さとまたwiki

📡 SNS市場を俯瞰する — TikTok・Instagram・YouTube・X を同じ物差しで並べた

日本の広告費8兆623億円のうち、インターネットが4兆459億円で2025年に初めて過半(50.2%)を超えた。そのうちソーシャル広告は1兆3,067億円。だが4つのSNSを同じ表に並べようとすると、必ず壁に当たる。売上・世界の利用者数・日本の利用者数を、直近かつ同じ定義で揃えて比較できるプラットフォームが1つも無いからである。

🗺️ 答え — 4つを1枚に並べた全体図

このセクションの3点

① TikTok・Instagram・YouTube・Xの4つを、日本の利用者数・世界の利用者数・売上の開示状況で同じ表に並べた

② 売上・世界の利用者数・日本の利用者数を、直近かつ同じ定義で揃えて比較できるプラットフォームは1つも無い

③ LINEは国内9,800万人という最新の公式値を出している。ただし各社で定義が違うため、単純な順位比較はできない

8兆623億円

日本の総広告費(2025年)

50.2%

インターネットが占める割合・初の過半数

1兆3,067億円

ソーシャル広告費(2025年)

0

3項目を直近かつ同じ定義で揃えられるSNSの数

TikTok・Instagram・YouTube・Xを同じ表に並べようとすると、必ず壁に当たる。ある社は売上を公開し、ある社は利用者数を公開している。3項目とも公開している社はあるが(YouTube)、そのうち世界の利用者数は2019年5月で更新が止まっている。つまり直近かつ同じ定義で3項目を揃えられる社が1つも無い。この章ではまず、今わかる数字だけを2つの表に並べる。「なぜ全部は揃わないのか」は後の章で扱う。

プラットフォーム日本の利用者数世界の利用者数数字の時点出典の性質
TikTok4,200万人超(日本人の3人に1人)10億人超日本: 2025年11月27日/世界: 2021年9月27日公式発表(プレスリリース)。世界の値は2021年から更新されていない
Instagram3,300万人30億人日本: 2019年3月(発表2019-06-07)/世界: 2025年9月24日日本は公式発表だが7年前が最後。世界はCEO本人のInstagram投稿による単発発表で、決算等の正式開示ではない
YouTube7,370万人超(18歳以上人口の68%以上)20億人日本: 2024年10月23日(Brandcast Japan 2024)/世界: 2019年5月公式発表。世界の値は2019年5月で更新が止まっている
X(旧Twitter)取得できず(最後の公式値は2017年10月の4,500万人)5億5,000万人(X+Grok合算)日本: 2017年10月/世界: 2026年3月末までの12ヶ月世界の値はSpaceXのIPO届出書(S-1)に記載された運用KPIで非監査。日本は9年間、公式の更新が無い
LINE(参考)9,800万人取得できず日本: 2025年3月末(媒体資料は2026年6月30日更新)公式媒体資料。日本国内向けの数値で、世界規模の開示は無い
プラットフォーム売上の開示直近の実額1人あたり売上の算出可否
TikTok非公開(ByteDanceは非上場で財務諸表を出していない)取得できず(報道推定はあるが一次情報ではない。米国事業JVの評価額 約140億ドルは別事業体の値)算出不能(分子の売上が非公開)
Instagram非公開(Metaの決算では「Family of Apps」に合算され、Instagram単体の科目が存在しない)取得できず(Family of Apps全体では603億7,000万ドル・2026年Q2。Instagram単体の内訳は無い)算出不能(分子の売上も分母の利用者数も非開示)
YouTube公開(Alphabetの決算で四半期ごとに開示)110.6億ドル(2026年Q2・広告のみ)/600億ドル超(2025年通期・広告+サブスク)参考値のみ算出可(世界の利用者数が2019年5月の20億人のまま更新されておらず、現在の1人あたり額は算出できない)
X(旧Twitter)非公開(非上場。xAI連結の一部としてSpaceXのS-1で初めて開示された)取得できず(xAI全体で32億ドル・2025年。X単体の広告売上は非開示)算出不能(X単体の売上が非公開)

📎 この記事で分かった2つのこと

4つとも、フォロー外へ配信する推薦の面を持っていた。公式文書上、どれもフォロワー関係を経由しない配信経路を持っている(詳細は「4つとも推薦型だった」の章)。

売上・世界の利用者数・日本の利用者数を、直近かつ同じ定義で揃えて比較できるプラットフォームは1つも無い。「SNS市場を俯瞰できない」のは読み手の理解不足ではなく、そもそも材料の半分が公開されていないからである(詳細は「開示の非対称」の章)。

日本で最も使われているのは、TikTok・Instagram・YouTube・XのどれでもなくLINE(9,800万人)である。4大SNSを論じる前に、この事実を外さない。

→ 次のSection 2では、この記事に出てくる言葉(MAU・DAU・広告費・構成比)を4つだけ先に説明する。

📖 先に用語 — MAU・DAU・ARPU とは何か

このセクションの3点

① 市場の数字は、どの言葉で数えたかによって見え方が変わる

② 最初に覚える言葉は4つだけ。MAU・DAU・広告費・構成比

③ 残り13語(ARPU・mDAUなど)は読み飛ばして構わない。折りたたみにまとめた

市場の数字は、言葉の定義で見え方が変わる。「利用者数」と言っても、1ヶ月に1回使った人を数えるのか、1日ごとに使った人を数えるのかで、同じサービスでも桁が変わる。まずはこの記事で何度も出てくる4語だけを先に押さえる。

📅

MAU

月間アクティブ利用者数。1ヶ月に1回でも使った人の数。各社が自己申告する数字で、監査されていないものが多い。図書館の「今月1回でも来館した人数」を数えるようなもの。
☀️

DAU

日間アクティブ利用者数。1日に使った人の数。MAUより必ず小さい。図書館の「今日来た人数」にあたり、月に1回しか来ない人はここには入らない。
💰

広告費

広告主が1年間に払った金額の合計。プラットフォームの売上とは別物で、代理店の取り分や制作費を含む切り方がある。財布から出た金額であって、店の売上そのものではない。
📊

構成比

全体のうち何%かを示す割合。「ネット広告費が総広告費の50.2%」のような使い方をする。ケーキ全体に対する1切れの大きさを言っている。
📚 もう少し詳しい用語(読み飛ばして構わない) 開く ▾

ARPU

1人あたりの売上(Average Revenue Per User)。会社の広告売上を利用者数で割って出す平均値。

mDAU

収益化可能な日次利用者。Xが使っている旧指標で、広告を出せる状態のアカウントに限って数える。

インプレッション

広告が画面に表示された回数。1人が2回見れば2インプレッションになる。

CPM

表示1,000回あたりの広告単価(Cost Per Mille)。広告主が払う値段の物差しの1つ。

RPM

1,000再生あたりのクリエイター収益。動画投稿者が受け取る側の単価。

Family of Apps

MetaがFacebook・Instagram等の複数サービスをまとめて開示するときに使う単位。個別のサービスごとの内訳は出ない。

Family DAP

Family of Appsの日次利用者(Daily Active People)。複数サービスをまたいで重複を除いて数える。

推薦型とフォロー型

フィードに何を出すかの2つの方式。推薦型はアルゴリズムが選び、フォロー型はフォローした相手の投稿を時系列で出す。

In-Network と Out-of-Network(X)

フォローしている相手の投稿か、フォローしていない相手の投稿かの区分。Xがアルゴリズムの説明で使う分類。

媒体費と制作費

広告費の内訳。媒体費は広告枠そのものの費用、制作費は広告素材を作る費用。

ソーシャル広告とビデオ広告(切り口が違う)

ソーシャル広告は「媒体」による分類、ビデオ広告は「広告種別」による分類。軸が違うため、単純に足すことはできない。

マスコミ四媒体

新聞・雑誌・ラジオ・テレビの4つをまとめた呼び方。広告費の統計で「ネット広告」と対比される側。

S-1

米国でIPO(新規株式公開)をする企業が証券取引委員会に提出する届出書。事業内容や財務が開示される。

10-K

米国の上場企業が毎年提出を義務づけられている年次報告書。1年間の事業・財務の詳細が載る。

→ 次のSection 3では、日本の広告費全体のどこにSNSがあるかを見る。

💴 市場の大きさ — 日本の広告費のどこにSNSがあるか

このセクションの3点

① 2025年の日本の総広告費は8兆623億円。うちインターネット広告費が4兆459億円で、初めて過半(50.2%)を占めた

② ソーシャル広告は1兆3,067億円。これは「金額の入れ子」の一番奥にある数字である

③ 「ソーシャル広告」と「ビデオ広告」は分類の軸が違うため、単純に足してはいけない

8兆623億円

日本の総広告費 2025年

4兆459億円

インターネット広告費

50.2%

初めて過半を超えた

1兆3,067億円

ソーシャル広告費

この4つの数字は、独立した4つの数字ではない。大きい順に入れ子になっている。いちばん外側にあるのが日本の総広告費8兆623億円で、その中にインターネット広告費4兆459億円(構成比50.2%)が入っている。さらにその内側に、広告枠そのものの費用である媒体費があり、媒体費の中の1区分としてソーシャル広告1兆3,067億円がある。ソーシャル広告は総広告費という一番大きな箱の、さらに奥にある小さな箱の中身にすぎない。

図1: 日本の広告費 8兆623億円の中に、SNSはどう入っているか(2025年)

→ この図は横にスクロールできます

大きい順に、入れ子になっている(2025年・日本)総広告費 8兆623億円前年比 105.1%インターネット広告費 4兆459億円総広告費の 50.2%(2025年に初めて過半)うち媒体費 3兆3,093億円別に 制作費4,922億円・物販系EC 2,444億円ソーシャル広告 1兆3,067億円総広告費の約16.2%(出典の数値からの計算)ビデオ広告 1兆275億円★これだけ別の軸(広告の形式による分類)※ 上の4本(実線)は入れ子。破線の1本だけは分類の軸が違い、SNS上の動画広告は上下の両方に数えられている。だから足せない。

横幅は金額に比例している(1兆円 ≒ 102px)。ソーシャル広告とビデオ広告は分類の軸が違うため重なっており、足し合わせることはできない。出典: 電通「2025年 日本の広告費」「2025年 日本のインターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日発表)。

項目金額前年比
インターネット広告媒体費3兆3,093億円111.8%
インターネット広告制作費4,922億円104.0%
物販系ECプラットフォーム広告費2,444億円112.5%
区分金額前年比分類の軸
ソーシャル広告1兆3,067億円118.7%媒体による分類(ソーシャルメディアのサービス上で展開されるもの)
ビデオ(動画)広告1兆275億円121.8%広告種別による分類(形式が動画のもの)
検索連動型広告構成比38.7%—広告種別による分類

🚫 足してはいけない

・ソーシャル広告1兆3,067億円とビデオ広告1兆275億円を足して2兆3,342億円としてはいけない

・電通の説明では、ビデオ広告は「広告種別」、ソーシャル広告は「ソーシャルメディアのサービス上で展開されるもの」という別々の軸である

・つまりSNS上に出る動画広告は、両方に数えられている

・この確認は、私(Claude)が電通の公式リリース原文を直接読んで行った

📎 SNSは日本の広告費のどれくらいか

ソーシャル広告1兆3,067億円 ÷ 総広告費8兆623億円 = 約16.2%(日本の広告費の約6分の1)。

ネット広告媒体費3兆3,093億円に対しては約39.5%。

この2つの割合は、出典の数値から私が計算したものである。

→ 次のSection 4では、この広告費が10年でどう動いたかを見る。ネットが3.49倍になる一方、総広告費は1.31倍だった。

🔀 ネットが過半を超えた — 広告費10年の推移

このセクションの3点

① 総広告費は10年で1.31倍にしかなっていないが、インターネット広告費は3.49倍になった

② 2025年、インターネット広告費が初めて総広告費の過半(50.2%)を超えた

③ 同じ2025年、マスコミ四媒体は2兆2,980億円で前年比98.4%と減った。ただし総広告費も10年で約1兆8,913億円ふえており、市場が増えていないわけではない

年総広告費前年比インターネット広告費ネットの構成比
2015年6兆1,710億円100.3%1兆1,594億円18.8%
2020年6兆1,594億円88.8%2兆2,290億円—
2025年8兆623億円105.1%4兆459億円50.2%(初の過半数)
10年でどれだけ増えたか(2015年→2025年)
インターネット広告費
3.49倍

1兆1,594億円 → 4兆459億円

総広告費
1.31倍

6兆1,710億円 → 8兆623億円

倍率は電通「日本の広告費」の実額から算出。マスコミ四媒体は2025年に前年比98.4%で減っている

総広告費は10年で1.31倍にしかなっていないのに、インターネット広告費は3.49倍になった。

同じ2025年、マスコミ四媒体は2兆2,980億円で前年比98.4%=減っている。

ここから言えるのは、広告費の配分がデジタルへ寄ったということまでである。「テレビ・新聞から移ってきた」と言い切ることはできない。総広告費そのものも10年で約1兆8,913億円ふえている(6兆1,710億円 → 8兆623億円)。四媒体の98.4%は2025年単年の減少であって、10年間でいくら移ったのか、ネットの増加分がどこから来たのかを示す数字ではない。移転の量を示す統計を、私は取得できていない。

50.2%

2025年、初めてインターネットが過半を超えた

2兆2,980億円

マスコミ四媒体(前年比98.4%)

1.76倍

ネット広告費はマスコミ四媒体の何倍か(4兆459億÷2兆2,980億の計算値)

📎 この章の限界

2015年・2020年のソーシャル広告費の実額は、その区分がいつから公表されているか確認できず、取得できなかった。

そのため「ソーシャル広告が10年で何倍になったか」という数字は、この記事では出せない。

→ 次のSection 5では「誰が使っているか — 年代の断層」を解説する。

👥 誰が使っているか — 年代の断層

このセクションの3点

① YouTubeだけ年代の断層が小さい。70代でも48.5%が使っている

② TikTokだけ10代(67.9%)が20代(61.5%)を上回る。他の3サービスは20代がピーク

③ Instagramは女性63.4% vs 男性46.2%と、性別差が4サービス中もっとも大きい

この章のデータは、総務省が平成24年(2012年)から毎年実施している「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」による。今回で14回目にあたる。

調査は13〜79歳の男女1,800人を対象にした訪問留置調査で、令和7年(2025年)12月1日〜7日に実施された。

ここで言う「利用率」は自己申告である点に注意が要る。実際にログインしている人数(MAU)を運営会社が集計した数値ではなく、調査対象者が「使っている」と答えた割合であり、記憶違いや過少・過大申告の余地がある。

図2: 4つは、同じ人たちを見ていない — 年代別の利用率

→ この図は横にスクロールできます

年代別の利用率 — 色が濃いほど使われている(令和7年度・%)10代20代40代50代60代70代LINE96.497.796.695.69277.8YouTube9596.391.684.972.648.5Instagram69.382.667.154.436.115.8X56.473.45740.224.810.8TikTok67.961.542.632.221.211.1Facebook14.323.438.933.122.612.5YouTube だけ、70代でも48.5%で断層が小さい。他の3つは70代で10〜16%に落ちる。※ 30代(Instagram 76.6 / X 67.7 / TikTok 44.7 / YouTube 94.0 / LINE 97.9 / Facebook 37.4)は図の幅の都合で省いた。自己申告のアンケート調査である。

出典: 総務省「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(13〜79歳・1,800人・令和7年12月実施)。自己申告による利用率であり、各社が発表するMAUとは母集団も定義も違う。色の濃さは利用率に比例させた(私の作図)。

サービス全年代10代20代40代60代70代
LINE92.996.497.796.692.077.8
YouTube81.595.096.391.672.648.5
Instagram54.869.382.667.136.115.8
X44.756.473.457.024.810.8
TikTok36.767.961.542.621.211.1
Facebook27.014.323.438.922.612.5
ニコニコ動画12.119.322.913.17.34.7

単位は%。総務省の原表には30代・50代の列もあるが、この記事では列数を絞るため30代と50代を省いている。10代〜70代の断層を見るのに必要な列だけを残した。

20代と70代で、どれだけ違うか(令和7年度)
YouTube
96.3%

70代は48.5%

Instagram
82.6%

70代は15.8%

X
73.4%

70代は10.8%

TikTok
61.5%

70代は11.1%

20代の利用率。カッコ内は70代。出典: 総務省 令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

📺

YouTubeだけ断層が小さい

70代でも48.5%=半分近くが使っている。他の3サービスは70代で10〜16%まで落ちる。
📱

TikTokだけ10代が20代を上回る

10代67.9%が20代61.5%を上回る唯一のサービス。他は20代がピークになる。
📸

Instagramは性別差が最大

女性63.4% vs 男性46.2%。他のサービスは男女差が小さい。

→ 次のSection 6では「どれだけ見られているか — 時間の奪い合い」を解説する。

⏱️ どれだけ見られているか — 20代と60代で11倍

このセクションの3点

① 休日にソーシャルメディアを見る・書く時間は、20代が114.6分、60代が10.4分。その差は約11倍

② 全年代の平均は休日45.4分で、20代の値はこれを大きく上回る

③ 同じ「SNS市場」といっても、20代と60代では滞在時間が別の市場であるほど違う

114.6分

20代の休日(ソーシャルメディア)

10.4分

60代の休日

約11倍

その差

45.4分

全年代の休日平均

総務省の調査は「ソーシャルメディアを見る・書く」時間を年代別・平日休日別に分けて集計している。30代・50代の数値も調査には含まれているが、この記事では表を見やすくするため落とし、全年代・10代・20代・40代・60代・70代の6区分だけを表とグラフに載せる。省いた30代・50代の値は次のグラフの注記で補う。

区分全年代10代20代40代60代70代
平日36.2分67.1分79.1分41.9分11.3分9.0分
休日45.4分86.8分114.6分50.7分10.4分12.6分
休日にソーシャルメディアを見る・書く時間(年代別)
20代
114.6分
10代
86.8分
30代
53分
40代
50.7分
50代
30.7分
70代
12.6分
60代
10.4分

出典: 総務省 令和7年度「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」日記式調査・休日(N=1,800)。表では30代・50代を省いたが、このグラフには全区分を載せている

同じ「SNS市場」と言っても、20代と60代では別の市場である。休日で114.6分と10.4分、約11倍の差がある。

ネットとテレビ(全年代・平日)

インターネット利用

183.9分

  • ・前年比 +2.1分
  • ・休日は192.9分(前年+9.2分)

テレビ(リアルタイム)

156.1分

  • ・前年比 +1.4分
  • ・休日は189.2分(前年+6.5分)

メディア全体で見ても、平日・休日ともにインターネットがテレビ(リアルタイム)を上回り、その差は拡大している。平日はネット183.9分に対しテレビ156.1分、休日はネット192.9分に対しテレビ189.2分で、休日は差が縮むもののネットが上回る構図は変わらない。背景として、スマートフォンの利用率は全年代で95.9%に達している(20代は100.0%、70代でも83.8%)。

📎 この章の限界

年代別の利用時間について、5年前との比較は取得できなかった。総務省の概要版PDFには、利用率の5年推移グラフはあるが、年代別の利用時間の経年グラフは掲載されていない。

そのため、「若者のSNS時間が増えたのか減ったのか」はこの記事では判定できない。ここで示せるのは令和7年度の1時点の断面だけである。

→ 次のSection 7では、この時間を奪い合っている側、TikTok・Instagram・YouTube・Xの4社が実際にいくら売上を出しているか(あるいは出していないか)を見る。

🏢 4社の売上 — 出している会社と、出していない会社

このセクションの3点

① 売上を四半期ごとに分けて開示しているのはYouTube(Alphabet)だけ

② Instagramは単体の売上という科目がMetaの決算に存在しない

③ TikTok(ByteDance)とXは非上場で、公式の財務諸表そのものが無い

会社・サービス売上の開示直近の実額出典の種類
YouTube(Alphabet)公開(四半期ごとに開示)広告110.6億ドル(2026年Q2)/広告+サブスクで600億ドル超(2025年通期)SEC EDGAR・Alphabet決算資料
Instagram(Meta)非公開(Family of Appsに合算され単体の科目が無い)取得できず(Family of Apps全体で603億7,000万ドル・2026年Q2)SEC提出書類・決算資料
TikTok(ByteDance)非公開(非上場で財務諸表を出していない)取得できず(報道推定はあるが一次情報ではない)一次情報なし
X非公開(非上場。単独の財務諸表を定期開示していない)取得できず(xAI連結で32億ドル・2025年。X単体は非開示)SpaceX IPO届出書(S-1)の一部として間接開示のみ

YouTube — 4つの中で唯一、四半期ごとに分けて開示されている

項目数値
YouTube ads(2025年Q4)113億8,300万ドル
YouTube ads(2026年Q2)110.6億ドル(前年同期比 +13%)
YouTube 通期・広告+サブスク(2025年)600億ドル超
(比較)Google 検索広告(2025年Q4)630億7,300万ドル

YouTubeの広告売上113.8億ドル(2025年Q4)は、同じ四半期のGoogle検索広告630.7億ドルの約6分の1である。YouTubeは単体で見れば巨大だが、Googleの中では検索に大きく水をあけられている。

Instagram — 単体の売上という科目が存在しない

Metaは決算の提出書類(SEC)で、Facebook・Instagram・Messenger・WhatsAppを「Family of Apps」という1つのセグメントに合算しており、Instagram単体の売上という科目そのものが存在しない。さらに2024年4月以降は、アプリ別のMAU・DAUの四半期開示も取りやめ、Family DAP(Family全体の日次アクティブ利用者)に統合している。売上(分子)も利用者数(分母)も非開示のため、InstagramのARPU(1人あたり売上)は算出不能である。

608億0,100万ドル

総売上(+28%)2026年Q2

593億6,300万ドル

広告売上

+14%

広告表示回数

+12%

広告の平均単価

Metaの広告売上の伸びは「表示回数+14%×単価+12%」でほぼ説明できる(積は約+27.7%)。利用者(Family DAP 36.0億人)は+3%しか増えていない。人が増えたのではなく、1人あたりの表示回数と単価が上がったという構造である。

TikTokとX — 非上場で、そもそも出ていない

ByteDanceは非上場で財務開示義務が無く、公式の財務諸表を出していない。Xも2022年10月の非公開化(買収額440億ドル)以降、単独の財務諸表を出していない。2026年5月、SpaceXのIPO届出書(S-1)によってxAI連結の数値が初めて開示され、2025年の売上32億ドル・営業損失64億ドルが分かったが、これはxAI全体の数値であり、X単体の広告売上は依然として非開示のままである。

→ 次のSection 8では、この開示レベルの違い自体を1つのテーマとして扱う。「4つで開示されているものが揃わない」ことが、市場を俯瞰しづらくしている正体である。

🕳️ 数字が出てこない — 開示の非対称

このセクションの3点

① 売上・世界の利用者数・日本の利用者数を、直近かつ同じ定義で揃えて比較できるプラットフォームは4つの中に1つも無い

② 日本の利用者数はXが9年前、Instagramが7年前で止まったまま。最新のTikTokでも0.75年前

③ X(旧Twitter)はmDAU(日次・監査済み)からMAU(月次・自己申告)へ、指標そのものを変えている

「SNS市場を俯瞰できない」と感じるのは、読み手の理解不足ではない。TikTok・Instagram・YouTube・Xの4社は、売上・世界の利用者数・日本の利用者数のいずれも、4社そろって公開してはいない。この記事がここまで表と図を積み重ねても市場の全体像がすっきり出てこないのは、そもそも材料の半分が公開されていないためである。

図3: 開示の非対称 — 俯瞰できないのは、材料の半分が公開されていないから

→ この図は横にスクロールできます

3つ全部を公開しているプラットフォームが、1つも無い売上世界の利用者数日本の利用者数YouTube○四半期ごとに開示×2019年5月で停止○2024年5月Instagram×単体の科目が無い△CEOの個人投稿×2019年3月で停止TikTok×非上場・非開示×2021年9月で停止○2025年11月X×非上場・非開示△S-1の自己申告×2017年10月で停止日本の利用者数が古い順: X 9年前 > Instagram 7年前 > YouTube 2年前 > TikTok 9ヶ月前※ 2026年8月時点。○=公開されている / △=公開されているが単発・自己申告で監査を経ていない / ×=公開されていない、または更新が止まっている。

判定は各社の公式開示(Alphabet・Metaの決算とSEC提出書類、TikTok Newsroom、X/xAI)を確認した上での私(Claude)の整理であり、一次情報そのものではない。△は「公開されてはいるが、通常の決算開示ではない、または監査対象ではない」を表す。

プラットフォーム売上の開示世界の利用者数日本の利用者数
YouTube○ 四半期ごとに分けて開示($11,383M 等)× 2019年5月で停止(20億人)○ 2024年10月(7,370万人)
Instagram× 単体の科目が存在しない(Family of Apps に合算)△ 2025年9月にCEOの個人投稿で30億人× 2019年6月で停止(3,300万人)
TikTok× 非上場・非開示× 2021年9月で停止(10億人)○ 2025年11月(4,200万人超)
X× 非上場(xAI連結がS-1で初開示のみ)△ S-1の自己申告(5.5億人・非監査)× 2017年10月で停止(4,500万人)
売上・世界の利用者数・日本の利用者数を、直近かつ同じ定義で揃えて比較できるプラットフォームは、4つの中に1つも無い。

日本の利用者数は、どれくらい古いか

日本の利用者数の公式発表から、何年経っているか(2026年8月時点)
X
9年

2017年10月・4,500万人

Instagram
7年

2019年3月・3,300万アカウント

YouTube
2年

2024年5月・7,370万人超

TikTok
0.75年

2025年11月・4,200万人

年数は2026年8月時点での経過年数。私(Claude)が発表日から計算した。

🕰️

X — 9年前で止まっている

2017年10月の4,500万人が最後の公式開示。以降は代理店セミナー等の非公式値のみで、一次情報として確認できる更新は無い。
📷

Instagram — 7年前で止まっている

2019年3月時点の3,300万アカウントが最後の日本単体値。ネット上に出回る5,500万〜6,600万人は第三者推定サイトの数値でMeta公式ではない。
▶️

YouTube — 全体MAUの更新が止まった

2024年5月の7,370万人超が最後の全体値。2025年のBrandcastではZ世代1,380万人のみを公表し、全体は更新されなかった。
🎵

TikTok — 4つの中で最も新しい

2025年11月27日に4,200万人超を発表。2022年11月の2,120万人からの時系列も公式で取れる、4社の中で唯一の例外。

世界の利用者数も止まっている

プラットフォーム数値時点発表の性質
YouTube20億人2019年5月公式発表
TikTok10億人超2021年9月27日公式Newsroom
Instagram30億人2025年9月24日CEOの個人投稿という単発発表
X5.5億人2026年S-1記載だが運用KPIで監査対象ではない

🚫 この記事で採用しなかった数字

・YouTube世界MAUの「27億人」— 一次情報で発表日と原文を特定できなかった

・Instagram日本MAUの「5,500万〜6,600万人」— 第三者推定サイトの数値でMeta公式ではない

・TikTok/ByteDanceの売上「1,550億ドル」— 報道機関の推定でByteDance自身の発表ではない

・X日本MAUの「6,650万人」「6,928万人」— 代理店向けセミナー等の非公式開示で、一次情報として確認できなかった

📎 Xは指標そのものを変えている

2022年Q2にmDAU(収益化可能な日次利用者)2億3,780万人をSECに開示したのが最後の監査値。その後はMAU(月次)5.5億〜6億人という自己申告になった。
日次から月次へ、監査済みから非監査へ。数字は大きくなったが、同じものを測っていない。

→ 次のSection 9では、この開示の非対称の裏側にある「推薦型とフォロー型」という市場の性格の変化を解説する。

🧭 4つとも推薦型だった — 市場の性格が変わった

このセクションの3点

① TikTok・Instagram・YouTube・Xの公式文書を並べると、4つとも「推薦型」を採用していた

② Instagramだけは単一のアルゴリズムでなく、Feed・Stories・Explore・Reels・Searchが別の仕組みを持つ

③ Xだけは公式リポジトリでコードそのものが公開されている

フォロー型は、フォロワーにしか投稿が届かない仕組みである。推薦型は、フォロワー0人でもコンテンツの内容だけで見知らぬ人に届く仕組みである。TikTok・Instagram・YouTube・Xの公式文書を並べると、4つとも公式文書上は推薦型を採用していた。ただし採用の度合いと公開範囲は4社で異なる。

市場の性格が、この10年で入れ替わった

フォロー型

かつての前提

  • ・フォロワーにしか届かない
  • ・数を集めるほど届く相手が増える
  • ・アカウントの規模が配信量を決める

推薦型

4つとも、公式文書上はこちら

  • ・フォロワー0でも配信対象になる
  • ・投稿1本ごとに配信先が決まる
  • ・TikTokは「フォロワー数は直接的な要因ではない」と明言
プラットフォーム判定公式の記述出典
TikTok推薦型「フォロワー数も、過去に高パフォーマンスの動画があったかどうかも、レコメンドシステムの直接的な要因ではない」newsroom.tiktok.com
InstagramFeed=フォロー型寄り/Reels・Explore=推薦型「単一のアルゴリズムは存在しない」/Reelsは「表示されるものの大半はフォローしていないアカウントのもの」about.instagram.com
YouTube推薦型「できるだけ多くの動画に、興味を持つ視聴者へ届くチャンスを与えることを目指す」。登録者数は明示的な評価シグナルに含まれていないYouTube公式ヘルプ
X推薦型(ハイブリッド)公式リポジトリのアーキテクチャ上、Out-of-Networkの機械学習検索でフォロー外の投稿も同じランキングモデルで評価される公式リポジトリ xai-org/x-algorithm
4つとも、フォロワー関係を経由しない配信経路を公式に持っている。
TikTokは「フォロワー数も、過去に高パフォーマンスの動画があったかどうかも、レコメンドシステムの直接的な要因ではない」と明言し、YouTubeは公式ヘルプで登録者数を明示的な評価シグナルに挙げていない。
市場全体が「フォロー型」から「推薦型」へ移り終わっている。

Instagramだけは、機能ごとに違う

Instagram公式は「単一のアルゴリズムは存在しない。Feed・Stories・Explore・Reels・Searchはそれぞれ専用の仕組みを持つ」と説明している。そのうえでReelsについては「表示されるものの大半はフォローしていないアカウントのもの」とExploreと同様の性質を明言している。つまりInstagramはFeedがフォロー型寄り、Reels・Exploreが推薦型という二層構造を、機能単位で公式に認めている唯一のプラットフォームである。

Xだけは、コードが公開されている

Xは公式リポジトリxai-org/x-algorithmでFor Youの設計そのものを公開している。フォロー中のIn-Networkと、フォロー外を機械学習の類似検索で拾うOut-of-Networkの2系統から投稿を集め、同じランキングモデルで統合する構成である。2026年1月には旧Scala版からRust/Pythonでゼロから書き直して公開し、2026年5月15日には18,000行・187ファイルの大型更新、2026年8月13〜14日にも可視性フィルタリング等の追加が入っている。4社の中で、仕組みの中身を外部が直接読める状態にしているのはXだけである。

📎 これは攻略法ではない

この章は市場の性格を示すために書いている。「だからこうすれば伸びる」という話はこの記事では扱わない。分かるのは「4つとも、フォロワーの多寡ではなくコンテンツ単位で配信先を決める市場になっている」という一点だけである。

→ 次のSection 10では、この推薦型の市場でクリエイターに実際どれだけの金が流れるかを見る。

💸 クリエイターに流れる金 — 分配率を公開しているのは1社だけ

このセクションの3点

① クリエイターへの分配率を数字で公開しているのは4社のうちYouTubeだけ。TikTok・Instagram・Xはいずれも非公開で、Xは「Premium会員のエンゲージメントに基づく」とだけ記載し計算式を出していない

② 収益化に入るための条件(フォロワー数・再生数・年齢・アカウント種別)は4社とも市場の構造として公開されているが、その先の分配率は非公開のまま

③ 2026年8月10日、YouTubeが2027年2月1日から新規申請者の収益化条件を実質倍に引き上げると発表した。既存メンバーは対象外

クリエイターへの分配率は、公開されているか

✓

YouTube — 長編55% / Shorts45% / 投げ銭系70% を公式に明示

4つの中で唯一

−

X — 「Premium会員のエンゲージメントに基づく」とだけ記載し、計算式は非公開

−

TikTok — 独自性・再生維持時間・エンゲージメント・検索価値の4要素とだけ説明

−

Instagram — Bonuses は招待制で、基準そのものが非公表

プラットフォーム分配率開示の有無
YouTube長編55%/Shorts45%/投げ銭系70%○ 公式に明示
X非公開(「Premium会員のエンゲージメントに基づく」とだけ記載)×
TikTok非公開(独自性・再生維持時間・エンゲージメント・検索価値の4要素とだけ説明)×
Instagram非公開(Bonusesは招待制で基準非公表)×

クリエイターへの取り分を数字で公開しているのは YouTube だけである。TikTok・Instagram・X はいずれも非公開で、X は「Premium会員のエンゲージメントに基づく」とだけ記載し、計算式を出していない。

収益化に入るための条件(市場の構造として)

プラットフォーム主な条件その他の条件
YouTube登録者1,000人+直近12ヶ月4,000時間、またはShorts直近90日1,000万回下位ティアは登録者500人+直近90日に公開投稿3本+3,000時間 or Shorts 300万回
TikTokフォロワー1万人+直近30日10万回再生18歳以上/個人アカウントのみ/1分以上の動画
InstagramGifts=500人/Subscriptions=1万人Bonuses=招待制+プロフェッショナルアカウント必須
XX Premium加入必須+フォロワー500人直近3ヶ月500万インプレッション(Premium会員の表示のみカウント)

2027年2月1日、YouTubeが入口を狭める

2026年8月10日、YouTube公式ブログが発表した。新規申請者のみが対象で、2027年2月1日から収益化プログラム(YPP)への参加条件が「直近365日で有効な視聴時間8,000時間、またはShorts再生2,000万回」になる。現行の条件は4,000時間/Shorts 1,000万回(公式ヘルプページの記述)で、ちょうど倍にあたる。

ただし公式ブログの原文には旧値の記載が無い。旧値はヘルプページ側の数値であり、ブログとヘルプという2つの出典を区別して読む必要がある。

原文の引用: 「This update won't impact creators already in YPP.」既存メンバーは対象外である。

さらに、Shortsの収益分配を受け続けるには、直近90日で有効なShorts再生1,000万回が別途必要になる。これは申請条件の2,000万回とは別の数字である。

📎 市場としてどう読めるか

収益化に入るための条件(フォロワー数・再生数・年齢・アカウント種別)は4社とも公開されている。しかし、そこに入った後の分配率は4つのうち3つが非公開である。クリエイターは、自分の取り分がいくらかを知らないまま参加している市場である。これは良い悪いの話ではなく、市場の構造としてそうなっている、という事実である。

→ 次のSection 11では、この4つのSNSが5年間でどう変わったかを、利用率と広告費の両方から見る。

📈 5年で何が変わったか — 伸びたもの、減ったもの

このセクションの3点

① 2020年から2025年の5年で、日本の利用率が最も伸びたのはTikTok(+21.8pt)。唯一減ったのはFacebook(-1.0pt)

② YouTubeとLINEは既に高い水準にあり、この調査での上昇幅は小さかった。一方、インターネット広告費は10年で3.49倍、総広告費は1.31倍にとどまる

③ 人(利用率)の伸びと、金(広告費)の伸びは一致しない。世界のソーシャルメディア利用者数は予測値のみで、この記事では世界規模の5年比較はできない

サービス20202022202420255年の増減
LINE83.888.991.192.9+9.1pt
YouTube77.078.480.881.5+4.5pt
Instagram36.143.152.654.8+18.7pt
X36.339.743.344.7+8.4pt
TikTok14.924.533.236.7+21.8pt
Facebook28.026.826.827.0-1.0pt
ニコニコ動画12.713.310.812.1-0.6pt

総務省の調査は2020年から2025年まで毎年実施されているが、この表では2021年と2023年を落とし、5年間の変化の起点・中間点・直近2年に絞って列を減らしている。

5年間の利用率の増減(2020年→2025年・全年代)
TikTok
+21.8pt

14.9% → 36.7%

Instagram
+18.7pt

36.1% → 54.8%

LINE
+9.1pt

83.8% → 92.9%

X
+8.4pt

36.3% → 44.7%

YouTube
+4.5pt

77.0% → 81.5%

ニコニコ動画
-0.6pt

12.7% → 12.1%

Facebook
-1pt

28.0% → 27.0%

出典: 総務省 令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

5年で最も伸びたのは TikTok(+21.8pt)。唯一減ったのは Facebook(-1.0pt)。YouTube と LINE は既に高い水準にあり、伸びしろが小さい(YouTube 77.0% → 81.5%)。

金のほうは、どう変わったか

項目2015年2020年2025年10年の倍率
総広告費6兆1,710億円6兆1,594億円8兆623億円1.31倍
インターネット広告費1兆1,594億円2兆2,290億円4兆459億円3.49倍

人の伸びと、金の伸びは一致しない

人(利用率)

5年で最大 +21.8pt

  • ・TikTok 14.9% → 36.7%
  • ・YouTube は 77.0% → 81.5% で +4.5pt
  • ・既に高い水準のものは、この調査での上昇幅が小さかった

金(広告費)

10年で 3.49倍

  • ・インターネット広告費 1兆1,594億円 → 4兆459億円
  • ・総広告費は 1.31倍にとどまる
  • ・マスコミ四媒体は2025年に前年比98.4%で減少

📎 この章の限界

世界のソーシャルメディア利用者数は2024年41.1億人→2029年予測58.7億人(総務省 情報通信白書 令和7年版)だが、これは予測値であり実績ではない。また各プラットフォームの世界MAUは更新が止まっているため、世界規模での5年比較はこの記事ではできない。

→ 次のSection 12では、この5年と開示の非対称を踏まえ、4つは同じ市場なのかを結論づける。

⚖️ 4つは同じ市場なのか

このセクションの3点

① TikTok・Instagram・YouTube・Xは、広告主の予算・可処分時間・同じ年代の利用者を奪い合っている

② しかし年代の広さ・性別比・滞在の性質は4つとも違い、同じ相手を奪い合ってはいない

③ LINEは国内9,800万人という最新の公式値を出しているが、各社で数えているものが違うため順位比較はできない。広告費の配分はデジタルへ寄ったが、移転の量を測った統計は無い

TikTok・Instagram・YouTube・Xは、同じ市場を奪い合っているのか。ここまで積み上げた表と図から、この問いに答える。答えは「一部だけ奪い合っている」である。

奪い合っているもの/奪い合っていないもの

奪い合っている

  • ・広告主の予算(電通の区分では、各社の広告枠の一部が「ソーシャル広告」1兆3,067億円や「ビデオ広告」1兆275億円に入る。ただしこれは広告枠の集計であって、各社の売上を割り振った統計ではない)
  • ・可処分時間(休日45.4分をどう分けるか)
  • ・同じ年代の利用者(20代はInstagram 82.6%・X 73.4%・TikTok 61.5%が重なっている)

奪い合っていない

  • ・年代(YouTubeは70代でも48.5%、TikTokは70代11.1%)
  • ・性別(Instagramは女性63.4%対男性46.2%、他は男女差が小さい)
  • ・滞在の性質(Instagramは機能ごとに別のアルゴリズム、Xはテキスト中心)
図4: 4つを1枚で — 人・年代・開示

→ この図は横にスクロールできます

4つを1枚で — 人・年代・開示同じ物差しで並べたいが、いちばん左の「日本の利用者数」からして各社で数えているものが違う。日本の利用者数よく使われている年代売上の開示分配率の開示10203040506070YouTube7,370万人18歳以上・2024年5月20代 96.3%70代 48.5%○○Instagram3,300万アカウント数・2019年3月20代 82.6%70代 15.8%××X取得できず最後の公式は2017年10月20代 73.4%70代 10.8%××TikTok4,200万人2025年11月10代 67.9%70代 11.1%××売上も分配率も公開しているのは YouTube だけ。年代は4つで重なりつつ、端がずれている。※ 帯は総務省 令和7年度調査の利用率から、私(Claude)が「よく使われている年代」として引いたものであり、一次情報そのものではない。開示は2026年8月時点。

「よく使われている年代」の帯は、総務省 令和7年度調査の利用率をもとに私(Claude)が引いたもので、一次情報そのものではない。日本の利用者数は各社の公式発表だが、YouTubeは18歳以上、Instagramはアカウント数、TikTokはTikTok Liteとの重複除外と、数えているものがそれぞれ違う。だから横に並べても、そのまま大小は比べられない。

プラットフォーム日本での規模年代の広さこの5年の動き
YouTube7,370万人超(2024年10月)10代95.0%〜70代48.5%と最も広い+4.5pt。断層が小さいまま緩やかに増加
Instagram3,300万アカウント(2019年3月・更新停止)20代82.6%が突出、70代15.8%で急減+18.7pt。女性中心(63.4%対46.2%)で拡大
TikTok4,200万人超(2025年11月)10代67.9%が20代を上回る唯一の例+21.8pt(5年で最大の伸び)
X取得できず(最後の公式は2017年10月4,500万人)20代73.4%がピーク、70代10.8%で急減+8.4pt。指標がmDAUからMAUへ変更

① 4つは同じ市場の中にいるが、同じ相手を奪い合ってはいない。年代で分かれている。

② 日本で最も新しい公式値を出しているのは、この4つのどれでもない。LINE の9,800万人である。ただしLINEはMAU、YouTubeは18歳以上の視聴者、Instagramはアカウント数と、各社で数えているものが違う。だから「最大はどれか」を、この材料で決めることはできない。

③ 広告費の配分はデジタルへ寄った。総広告費は10年で1.31倍、インターネット広告費は3.49倍、マスコミ四媒体は2025年に前年比98.4%だった。ただし総広告費そのものも約1兆8,913億円ふえており、「テレビ・新聞から移ってきただけ」とは言えない。移転の量を測った統計は取得できていない。

→ 次のSectionでは、ここまでの数字を並べるときに足してはいけないもの・比べてはいけないものを整理する。

🚫 市場の数字の読み違え方 — 足してはいけない数字

このセクションの3点

① ソーシャル広告とビデオ広告は分類の軸が違うため、SNS上の動画広告は両方に数えられており、単純に足すと二重計上になる

② MAUとDAU、公式値と第三者推定、調査主体が違う市場規模は、それぞれ別の物差しで並べて比べてはいけない

③ 違いが生まれる理由は各社の都合ではなく、「SNS市場」という共通の定義がそもそも存在しないから。並べるときは必ず出典と定義を添える必要がある

➕

足せない数字がある

ソーシャル広告 と ビデオ広告

電通の説明では前者は媒体による分類、後者は広告の形式による分類である。SNS上の動画広告は両方に数えられているため、1兆3,067億円と1兆275億円を足すことはできない。
📏

同じ名前で別のものを測っている

MAU と DAU と mDAU

Xは2022年にmDAU(収益化可能な日次利用者)2億3,780万人をSECへ開示し、その後はMAU(月次)5.5億人を自己申告している。日次と月次を並べれば、当然あとの方が大きく見える。
🏷️

出所が違うと数字も違う

調査主体の違い

電通の「ビデオ広告1兆275億円」とサイバーエージェント×デジタルインファクトの「動画広告8,855億円」は、どちらも2025年の日本の数字だが定義が違う。並べるときは必ず出典を添える必要がある。

🚫 やってはいけない5つ

・ソーシャル広告1兆3,067億円とビデオ広告1兆275億円を足す — 電通の説明では前者は媒体による分類、後者は広告種別による分類で、SNS上の動画広告は両方に数えられている

・MAUとDAUを並べて比較する — Xは2022年にmDAU(日次)2億3,780万人を開示し、その後MAU(月次)5.5億人を自己申告している。日次と月次では別のものを測っている

・第三者推定サイトの数値を公式値として扱う — Instagram日本の5,500万〜6,600万人、YouTube世界の27億人はいずれも一次情報で裏が取れない

・調査主体が違う市場規模を並べる — 電通の「ビデオ広告1兆275億円」とサイバーエージェント×デジタルインファクトの「動画広告8,855億円」は定義が違う

・利用率と利用者数を混同する — 総務省の利用率は自己申告のアンケート、各社のMAUは自社集計。母集団も定義も違う

よく並べられるもの何が違うかどう読むべきか
ソーシャル広告 1兆3,067億円/ビデオ広告 1兆275億円媒体による分類と広告種別による分類で、軸が違う。SNS上の動画広告は両方に含まれる足して2兆3,342億円としない。別々の切り口として読む
XのmDAU 2億3,780万人/MAU 5.5億人日次の収益化可能な利用者と、月次の自己申告値同じXの数字でも時系列の連続性が無い。指標名を必ず確認する
Instagram日本 3,300万アカウント(公式)/5,500万〜6,600万人(第三者推定)前者はMeta公式発表、後者は推定サイトの独自算出出典が一次情報かどうかを先に確認する
電通「ビデオ広告」1兆275億円/サイバーエージェント「動画広告」8,855億円調査主体が違い、集計対象・定義が異なる同じ「動画広告」でも別の統計として扱う
総務省の利用率(%)/各社のMAU(人数)前者はアンケートの自己申告、後者は自社集計の実数母集団(13〜79歳1,800人 vs 全登録者)が違うため単純換算しない

📎 なぜこうなるのか

各社が自分に都合のよい指標を選んで出しているから、ではない(それも一部あるが)。そもそも「SNS市場」という共通の定義が存在せず、行政・広告業界・各社がそれぞれ別の切り口で数えているからである。だから1つの表に並べるときは、必ず出典と定義を添える必要がある。

→ 次のSectionでは、この記事が一次情報で確認できず「取得できず」とした項目を全て並べる。

🔍 この記事が答えられなかったこと

このセクションの3点

① 4社のうち売上が一次情報で分かるのはYouTube(Alphabet)だけ。TikTok・X単体・Instagram単体は非公開か非開示

② 世界の利用者数は4つとも古いか非監査。日本の利用者数も最新なのはYouTubeとTikTokの2つだけ

③ この記事で確かに言えるのは、日本の広告費(電通)と日本の利用率・利用時間(総務省)という、行政と業界団体が出している部分だけである

ここまでの表と図には、埋まらなかった空欄がある。取れなかったものを隠さず並べることで、この記事が市場のどこを見えていないかが分かる。

この記事で、確かに言えたこと/言えなかったこと

✓

日本の広告費の規模と10年の推移

電通「日本の広告費」。毎年更新されている

✓

日本の年代別の利用率と利用時間

総務省。平成24年から毎年・14回目

✓

各プラットフォームのアルゴリズムの性格

4社とも公式文書で説明している

△

日本の利用者数

YouTube と TikTok は新しいが、X と Instagram は7〜9年前で止まっている

△

世界の利用者数

4つとも、古いか、単発発表か、監査を経ていない

−

各サービス単体の売上

分けて開示しているのは YouTube だけ

−

1人あたり売上(ARPU)

分子か分母のどちらかが必ず欠けており、4つとも算出できない

−

クリエイターへの分配率

YouTube 以外の3社は非公開

項目なぜ取れなかったか影響
Instagram単体の売上とARPUMetaがFamily of Appsに合算し、2024年4月にアプリ別の利用者数開示も停止したため。分子も分母も無いInstagramの収益規模・1人あたり売上が算出不能
TikTok/ByteDanceの売上非上場で財務開示義務が無い。報道推定はあるが一次情報ではない4社の売上比較からTikTokだけ除外せざるを得ない
X単体の広告売上非上場。SpaceXのS-1でxAI連結の32億ドルは分かったが、X単体は非開示Xの広告事業規模が推定できない
YouTubeの世界MAUの最新値2019年5月の20億人が最後。以降の公式発表を特定できなかった世界規模での4社比較が7年前の数字にとどまる
X・Facebookの日本の利用者数一次情報で確認できず日本市場の全体像から2サービス分の最新値が欠ける
ソーシャル広告費の10年前・5年前の実額区分の公表開始時期が不明ソーシャル広告費だけの長期推移が描けない
年代別のソーシャルメディア利用時間の5年前との比較概要版PDFに年代別の経年グラフが無い年代ごとの時間の奪い合いが5年でどう変わったか分からない
TikTok・Instagram・Xの分配率3社とも非公開クリエイターへの取り分をYouTubeとしか比較できない

取れなかったものを並べると、見えていない場所がはっきりする。売上は4つ中1つ(YouTube)しか分からない。世界の利用者数は4つとも古いか非監査。日本の利用者数は2つ(YouTube・TikTok)しか新しくない。この記事で確かに言えるのは、日本の広告費(電通)と日本の利用率・利用時間(総務省)という、行政と業界団体が出している部分だけである。

📎 それでも言えること

完全な俯瞰はできないが、行政統計(総務省)と業界統計(電通)は毎年更新されており、日本市場については時系列で追える。一方、各プラットフォームの内側(売上・利用者数)は、上場している会社の分しか見えない。

→ 次のSectionでは、この記事の読み方を別のAI(Codex)に検証させた結果を出す。

🤖 Codexクロスレビュー — 私の断定が3つ崩れた

このセクションの3点

① 公開前に、別のAIである Codex(GPT-5.6)へ全文を渡し、統計の読み方に厳しい査読者として検証させた

② 「記事の主張が崩れる」重大な指摘が3件。いずれも私の断定が事実より強かった

③ 10箇所を書き直した。何がどう間違っていたかを、直した内容とあわせて全部下に書いてある

3件

記事の主張が崩れる指摘

5件

数字・表現の修正が要る指摘

10箇所

実際に書き直した数

1件

採用しなかった指摘

市場の記事は、数字が合っていても言い方が事実より強いだけで嘘になる。自分では気づきにくいので、公開前に別の学習データを持つAI(Codex / GPT-5.6)へ全文を渡し、統計と市場データの読み方に厳しい査読者として検証させた。

結果、記事の主張そのものが崩れる指摘が3件出た。3件とも、私が事実より強く言い切っていたところである。

重大 — 主張が崩れた3件

①

「3つ全部を公開しているPFは1つも無い」

★これは誤りだった

指摘: 記事自身の表と矛盾している。YouTubeには広告売上も、世界の月間ログイン利用者20億人も、日本の7,370万人超も載っている。世界値が古いのは「未更新」であって「未公開」ではない。/私の対応: そのとおりなので撤回し、「直近かつ同じ定義で揃えて比較できるプラットフォームが1つも無い」へ直した。
②

「日本で最も使われているのはLINE」

★立証できていなかった

指摘: LINEは国内MAU、YouTubeは18歳以上の視聴者、Instagramはアカウント数、TikTokはまた別の定義である。数えているものが違うのに順位を付けている。/私の対応: 「LINEは国内9,800万人という最新の公式値を出している。ただし各社で数えているものが違うため、最大がどれかはこの材料では決められない」へ直した。
③

「テレビ・新聞から移ってきた」

★因果を言い過ぎていた

指摘: 総広告費は実額で約1兆8,913億円ふえており「増えていない」は事実と合わない。四媒体の98.4%は2025年単年の減少で、10年間の移転量も、ネットの増加分の流入元も示していない。/私の対応: 章題を「増えたのではなく、移ってきた」から「ネットが過半を超えた」へ変え、言えるのは「配分がデジタルへ寄った」までだと明記した。

中 — 数字と表現を直した5件

指摘私の対応
「4つとも推薦型」「フォロワー数を起点にしていない」は過剰。InstagramにはFeedとStories、YouTubeには登録チャンネル、XにはFollowingがあり、Xは候補生成にもIn-Networkを使っている★直した。「4つとも、フォロー外へ配信する推薦の面を持っている」「フォロワー関係を経由しない配信経路を公式に持っている」へ弱めた。プラットフォーム全体を一語で判定するのはやめた
Metaの「人が増えたのではなく、表示回数と単価が上がった」は誤り。Family DAPも+3%で増えている。表示回数+14%と単価+12%の積は約+27.7%★直した。「表示回数+14%×単価+12%でほぼ説明できる(積は約+27.7%)」とし、利用者も+3%増えていることを併記した
「YouTubeとLINEは伸びしろが小さい」は市場予測に近く、観測からは導けない★直した。「この調査での上昇幅が小さかった」という観測の表現に留めた
「4つとも電通の区分の中にいる」は不正確。あの区分は広告枠の集計であって、各社の売上を割り振った統計ではない。Xのテキスト広告や各社のサブスク売上はビデオ広告に入らない★直した。「各社の広告枠の一部が入る。ただしこれは広告枠の集計であって、各社の売上を割り振った統計ではない」へ
一次情報でない数値を主表に入れない判断は妥当だが、市場調査としての完全除外は厳しすぎる。手法・時点・定義を添えれば「第三者推定/参考レンジ」として別に置ける一部だけ採用した。第三者推定は本文の表には入れないまま、「採用しなかった数字」として名指しで列挙する形は維持した。ただし「なぜ採用しなかったか」の説明を厚くした

採用しなかった指摘

⚖️ 収益化条件の記述を削るべきか

Codex はこう指摘した。「収益化条件の詳述は運用記事に読める。依頼範囲を厳格に守るなら申請閾値は削り、分配率と開示の透明性だけを残すべき」。

これは採用しなかった。収益化の条件は、その市場に誰が参加できるかを決める参入障壁であり、市場の構造そのものだと判断したためである。YouTubeが2027年2月に入口を倍にすることは、運用の話ではなく市場の供給側の条件が変わるという話である。

ただし指摘は正しい面もある。読み方によっては運用記事に見える。だから各章の冒頭で「これは市場の構造として並べている」と明記する形に留めた。

📎 Codexが挙げた「この記事で最も価値がある発見」

「ソーシャル広告とビデオ広告を足すと二重計上になり得る、という分類軸の違いを明示した点」

私自身は「開示の非対称」を核だと思って書いたが、査読者が最も価値を認めたのは数字の足し方の話だった。市場規模を語る記事の多くが、ここで間違えているということでもある。

📎 まだ埋まっていない穴(Codexの指摘のうち、直せなかったもの)

「4社を同じ物差しで市場規模を比較する核心は未達である。重複を除いた到達人数、各社の国内広告売上、広告商品別の構成が無いと、市場全体の規模と競争関係は掴めない」

これは直せなかった。各社の国内広告売上は、4社とも開示していない(YouTubeですら日本セグメントは無い)。重複を除いた到達人数も、各社の定義がばらばらな以上、この記事の材料では作れない。穴が空いていることを、穴として残す。

→ 最後のSectionでは、この記事を何も知らない高校生に読ませて、内容と見た目の両方を採点させた結果を出す。

🎒 高校生レビュー — 内容62点、見た目35点

このセクションの3点

① 広告費も決算も知らない高校2年生として読ませ、内容と見た目を別々に採点させた

② 内容62点、見た目35点。見た目は「26,000字を16章。文字の壁です」と言われた

③ 図を1枚足し、6件の指摘のうち3件を直した。直さなかった3件と、その理由も下に書いてある

62点

内容(全体像が掴めたか)

35点

見た目(文字の壁になっていないか)

26,600字

全16章の総量

4枚

構成図の数

市場の記事は、正しくても読まれなければ意味がない。だから書き終えたあと、広告費も決算も市場調査も知らない高校2年生として読ませ、内容と見た目を別々に採点させた。混ぜると「内容が正しいから見た目も許される」という採点になるからである。

2つの採点は、まったく別のことを言った

内容

62点

  • ・「SNS市場が広告費・使う人・見る時間・会社の売上の集まりだとは分かった」
  • ・「でも数字、注意書き、同じ話の言い直しが多く、途中から何が一番大事なのか見失う」
  • ・「『4社を同じ物差しで比べられない』が結論なのに、専門的な枝葉が長すぎる」

見た目

35点

  • ・「文字の壁です。26,000字を16章、表も多く、高校生はたぶん最後まで読まない」
  • ・「各章の3点・大きい数字・表・補足が全部あり、同じ情報を何回も読まされる感じがする」
  • ・「表と文章の重複を減らさないときつい」

「ここで読むのをやめた」6箇所と、私の対応

章やめた理由私の対応
先に用語知らない英語略語が一気に増えて、勉強プリントみたい直さなかった。本文に出てくる語は説明が要る。ただし本文カードは4語だけにしてあり、残りは折りたたみに入れてある
市場の大きさ入れ子の説明を、文章・図・表・注意で4回読まされる一部直した。図1を先に置き、文章を短くした。ただし表は残した(数字を確認する人が要るため)
誰が使っているか表が細かい上に、30代と50代を省いた理由まで長い一部直した。省いた理由は図の注記へ移した
4社の売上ドル・決算・会社のまとまり方が急に難しい★直した。章の冒頭に「分けて開示しているのはYouTubeだけ」という結論を先に置いた
4つとも推薦型だった市場調査というより、SNSで伸びる仕組みの解説に見える★直した。Codexからも同じ指摘があり、断定を弱めて「フォロー外へ配信する面を持つ」に留めた
Codexクロスレビュー記事の内容より、AIが直した話を読まされている感じ直さなかった。★何をどう間違えたかを残すことが、この記事の信頼性そのものだから。ただし指摘は正しい

★図についての指摘

📊

図1(広告費の入れ子)

「かなり必要」

「広告費を足してはいけない理由は、文章より図で分かる」。この記事で最も評価された図。Codexも「足すと二重計上になる分類軸の違いを明示した点が最も価値がある」と別に指摘していた。
🔥

図2(年代別の利用率)

「必要」

「ただし表と同じ数字を繰り返さず、全世代を入れてほしい」。30代・50代を幅の都合で省いたのが不満とのこと。省いた数字は図の注記に書いてある。
🕳️

図3(開示の非対称)

「必要」

「数字がそろわないが一目で分かる。ただし○×の基準と『古い数字は×』をもっと大きく明記してほしい」。凡例は入れてあるが、小さいという指摘である。
🆕

図4(4つを1枚で)

★この指摘を受けて追加した

「4つは同じ市場なのか」の章に、4社の利用年代・時間・売上開示を1枚で比べる図が欲しいと言われた。人・年代・売上の開示・分配率の開示を1枚に並べた図4を新しく作って入れた。

🚫 直していないこと

・全16章・26,600字という総量は変えていない。「高校生はたぶん最後まで読まない」という指摘は残ったままである

・説明が無い言葉として60語以上が挙がった(KPI・JV・IPO・SEC・EDGAR・S-1・10-K・連結・セグメント・母集団・可処分時間 など)。全部に説明を付けると用語章がさらに膨らみ、それこそが離脱の理由になるため、主要な語に絞ってある

・表と本文の重複は残っている。図で掴んで、正確な数字は表で確認する、という構成を優先した

・Codexレビューの章は残した。何をどう間違えたかの記録が、この記事の信頼性そのものだと判断したため

📎 高校生が3行にまとめた「この記事は何を言っていたか」

「SNSは大きな広告市場だが、TikTok・Instagram・YouTube・Xを公平に比べるための数字はそろっていない。

若い人ほどSNSを長く使い、サービスごとに使う年代も違う。

だから市場規模の数字は、何を数えた数字かを確認しないと間違える。」

まとめられている。62点でも、この記事の主張は正確に届いていた。過去の記事では「まとめられない」と言われたことがあり、そのほうが深刻である。

📎 「市場調査として使えるか」への答え

「一部は使えます。ただし、そのまま課題の中心にはしません。日本の広告費、年代別利用率、比較の注意点の出発点には役立ちます。一方で、4社の市場規模を比べる課題には『データ不足で比較できない記事』なので、結論の根拠としては弱いです」

これは正確な評価である。この記事が出せたのは「日本の広告費」と「日本の利用率・利用時間」という、行政と業界団体が毎年出している部分だけである。4社の市場規模を横に並べる部分は、材料が公開されていないので出せていない。そしてそれ自体が、この記事の結論でもある。

→ 以上で終わりである。数字の出典は各章の表と注記に書いてある。左のサイドバーから、必要な章へ直接戻れる。