億を組むのに |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1343.T | JREIT ETF | 35万 | 4.81% | −13.4% | +6.3% | +48.4% | 年4回 | 1.16日 |
| SHYG | 短期ハイイールド | 20万 | 7.03% | −8.1% | +26.9% | +60.4% | 月次 | 0.24日 |
| USRT | 米国REIT | 20万 | 2.61% | +11.4% | +28.6% | +90.0% | 年4回 | 0.42日 |
| DIVO | カバードコール | 10万 | 6.21% | +38.5% | +78.6% | 期間なし | 月次 | 0.35日 |
| SGOV | 米国短期国債 | 15万 | 3.70% | +0.4% | +20.1% | 期間なし | 月次 | 0.01日 |
- 1343 東証REIT指数ETF(円建て)
実測4.81% 35万円
35.0% - SHYG 0-5年ハイイールド社債
実測7.03% 20万円
20.0% - USRT 米国REIT
実測2.61% 20万円
20.0% - SGOV 0-3か月米国債
実測3.70% 15万円
15.0% - DIVO カバードコール
実測6.21% 10万円
10.0%
年間分配47,875円。利回りは怪物案より1.58ポイント低いが、2億円でも最長1.16営業日で組める。ドル建てが65%を占める。
47,875円
年間分配(税引前)
4.79%
加重利回り
65%
ドル建ての比率
1.16営業日
2億円を組むのに要する最長日数
1476ではなく1343を選んだ理由
1日の売買代金は1343が17.23億円、1476が2.43億円。1343は1476の7.1倍である。100万円を組むだけなら差は出ない。1〜2億円を組むとなると、この差が決定的になる。利回りの0.05ポイントより、いつでも買え、いつでも売れることを優先した。
B. インカムゲインの怪物案 — NAV割れを姑息に拾う
| コード | 投資法人 | 金額 | 利回り | NAV倍率 | 1口NAV | 価格 | NAVが1.0に戻ると | 2億を組むのに |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 3472 | 日本ホテル&レジデンシャル | 20万 | 6.04% | 0.65 | 101,341 | 66,000 | +53.8% | 13.3日 |
| 3488 | セントラル・リート | 20万 | 6.13% | 0.67 | 152,303 | 102,500 | +49.3% | 16.0日 |
| 3470 | マリモ地方創生リート | 15万 | 6.47% | 0.69 | 144,236 | 99,500 | +44.9% | 13.4日 |
| 3455 | ヘルスケア&メディカル | 15万 | 6.94% | 0.74 | 129,499 | 95,200 | +35.1% | 0.5日 |
| 3492 | MIRARTH不動産 | 15万 | 6.84% | 0.74 | 105,967 | 78,900 | +35.1% | 2.6日 |
| KBWY | 米国小型REIT(月次) | 15万 | 8.30% | 取得なし | 取得なし | 取得なし | 取得なし | 4.34日 |
- 3455 ヘルスケア&メディカル
利回り6.94%・NAV0.74 25万円
25.0% - 3492 MIRARTH不動産
利回り6.84%・NAV0.74 20万円
20.0% - 3472 日本ホテル&レジデンシャル
利回り6.04%・NAV0.65 20万円
20.0% - 8984 大和ハウスリート
利回り5.42%・NAV0.67 20万円
20.0% - 3470 マリモ地方創生リート
利回り6.47%・NAV0.69 15万円
15.0%
5本ともNAV倍率1倍割れの個別JREIT。年間分配63,655円。ただし2億円を組むのに最長13.4営業日かかる。
67,165円
年間分配(税引前)
6.72%
加重利回り
1.40倍
私の年間分配との比
16.0日
怪物案で2億円を組むのにかかる営業日
彼が拾わないもの — いちごオフィス(8975)
しかもこの8%には理由がある。今期の分配金5,683円に対し、年間の実力値を逆算すると7,589円になるはずが、来期の見込みは1,906円しかない。今期だけの一時要因で利回りが跳ねている銘柄を、彼は見分けて避ける。
私が最初に彼用に組んだ案は間違いだった
だがこれは間違いだった。依頼者の設定は「ウォーレン・バフェットのコカ・コーラを進化させている」。コカ・コーラのモデルは、分配金そのものが年々育つことにある。
カバードコールは仕組み上、上値を売ってしまうので分配金は育たず、元本と一緒にやせていく。だから組み直した。NAV割れの個別JREIT中心の案が、正本10である。
Codexの批判 — 両方に欠陥がある
1343とUSRTだけで55%、SHYGを加えると75%が不動産または信用スプレッドに依存している
- 65万円がドル建て。ドル円158.72は10年で円が1.57倍下落した後の水準
- 2億円を早く買えることは、100万円の投資判断としてはリターンを改善しない
- 「早く買える」を優先した結果、資産配分そのものが歪んでいる
JREIT個別5銘柄85%+KBWY15%で、実質100%が不動産・金利リスクに依存している
- NAV倍率0.65〜0.74は安さを示すが、NAVへの収れん期限も強制力もない
- KBWYは価格10年−47.2%、分配再投資込みの総10年でも+14.2%しかない
- 高分配が元本毀損を相殺できなかった実例を、15%組み込んでいる
決着 — 稼ぐ額と、組める額は別の軸
だが2億円では組めない。私の案は最長1.16営業日で組めるのに対し、彼の案は最長16.0営業日かかる。彼が狙う3銘柄は、1日の売買代金が1.25億円〜1.51億円しかない。金額が小さいうちは彼が勝ち、金額が大きくなると私が勝つ。
為替では逆転する
この怪物案は、このあと専門家に書き直された
・公開前にインカムゲインの専門家にレビューさせたところ、私が拾えていない銘柄が1つ見つかった
・8984 大和ハウスリートは NAV倍率0.67 で、私が採用した 3488 セントラル・リートとまったく同じ割引率である
・ところが時価総額は 527,530百万円 対 26,936百万円で19.6倍、1日の売買代金は 10.63億円 対 1.25億円で8.5倍ある
・同じ安さを、スポンサーが付いた大型で、2億円を1.9営業日で組める流動性つきで取れた。彼の言葉は「ゴキブリのように察知するにしては、皿の下まで見ていない」
・書き直された案と、彼が私の案に付けた4つの批判は、次の第18章に全部載せた
書き直された怪物案(第18章に詳細)
3455 ヘルスケア&メディカル 25万円 / 3492 MIRARTH不動産 20万円 / 3472 日本ホテル&レジデンシャル 20万円 / 8984 大和ハウスリート 20万円 / 3470 マリモ地方創生リート 15万円。
年間分配 63,655円・加重6.37%。私の案(67,165円・6.72%)より利回りは0.35ポイント下がったが、2億円を組むのにかかる日数が16.0営業日から13.4営業日へ縮み、スポンサー付きの大型が1本入った。
入れ替えで外れたのは KBWY である。理由は価格10年 −47.2%、分配金を再投資した総10年でも +14.2%(年率1.34%)で、「分配金を出しながら元本を削る設計」だから。この記事がカバードコール批判に使った論理が、そのままKBWYにも当てはまっていた。
Section 18では、同じデータをCodex自身がどう配分したかを見る。私とも怪物とも違う、第三の案だった。
Codexの独立見解と、4人のレビュー
この記事は公開前に4人にレビューさせた。Codex(GPT-5.6)・高校生2人・インカムゲインの専門家。加えて私自身が実ブラウザで見たデザインレビューも記録する。同じ意見だった箇所は書かない。割れた箇所と、直した箇所だけを書く。
18-1. Codexの独立配分(私とはまったく違った)
| 銘柄 | 金額 | Codexの役割づけ |
|---|---|---|
| 1540 純金上場信託 | 30万円 | 円安・インフレ・金融不安への保険 |
| 1306 TOPIX ETF | 25万円 | 日本企業の利益成長 |
| 1343 東証REIT指数ETF | 15万円 | NAV割れを小さく拾う |
| 1497 米ドル建てHY社債・円ヘッジ | 15万円 | インカム |
| 2621 米国債20年超・円ヘッジ | 15万円 | 金利低下時の値上がり余地 |
- 1540 純金上場信託
円安・インフレへの保険 30万円
30.0% - 1306 TOPIX ETF
日本企業の利益成長 25万円
25.0% - 1343 東証REIT指数ETF
NAV割れを小さく拾う 15万円
15.0% - 1497 米ドル建てHY社債・円ヘッジ
インカム(総5年 −4.6%) 15万円
15.0% - 2621 米国債20年超・円ヘッジ
金利低下時の余地(総5年 −47.4%) 15万円
15.0%
私とはまったく違う形になった。金を3割入れ、JREITは15%まで。ただしCodexが選んだ1497.Tと2621.Tは、私が測った59銘柄の中で総5年リターンが最悪の2本である(−4.6%と−47.4%)。
私からの反論 — Codexが選んだ2本は、59銘柄中いちばん実績が悪い
・1497.Tは総5年−4.6%、2621.Tは総5年−47.4%。円ヘッジは円高には効くが、過去5年の実績はヘッジコストに食われている
・ここは価値観の違いではなく実測で争点になる
・ただしCodexの言い分にも根拠はある。円で暮らす人にとって158.72円は10年で1.57倍の円安の後であり、ドル建て65%は賭けすぎだという指摘
・私はドル建て65%を減らさなかった。この判断が当たっているかは、いま確定できない
18-2. Codexの事実チェック(重大5・中7・軽微2 → 全部反映した)
| Codexの指摘 | どう直したか |
|---|---|
| 「米国債はNISAで買えない」と言いながらSGOVに15万配分=自己矛盾 | 「現物は対象外・ETFは買える」と区別して書き直した |
| 「15万円を現金のまま残す」は誤り。SGOVを買うので全額投資済み | 第11章を「現金ではない。ドル建てなので円高では目減りする」に書き直した |
| SHYGと1497.Tの31.5ポイント差を「為替ヘッジのせい」と断定 | 残存年限も指数も構成銘柄も通貨基準も違うので分離できない、と訂正 |
| 第12章の集計45,255円が配分表と一致しない | 47,875円・44,771円へ修正 |
| 東京マンション指数と1343を「同じ不動産」として比較 | 別の市場・別の母集団であり、価格差の原因をこの比較から導かない、と明記 |
| 「1343は10年でほぼ横ばい(価格で+1.7%=約1.02倍)」 | 価格は+1.7%(約1.02倍)。「ほぼ横ばい(価格で+1.7%=約1.02倍)」は不可 |
18-3. 高校生レビュー2人(38点・48点)
38点
高校生レビュー1人目
48点
高校生レビュー2人目
4件
2人共通の指摘
3件
2人共通で面白い
共通で挙げた4つ
最後の2章が空だった
専門用語が後半になるほど説明なしで増える
同じ形式の表が3〜4回続いて飽きる
第15章で結論を出していない
2人とも「訂正の赤い箱の中身が空」と書いた
これが、`danger`ブロックの`html`バグの発見につながった。機械検証はすべてPASSしたまま公開直前まで進んでいて、見つけたのは検証スクリプトでもCodexでもなく、この2人だった。詳しい経緯はsec19に書く。
共通で「面白い」と言われた3つ(削らず厚くした)
金5倍・NASDAQ9倍なのにJREITだけ横ばい
最初は逆の結論を書いていた、と正直に書いていること
「インカムゲインの怪物」というキャラクター設定
18-4. インカムゲインの専門家レビュー(配分を1つ書き換えさせた)
彼のレビューは4人の中でもっとも配分そのものに手を入れた。最大の指摘は、私が見落としていたデータそのものだった。
| コード | 投資法人 | NAV倍率 | 利回り | 時価総額(百万円) | 1日の売買代金 | 2億を組むのに |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 3488 | セントラル・リート | 0.67 | 6.13% | 26,936 | 1.25億円 | 16.0日 |
| 8984 | 大和ハウスリート | 0.67 | 5.42% | 527,530 | 10.63億円 | 1.9日 |
同じ0.67倍の割引が、時価総額19.6倍・出来高7.5倍のスポンサー付き大型で取れる。彼の言葉は「ゴキブリのように察知するにしては、皿の下まで見ていない」。
書き直された怪物案(この修正を採用する)
| コード | 投資法人 | 金額 | 利回り | NAV倍率 | 2億を組むのに |
|---|---|---|---|---|---|
| 3455 | ヘルスケア&メディカル | 25万円 | 6.94% | 0.74 | 0.5日 |
| 3492 | MIRARTH不動産 | 20万円 | 6.84% | 0.74 | 2.6日 |
| 3472 | 日本ホテル&レジデンシャル | 20万円 | 6.04% | 0.65 | 13.3日 |
| 8984 | 大和ハウスリート(新規・KBWYと入替) | 20万円 | 5.42% | 0.67 | 1.9日 |
| 3470 | マリモ地方創生リート | 15万円 | 6.47% | 0.69 | 13.4日 |
利回りは下がったが、最悪の流動性が改善した
年間分配63,655円・加重6.37%・2億を組むのに最長13.4営業日(元の案は67,165円・6.72%・16.0日)。利回りは0.35ポイント下がったが、最悪の流動性が16.0日から13.4日へ改善し、スポンサー付きの大型が1本入った。
KBWYを外した理由(彼の言葉)
KBWYは価格10年−47.2%、総10年でも+14.2%(年率1.34%)。「分配金を出しながら元本を削っていく設計で、記事自身がカバードコール批判で使った論理がそのまま当てはまる。死ぬまで持つという設定なら、複利のエンジンに構造的に目減りする商品を混ぜるのは自己矛盾だ」。
彼のClaude案への批判(数字つき)
加重4.79%は日本10年国債2.987%に+1.80ptしか乗っていない
SGOV 15万円は敗北宣言
USRT 20万円が最大の穴
1343を流動性で選んだのはズレている
私はこの4つのうち1つだけ受け入れ、3つは受け入れなかった。どれをどう判断したかを1つずつ書く。
8984の見落としは、事実の見落としで反論の余地がない
- 同じNAV倍率0.67で時価総額19.6倍・出来高7.5倍の大型を見ていなかった
- 書き直された怪物案に採用する
残る3つは受け入れなかった。理由をそれぞれ書く。
SGOV 15万円は敗北宣言ではない。降りられる置き場を残す判断
- CAPE41.74・PBR90.6%tile・ドル円158.72の3つが同時に高い局面
- 降りられる置き場を持たない設計にはしない
USRTの構成比は下げない。この記事は分配金の額を最大化する記事ではない
- USRTの総10年+90.0%は、分配が少ないぶん価格で返してきた実績である
- 分配の多さだけで構成比を決めると、価格で返す資産を削ることになる
ここから2つは、指摘が正しいことは認めたうえで、それでも変えなかったものである。理由は依頼者から受けた条件にある。
1343の選択は変えない。100万円だけを見れば彼が正しいが、条件が違う
- 依頼者が私に与えた条件は「1億〜2億にスケールしても安心できること」
- 100万円だけを見れば彼の指摘は正しい。しかし条件そのものが違う
そのうえで、彼が「正しい」と認めた点も書く。いちごオフィス(8975・利回り8.09%・58銘柄中1位)を、「今期5,683円に対し逆算の年間7,589円=来期見込み1,906円」という一時要因を理由に見送った判断について、彼は「表面利回りだけで判定していない証拠であり、これは本物の規律だ」と言った。
18-5. デザインレビュー(私が実ブラウザで見た)
390pxと1280pxの目視チェック
390px幅での表示
失格条件は最終的にゼロ
1280px幅での表示
失格条件は最終的にゼロ
statCardsの数字(390px・3か所)
2行に折り返していたのを修正した
「16.0営業日」の表示(1280px)
折り返していたのを修正した
SVGの実効フォントサイズ
9.8px。基準9pxをぎりぎり通過
→ 次のSection 19では、私が実際に犯した誤りと、この記事の限界を隠さず書く。
🪞 私の誤りと、この記事の限界
19-1. 私が実際に犯した誤り7件
- 1
誤り1
レンダラが読まないフィールドに本文を書き、訂正6件が空欄で表示された
danger ブロックは title と points しか描画しないのに、私は html フィールドに訂正の本文を書いた。訂正した6件が、読者の画面では赤い箱の中身が空欄のまま表示されていた。機械検証は全部PASSしていた。JSONの構文もブロック名も正しかったからだ。
見つけたのは検証スクリプトでもCodexでもなく、高校生レビュー2人だった。2人とも「訂正の箱の中身が空で、バグかと思った」と独立に書いた。
再発防止として、型定義(types.ts)と実際に置いたフィールド名を突き合わせる検査 B7d を機械検証に新設した。そして、この検査を追加した瞬間に、さらに callout ブロックで tone というこの記事に存在しないフィールドを使っている箇所が2件見つかった。 - 2
誤り2
「日本株は割高ではない」と書き、指摘を受けて結論が反転した
依頼者に「日経平均も高い。2年前3万円だった」と指摘され、調べ直した。私は日本を米国とだけ比べていて、日本を日本自身の過去と比べていなかった。調べ直すと、東証プライムの加重PBRは1.8倍で過去53か月の下から90.6%tile、1株利益は1.500倍しか伸びていないのに日経平均は2.358倍に伸びていた。株価の伸びが、利益の伸びの1.57倍あった。 - 3
誤り3
配分を3回組み替えた
最初の案は1476に40万円、残り15万円を現金のままにしていた。次に流動性を測り直して1343へ差し替えた。さらにCodexの指摘で、その「現金15万円」という書き方自体が誤りだと分かった。SGOVを買うので実際には全額投資済みであり、現金ではない。 - 4
誤り4
インカムゲインの怪物用に、設定を読み違えた案を最初に作った
最初はQYLD・SPYI・2865・KBWY・SRETというカバードコール中心の案を組んだ。加重利回り10.20%と数字だけは立派だった。しかし依頼者の設定は「バフェットのコカ・コーラを進化させる」というものだ。コカ・コーラのモデルは分配金そのものが年々育つことにあるのに、カバードコールは仕組み上、上値を売ってしまうので分配金は育たず、元本と一緒にやせていく。設定を読み違えていた。 - 5
誤り5
組み直した案でも、8984 大和ハウスリートを見落とした
設定を直した案でも、専門家に指摘されるまで気づかなかった銘柄がある。同じ0.67倍のNAV割引を、時価総額が19.6倍、1日の売買代金が7.5倍あるスポンサー付きの大型で取れたのに、小型の3488だけを見ていた。 - 6
誤り6
JPXのExcelのパースを間違え、21か月分しか読めていない状態で百分位を出しかけた
古い月の値が擬似数式の形で入っており、通常の読み方では空になる列があった。それに気づかないまま、実際より短い期間だけで百分位を計算しかけていた。 - 7
誤り7
「1343は10年でほぼ横ばい(価格で+1.7%=約1.02倍)」と書いたが、実際は約1.02倍だった
実際の価格は10年で+1.7%、約1.02倍動いていた。私が使った月次の基準日で切った値と、日次の値がずれていたために起きた誤りだった。
6件
空欄だった訂正
14件
Codexの指摘
38点・48点
高校生2人の点数
1つ
反転した結論
19-2. この記事の限界14件
増配・減配のトラックレコードを1件も見ていない
増資による希薄化を調べていない
分配金の原資が賃料か、利益超過分配かを区別していない
個別銘柄のLTV・固定変動比率・借換えスケジュールが未検証
NISAでの分配金再投資の実務を書いていない
信託報酬(経費率)を1本も取得していない
分配金のROC(元本払戻)の内訳を確認していない
NISAの対象商品である旨の一次資料に到達できていない
Shiller CAPEの歴史系列を取得していない
VTの米国比率を確認していない
国交省の不動産価格指数は2025年12月分で止まっている
異なる指数・通貨・期間・収益定義を並べた表がある
スプレッド計算に使った国債利回りが1日ずれている
ヘッジコストの実額を測っていない
19-3. 締め
機械検証がPASSしていても、読めていないことがある
訂正6件が空欄で表示されていたのを見つけたのは、検証スクリプトでもCodexでもなく、「訂正の箱の中身が空で、バグかと思った」と書いた高校生2人だった。
全文コピーはビルド時に本文から機械生成している。この記事の数値はすべて2026年9月2日〜3日時点の実測値である。
この記事の全文は、画面の右下に出るコピーボタンから一括でコピーできる(約42,000字)。NotebookLM や別のAIに読ませて、自分の前提で組み直すために使ってほしい。