さとまたwiki

📹 さとまたちゃんのアクションカメラ

ラズパイ × カメラセンサー × SSD × 3Dプリンター外装で作る、散歩撮影用の自作アクションカメラ完全設計書

🎬 Section 1: このプロジェクトのゴール

自作アクションカメラとは

散歩をするとき、リュックのショルダーストラップや胸元に小型カメラを付けて風景を撮りたい。しかし市販のGoProやInsta360は5〜8万円と高価で、なかなか気軽に試せない。そこで ラズパイ系SBC + カメラモジュール + 3Dプリンター外装 で同等機能をコストを抑えて自作するのがこのプロジェクトの核心。

主用途は「日常の散歩の記録」。4K30fps または FHD60fps で選べる構成を目標とし、リュック装着でハンズフリーで撮影できることを優先する。録画データはSSD/SDカードに直接保存し、後で編集してYouTubeや個人アーカイブに活用する。

市販品との比較

項目GoPro Hero 13Insta360 X4自作(Pi 5)自作(Zero 2 W)
価格約7万円約8万円約4万円約2万円
4K30fps×(FHD止まり)
手ブレ補正◎(HyperSmooth)△(ソフト後処理)
カスタマイズ性××◎(無限改造)
学習価値××◎(電子工作・3D設計)
防水IP68IPX8△(要DIY)

自作最大のデメリットは手ブレ補正と防水。メリットはコストとカスタマイズ性、そして作る楽しさ。

🧠 Section 2: 基板(SBC)選び

アクションカメラの心臓部となるSBCを選ぶ。重視するのは カメラI/F(CSI)・省電力・サイズ・ストレージI/F・4K対応可否 の5点。

SBCサイズ消費電力CSIポートNVMe4K30価格目安
Pi Zero 2 W ★推奨65×30mm約1〜2W1(mini)××(FHD60まで)約2,500円
Raspberry Pi 5 ★推奨85×56mm約5〜12W2(MIPI)○(HAT)○(CPU enc.)約12,000円
Pi CM4/CM555×40mm(SOM)約4〜10W2約8,000〜15,000円
Radxa Zero 3W65×30mm約2〜5W1×△(エンコーダ依存)約5,000円
Orange Pi Zero 357×40mm約3〜6W△(要変換)×約3,500円
Jetson Orin Nano69×45mm(SOM)約10〜15W2◎(GPU enc.)約30,000円〜

Pi Zero 2 W 構成(軽量・省電力)

重さ約10g、消費電力1〜2Wで最軽量。FHD60fpsまで対応。GPU H.264ハードウェアエンコード可能。モバイルバッテリーで6時間以上駆動できる。入門・散歩記録に最適。

Raspberry Pi 5 構成(4K余裕)

4K30fpsを目指すならPi 5一択。NVMe HATでSSDを搭載でき書き込み速度も安定。ただし消費電力が大きく、筐体も大きくなる。ヒートシンクとファン必須。

📷 Section 3: カメラセンサー比較

散歩撮影に必要な要件は 広角・HDR・オートフォーカス の3つ。暗い場所でのF値も重要。各センサーを比較する。

センサー / モジュール解像度最大動画視野角F値AFHDR価格目安
Camera Module 3 ★推奨12MP(IMX708)4K30 / FHD6066°f/1.8PDAF約4,000円
Camera Module 3 Wide ★推奨12MP(IMX708)4K30 / FHD60102°f/2.2PDAF約4,500円
HQ Camera(IMX477)12.3MP4K30レンズ依存レンズ依存MF×約10,000円+レンズ
Camera Module 2(IMX219)8MPFHD3062°f/2.0××約4,000円
Arducam IMX51916MP4K3068°f/1.8PDAF約7,000円
Arducam IMX708 Wide12MP4K30120°+f/2.0PDAF約8,000円
Arducam 64MP Hawkeye64MP4K30(処理重)84°f/1.8PDAF約15,000円

散歩撮影の推奨センサー

Camera Module 3 Wide が第一候補。広角102°、HDR、オートフォーカス(PDAF)、4K30fpsをすべて備え、価格も約4,500円と手頃。純正サポートで libcamera との相性も完璧。GoProライクな超広角を求めるなら Arducam IMX708 Wide も選択肢。

💾 Section 4: ストレージ戦略

4K動画は書き込み速度が律速になる。H.265で4K30fpsは約60〜120Mbpsが必要。ストレージ選択を誤ると録画が途切れる。

microSD

  • • Zero 2 W では唯一の選択肢
  • • V30以上(30MB/s書き込み)必須
  • • V60/V90推奨(4K用)
  • • 書き換え寿命に注意(TLC)
  • • 256GB V60 = 約4,000円〜

NVMe SSD(Pi 5推奨)

  • • Pi 5 + NVMe HATで接続
  • • 書き込み1〜3GB/sで余裕
  • • 512GB NVMe = 約5,000円〜
  • • 耐久性・信頼性が高い
  • • 厚さが増す点に注意

USB接続SSD(簡易拡張)

  • • USB3.0接続のポータブルSSD
  • • Pi 5 / Zero 2 W 両方で使用可
  • • ケーブルが必要で外装設計が複雑
  • • 250GB = 約4,000円〜
  • • バス帯域はUSB3.0上限(5Gbps)
録画モードコーデックビットレート目安1時間あたり必要書き込み速度
4K30fpsH.26560〜100Mbps約27〜45GB最低 V60(60MB/s)
4K30fpsH.264100〜200Mbps約45〜90GB最低 V90(90MB/s)
FHD60fpsH.26440〜80Mbps約18〜36GBV30以上
FHD30fpsH.26420〜40Mbps約9〜18GBV30で十分

🔋 Section 5: 電源設計

Pi Zero 2 W 電源

  • 必要電力: 5V / 約2.5A(12.5W)
  • モバイルバッテリー: 10,000mAh / 5V出力で4〜6時間駆動
  • 接続: Micro USB または USB-C(変換アダプタ)
  • 省電力tips: WiFi無効化(録画中は不要)、hdmi_blanking=1(HDMI出力をOFF)、GPU周波数を下げる(gpu_freq=250)

Pi 5 電源

  • 必要電力: 5V / 5A(25W, USB-C PD)
  • モバイルバッテリー: 20,000mAh / PD対応で3〜4時間駆動
  • 接続: USB-C PD(9V/3A = 27W対応のバッテリー必須)
  • 注意: USB-C PDトリガーケーブル(市販)を使えば5V/5A固定出力も可能
  • 省電力tips: cpu_freq_min=600、arm_boost=0

推奨モバイルバッテリー選定基準

Pi 5 は必ず USB PD 対応、最大出力 25W 以上 のバッテリーを選ぶ。出力が不足するとPi 5 が under-voltage warning を出して不安定になる。Anker 737(24,000mAh, 140W)や Anker PowerCore 20000 PD などが定評ある。リュックに入れて散歩する場合、重さも考慮し 200g 前後のコンパクトモデルも検討する。

🎥 Section 6: 録画ソフト & ハードウェアエンコード

libcamera-vid / rpicam-vid

Raspberry Pi公式の推奨録画ツール。Pi Zero 2 W では GPU H.264ハードウェアエンコードが使える。Pi 5 ではSoCからH.264ハードウェアエンコーダが削除されたため、CPUソフトウェアエンコードになる(4K30は重め)。

Pi 5 注意: H.264 ハードウェアエンコードは非対応。H.265は現状ソフトウェアエンコードのみ。

ffmpeg との組み合わせ

libcameraから映像をパイプでffmpegに渡し、コーデック・ビットレート・ファイル分割などを細かく制御できる。タイムラプスや分割録画はffmpegの得意領域。

録画コマンド例

FHD 60fps H.264(Zero 2 W / GPU ハードウェアエンコード)

rpicam-vid -o /mnt/ssd/output.h264 \
  --codec h264 \
  --width 1920 --height 1080 \
  --framerate 60 \
  --bitrate 40000000 \
  --timeout 0

4K 30fps H.264(Pi 5 / CPUソフトウェアエンコード)

rpicam-vid -o /mnt/nvme/output.h264 \
  --codec h264 \
  --width 3840 --height 2160 \
  --framerate 30 \
  --bitrate 80000000 \
  --timeout 0

4K 30fps を ffmpeg に渡してMP4コンテナへ

rpicam-vid --codec yuv420 \
  --width 3840 --height 2160 \
  --framerate 30 \
  --timeout 0 -o - | \
ffmpeg -f rawvideo -pix_fmt yuv420p \
  -s 3840x2160 -r 30 -i - \
  -c:v libx265 -preset fast \
  -crf 28 /mnt/nvme/output.mp4

10分ごとにファイル分割する分割録画

rpicam-vid -o /mnt/nvme/walk_%04d.h264 \
  --codec h264 \
  --width 1920 --height 1080 \
  --framerate 60 \
  --segment 600000 \
  --timeout 0

タイムラプス(1秒ごとにJPEG保存)

rpicam-still -o /mnt/nvme/timelapse_%05d.jpg \
  --timelapse 1000 \
  --width 4056 --height 3040 \
  --timeout 0

タイムラプスをffmpegでMP4に変換

ffmpeg -framerate 30 \
  -i /mnt/nvme/timelapse_%05d.jpg \
  -c:v libx264 -pix_fmt yuv420p \
  /mnt/nvme/timelapse_output.mp4

🌡️ Section 7: 熱対策

4K連続録画は発熱との戦い

Pi 5 で4K録画を連続で行うと、SoC温度が80℃を超えてサーマルスロットリングが発生し、フレームレートが低下・録画が止まることがある。夏の屋外では特に注意。

ハードウェア熱対策

  • • 銅製ヒートシンク(Pi 5純正または社外)をSoCに貼る
  • • 小型5V PWMファン(30×30mm)を筐体内に搭載
  • • ファンはPWM制御:低温時は停止、高温時のみ回転
  • • ヒートパイプで筐体外壁に熱を逃がす(上級)
  • • SSDにもヒートシンクシールを貼る

3Dプリント筐体の通気設計

  • • 底面と側面に2mm × 20mm 程度のスリットを入れる
  • • 吸気口と排気口を対角に配置(煙突効果)
  • • 内部に仕切りを設けて風がSoCを通過するよう誘導
  • • 防塵フィルター(不織布)をスリットに貼る

vcgencmd measure_temp でリアルタイム温度確認。70℃を超えたらスロットリング開始の予兆。FHD60fps に落とすか録画を一時停止して冷却するのが現実的な対処法。

🎒 Section 8: リュック装着の物理設計

方式安定性視点取り回しおすすめ度
ショルダーストラップ固定△(揺れやすい)前方斜め◎(着脱簡単)★★★★☆
胸マウント(チェストハーネス)◎(最も安定)正面△(脱着が手間)★★★★★
リュックトップマウント上方前方★★★☆☆

マウント互換

  • • 筐体底面に 1/4インチ(1/4-20 UNC)三脚ネジ穴 を用意すると汎用性が高い
  • • GoProフィンガージョイント互換マウントを3Dプリントするとアクセサリが豊富に使える
  • • 市販のGoProマウント互換クリップをショルダーストラップに固定する方法が最も手軽

振動吸収

  • • マウント部分にゲルパッド(ダンパー)を挟む
  • • サスペンションマウント(gopro用の市販品)も流用可
  • • 筐体をやや重めに設計すると慣性で揺れが減る
  • • ソフトウェア手ブレ補正と組み合わせると許容レベルになる

🏗️ Section 9: 3Dプリンター外装設計

素材耐熱耐候性強度印刷難度屋外推奨
PLA△(60℃で変形)×(紫外線劣化)★(最も簡単)非推奨
PETG ★推奨○(80℃まで)★★(PLAと大差なし)
ASA ★推奨○(95℃まで)◎(対UV優秀)★★★(収縮注意)
PC(ポリカーボネート)◎(120℃まで)★★★★★(高難度)

寸法の目安

  • • Zero 2 W 構成: 85 × 50 × 35mm 程度
  • • Pi 5 + NVMe HAT 構成: 110 × 75 × 45mm 程度
  • • 壁厚: 2〜3mm(PETG/ASAなら2mmで十分強度あり)
  • • 2ピース(上蓋+本体)かスライド式で開閉

プリント設定

  • • ノズル: 0.4mm
  • • 積層高さ: 0.2mm
  • • インフィル: 30〜40%(ジャイロイドが強度と軽さのバランス良)
  • • サポート: あり(カメラレンズ穴・ケーブル穴)
  • • 外壁: 3〜4 perimeters

CADツール選択

  • Fusion 360: 最もポピュラー。無料(個人・非商用)。パラメトリック設計でサイズ変更が容易
  • OpenSCAD: コードベース。プログラマー向け。再現性が高くバージョン管理もできる
  • Tinkercad: ブラウザベース。初心者向け。複雑な加工は難しいが素早く試作できる
  • • 1/4インチ三脚穴には M6ヒートインサートナット を埋め込む(ハンダごてで圧入)と強度が出る

💧 Section 10: 防水・防塵の現実

完全防水は現実的ではない

FDM 3Dプリントは積層間に微細な隙間があり、完全防水は難しい。ただし 散歩程度の雨よけ(IP43相当: 斜め方向からの水しぶきに耐える) なら現実的に達成できる。台風や水没は想定外。

防水アイデア

  • • 蓋の合わせ目に Oリング(シリコンパッキン) を配置
  • • ケーブル貫通部にコーキング剤(シリコーン)を充填
  • • 外面に防水スプレー(シリコン系)を塗布
  • • USBポート開口部に蓋を付ける

レンズカバー

  • • 3mm厚の光学ガラス板をカメラ前面に固定(画質への影響最小)
  • • 2mm厚アクリル板でも十分(加工が容易)
  • • 市販のM12レンズフィルターカバーを流用する方法もある
  • • ガラス/アクリルの固定には UV接着剤 が便利

⚖️ Section 11: 手ブレ対策

物理的アプローチ

  • 重量バランス: 筐体の重心をマウント点に近づけると揺れが減る
  • ゲルパッド: マウント部にゲルクッション(東レのゲルダンパーなど)を挟む。高周波振動を吸収
  • サスペンションマウント: 市販のGoProスプリングマウントを流用すると効果的
  • 胸マウント: ショルダーよりも体との一体感が高く揺れが少ない

ソフトウェアアプローチ

  • Gyroflow: ジャイロセンサーデータと映像を組み合わせて高精度な手ブレ補正をPC後処理で行う。IMU(MPU-6050など)をSBCに接続して記録する必要あり
  • ffmpeg vidstab: ジャイロなしで映像解析のみで手ブレ補正する。Gyroflowより精度は落ちるが追加センサーが不要
  • libcamera EIS: 一部のSBCでElectronic Image Stabilizationが利用可(クロップが発生)

現実的な目標: GoPro HyperSmooth には勝てないが、Gyroflow + ゲルパッドの組み合わせで「散歩風景の鑑賞に十分なレベル」は達成可能。 GoProのような滑らかさを求めるなら素直に市販品を買う方が賢明。

💰 Section 12: 構成別コスト表

エントリー構成 〜約2万円

  • • Pi Zero 2 W: 約2,500円
  • • Camera Module 3: 約4,000円
  • • microSD 128GB V30: 約2,000円
  • • PLA フィラメント(外装): 約500円分
  • • モバイルバッテリー 10,000mAh: 約3,000円
  • • GoProマウント互換クリップ: 約1,000円
  • • その他(ケーブル・ネジ等): 約1,000円
  • 合計: 約14,000〜20,000円

FHD60fps止まり。入門・お試しに最適。

標準構成 〜約4万円

  • • Raspberry Pi 5 (4GB): 約12,000円
  • • Pi Camera Module 3 Wide: 約4,500円
  • • NVMe HAT + 256GB NVMe: 約7,000円
  • • PETG フィラメント(外装): 約800円分
  • • モバイルバッテリー PD対応 20,000mAh: 約6,000円
  • • ヒートシンク + 小型ファン: 約2,000円
  • • GoProマウント互換: 約1,000円
  • • その他: 約2,000円
  • 合計: 約35,000〜45,000円

4K30fps対応。散歩撮影の主力候補。

ハイエンド構成 〜約7〜8万円

  • • Raspberry Pi 5 (8GB): 約15,000円
  • • Arducam 64MP Hawkeye: 約15,000円
  • • NVMe HAT + 1TB NVMe: 約15,000円
  • • ASA フィラメント(外装): 約1,000円分
  • • モバイルバッテリー PD 100W: 約10,000円
  • • IMU(Gyroflow用): 約2,000円
  • • 精密ヒートシンク・ファン: 約3,000円
  • • その他: 約3,000円
  • 合計: 約64,000〜80,000円

最高画質・Gyroflow対応。市販GoPro並みのコスト。

🛠️ Section 13: 組み立て手順(概要)

  1. 1

    SBCにOSをインストール

    Raspberry Pi Imager で Raspberry Pi OS Lite (64bit) を microSD に書き込む。SSH有効化、WiFi設定もImagerで事前設定しておく。

  2. 2

    カメラモジュールを接続

    CSI フラットケーブルを SBC のカメラコネクタに接続する。Pi Zero 2 W は 22ピン→15ピン変換ケーブルが必要。ケーブルの向きに注意(金属接点の向きを確認)。

  3. 3

    NVMe HATを取り付け(Pi 5 のみ)

    Pi 5 の PCIe コネクタに NVMe HAT を接続。HAT 付属のスペーサーで固定。NVMe SSD を HAT のM.2スロットに装着しネジ止め。

  4. 4

    SBCを起動してカメラ確認

    rpicam-hello でカメラが認識されているか確認。認識されない場合は /boot/firmware/config.txt の camera_auto_detect=1 を確認。

  5. 5

    NVMEをフォーマット・マウント(Pi 5のみ)

    lsblk で NVMe デバイス(nvme0n1 等)を確認。mkfs.ext4 /dev/nvme0n1 でフォーマット。/etc/fstab に追記して起動時自動マウント設定。

  6. 6

    3D外装を設計・プリント

    Fusion 360 / OpenSCAD で寸法を測りながら外装を設計。カメラレンズ穴・通気スリット・マウント穴を配置。PETG または ASA でプリント(0.2mm積層、30%インフィル)。

  7. 7

    ヒートインサートナットの圧入

    1/4インチ三脚穴の位置に M6 ヒートインサートナットを用意。ハンダごて(約200℃)で慎重に圧入する。冷えるまで押さえる。

  8. 8

    SBCを外装に固定

    M2.5ネジ + スペーサーで SBC を外装内部に固定。カメラモジュールはレンズが外装穴に合うよう位置を合わせて固定。フラットケーブルが折れ曲がりすぎないよう注意。

  9. 9

    ファン配線(Pi 5のみ)

    小型ファンを GPIO の 5V ピン(またはファンコネクタ)に接続。PWM制御する場合は /boot/firmware/config.txt にファン設定を追記。

  10. 10

    録画スクリプトの自動起動設定

    録画開始スクリプト(rpicam-vid コマンド)を systemd サービスとして登録。GPIO ボタンやUSBマウスクリックでトグル録画する仕組みを Python スクリプトで実装すると運用が楽になる。

🚶 Section 14: 散歩撮影の実運用Tips

バッテリー・ストレージ管理

  • • 出かける前にモバイルバッテリーを満充電
  • • SSD/SD の空き容量を毎回確認(撮り溜めで溢れやすい)
  • • 長い散歩は 10分ごとのファイル分割録画推奨(破損リスク軽減)
  • • microSD は書き換え寿命があるため 6〜12ヶ月ごとに新品交換を検討

音声録音

  • • Camera Module 3 にはマイクがない(Pi Zero 2 W / Pi 5 ともに)
  • USB マイク(MAONO など小型 USB コンデンサーマイク)を追加する
  • • ffmpeg で映像と音声を同時録音・合成する
  • • 風切り音対策に毛バサミ(ウィンドジャマー)をマイクに被せる

プライバシー・法律

  • • 他人の顔が映り込む場合は公開前にモザイク処理(DaVinci Resolve / After Effects)
  • • 私有地・施設内では撮影禁止の場合あり(確認が必要)
  • • 肖像権・プライバシー権は日本法でも保護されている
  • • 個人の日常記録目的であれば公道での撮影は基本的に問題なし

おすすめ編集ソフト

  • DaVinci Resolve(無料): プロ品質の色調補正・モザイク処理・カット編集
  • Kdenlive(無料・Linux/Win): 軽量で使いやすい
  • ffmpeg: CUIで自動化・バッチ処理に最適
  • Gyroflow: 手ブレ補正の後処理(上記参照)

🧯 Section 15: トラブルシューティング

カメラが認識されない

原因: CSI ケーブルの接触不良、または OS の設定ミス。vcgencmd get_camera でステータスを確認。

対処: ケーブルを抜き差し。/boot/firmware/config.txtcamera_auto_detect=1 が存在するか確認。Pi Zero 2 W は 22to15 ピン変換ケーブルを使っているか確認。

録画途中でフリーズ・停止する

原因: ① ストレージの書き込み速度不足、② 電源の出力不足(under-voltage)、③ 熱によるサーマルスロットリング。

対処: dmesg | grep -i volt で電源エラー確認。vcgencmd measure_temp で温度確認。解像度を下げる or SSD に変更。

映像が暗い / 露出がおかしい

原因: オートエクスポージャーが逆光や暗いシーンで誤動作している。

対処: --ev 0.5 などで露出補正。--awb daylight でホワイトバランスを固定。HDR有効は --hdr オプション(Camera Module 3 対応)。

NVMe が認識されない(Pi 5)

原因: PCIe速度設定または HAT の互換性。

対処: /boot/firmware/config.txtdtparam=pciex1_gen=2 を追加して PCIe Gen2 に固定。lspci で認識確認。

映像に縞模様・ノイズが出る

原因: CSI ケーブルへの電磁ノイズ混入、またはビットレート設定が低すぎる。

対処: CSI ケーブルを金属シールドテープで包む。--bitrate を上げる(4K は 80Mbps 以上)。電源ケーブルと映像ケーブルを離して配線。

起動時に録画が自動開始しない

原因: systemd サービスの設定ミス、または録画スクリプトのパスが違う。

対処: systemctl status record.service でエラー確認。journalctl -u record.service でログを見る。スクリプトのパーミッション (chmod +x) を確認。

SDカードがすぐに壊れる

原因: 4K録画の大量書き込みで TLC NAND の書き換え寿命を消費。安価な SD ほど寿命が短い。

対処: Industrial グレードの SD(Transcend Industrial, SanDisk Max Endurance)に変更。または NVMe SSD に移行(Pi 5)。録画後は早めにデータをバックアップして SD をフォーマット。

音声と映像がズレる

原因: USBマイクと映像の録画開始タイミングのズレ、または ffmpeg の設定ミス。

対処: ffmpeg で映像と音声を同時に1コマンドで録画開始することでズレを最小化。後処理では DaVinci Resolve の自動同期機能が便利。

📺 Section 16: ミニモニター(プレビュー用)

なぜミニモニターが必要か

アクションカメラにはファインダーがない。構図・画角・フォーカスを確認できないまま録画を始めると「ずっと空を撮っていた」「被写体が端に寄っていた」という失敗が起きる。散歩中でも素早く画角を確認できるモニターがあると、撮影の成功率が大幅に上がる。

  • ファインダーなしの盲撮り回避
  • カメラ角度・構図のリアルタイム確認
  • 散歩時に素早くプレビューして取り付け角度を調整

接続方式別の選択肢

1. HDMIミニモニター

3.5〜5インチ、1024×600 などの小型IPSパネル。ラズパイの micro HDMI から直結できるため設定が簡単。ただし消費電力が 2〜3W あり、追加のモバイルバッテリーが必要になるケースが多い。

2. DSIタッチスクリーン

Raspberry Pi 公式 7インチタッチ、Waveshare 5インチDSI などが代表例。DSIポートに直結するため HDMI を塞がない。タッチ操作で録画開始・設定変更なども可能で、GUI操作との親和性が高い。

3. SPI小型LCD

Waveshare や Adafruit PiTFT の 2〜3.5インチパネル。解像度は低い(480×320 程度)が超省電力(0.5W)・低遅延。フレームバッファ(/dev/fb0)経由でカメラプレビューを表示する。Pi Zero 2 W 構成との相性が抜群。

4. スマホ WiFi プレビュー

ラズパイで RTSP ストリームを配信し、スマホの VLC やカメラアプリで受信する方法。モニターを追加購入せずに済み、スマホ画面で大きく確認できる。遅延は 1〜3 秒あるため構図確認用途に割り切る。散歩撮影の常用プレビューとして特におすすめ。

接続方式 比較表

方式サイズ解像度消費電力遅延価格目安おすすめ用途
HDMI 5"5インチ800×480 〜 1024×6002〜3W<100ms4,000〜8,000円現場での画質確認
DSI 5"5〜7インチ800×4801.5W≈0ms6,000〜10,000円GUI操作も兼ねる
SPI LCD 3.5"3.5インチ480×3200.5W2,000〜4,000円軽量・省電力重視
WiFi スマホスマホ画面スマホ依存Pi側数百mW増1〜3秒0円(追加不要)散歩撮影の常用

推奨構成

軽量優先(Pi Zero 2 W 構成)

SPI 2.8〜3.5インチ LCD + ボタン1つで録画開始。消費電力が最小限で、Zero の小型ボディに合う。

画質確認重視(Pi 5 構成)

HDMI 5インチ IPS + 折りたたみマウント。鮮明な画面で構図を確認しながら撮影できる。

散歩常用(GoProアプリ的運用)

WiFi でスマホに RTSP ストリームを飛ばす。モニター追加ゼロ円で手持ちスマホを活用。遅延は割り切る。

実装メモ

libcamera でプレビューを表示するには --preview または --qt-preview フラグを使う。RTSP 配信は以下の構成が一般的:

libcamera-vid -t 0 --inline -o - | \
  ffmpeg -i pipe:0 -c copy -f rtsp rtsp://localhost:8554/cam

# rtsp-simple-server(mediamtx)でサーバーを立てておく
mediamtx &

SPI LCD は fbcp-ili9341 や fbcp を使ってフレームバッファをコピー表示するのが定番。

注意点

  • モニター自体が発熱するため、密閉ケース設計では排熱に注意
  • 日中屋外では照度不足になりやすい(500nit 以上のパネルを推奨)
  • 折りたたみ式マウントに取り付ける場合は振動でコネクタが抜けないようにロック機構を追加する

🧳 Section 17: ケース選び(保護・携行)

ケースの役割

  • 輸送時の衝撃・振動から本体を保護
  • レンズ・センサーへの傷・ほこり対策
  • 予備バッテリー・SD/NVMe メディア・USB-C ケーブルなどを一箇所にまとめる
  • 旅行・遠征時の「まるごと持ち出し」の安心感

2つのケース分類

本体装着ケース(撮影時)

撮影中に本体を覆う外装ケース。3D プリンターで作る PETG シェルがメイン。→ Section 9 でカバー済み。

携行ケース(非撮影時)← 本セクションのテーマ

カバンに入れて持ち運ぶためのケース。一式をまとめて安全に運ぶことが目的。

おすすめケース候補 比較表

種類製品例サイズ目安防水性価格おすすめ度
ハードシェルPelican 1050 / 1120, Nanuk 90320×15×8cmIP674,000〜10,000円★★★★★ 旅行・悪天候
セミハードHAKUBA カメラケース, Lowepro Dashpoint18×12×8cm生活防水2,000〜4,000円★★★★ 日常散歩
ソフトポーチカメラ用インナーケース, EVA素材15×10×6cmなし500〜2,000円★★★ 軽量優先
ツールボックスダイソー工具ケース+スポンジ加工任意500円★★ コスパ最強
自作3DプリントPETG ハードケース(自作)自由材料費200〜500円★★★★ カスタム派

選定ポイント

  • 本体 + 予備バッテリー2個 + 予備SD/NVMe + USB-Cケーブル + マウントパーツ の一式が収まるサイズか
  • 内側のクッション材(EVA または ウレタンスポンジ)が付属しているか、または追加できるか
  • カラビナ・ベルトループで外付け可能か(散歩時にリュックへ吊るす用途)
  • 防塵・防湿対策(シリカゲルを同梱する習慣を付けるとなお良い)

保管時の Tips

  • 長期保管時はバッテリーを外す(リチウムイオン膨張防止)
  • レンズキャップ または レンズクロスでレンズ面をカバー
  • SD カードは本体から抜いて別保管(書き換え寿命・紛失対策)

自作 3D プリントケースのメリット

本体形状に完全フィットするため、ガタつきなく固定できる。さらに以下のカスタマイズが自由にできる:

  • ロゴや名前の刻印(フィラメント色 or 塗装)
  • レンズ穴・ボタン穴の位置を本体に合わせて最適化
  • PETG・ASA など耐衝撃・耐熱素材を選択
  • 蝶番・マグネットクロージャーを組み込んだ開閉機構

🏆 Section 18: おすすめミニモニター実機ガイド

sec16 ではインターフェース方式(HDMI/DSI/SPI/WiFi)の概論を扱ったが、ここでは実際に購入できる具体的な製品をサイズ別・用途別に紹介する。日本から入手しやすい製品を優先して選定している。

🔹 1〜3インチ級(超軽量・ウェアラブル向け)

製品名サイズ/解像度I/F価格購入先特徴
Waveshare 1.3" SPI LCD (ST7789)1.3" 240×240SPI800〜1,500円AliExpress / Amazon最小・超省電力。文字UIステータス表示向き。動画プレビューはキツい
Waveshare 1.9" SPI LCD1.9" 170×320SPI1,500〜2,500円スイッチサイエンス / AliExpress細長い形状。ステータス+録画インジケータに最適
Waveshare 2" SPI LCD (ST7789V)2.0" 240×320SPI1,500〜2,500円Amazon / 秋月バランス良い。動画15〜20fpsのプレビュー可能
Adafruit PiTFT 2.2" HAT2.2" 320×240SPI4,500円前後スイッチサイエンス / adafruit.comPi直挿し。公式ドライバ充実で安定動作
Pimoroni HyperPixel 2.1" Round2.1"円形 480×480DSI7,000〜9,000円Pimoroni / スイッチサイエンス円形IPS。デザイン性◎、DSI接続で低遅延
Waveshare 2.8" Touch LCD (HAT)2.8" 320×240SPI3,000〜4,500円Amazon / AliExpressタッチ対応。散歩常用の現実解
推奨: 散歩で録画状態だけ分かれば良いなら Waveshare 1.9" or 2"(2,000円以下)。プレビューしたいなら HyperPixel 2.1" Round(円形で映える) または Waveshare 2.8" Touch

🔹 3.5〜5インチ級(プレビュー実用域)

製品名サイズ/解像度I/F価格特徴
Waveshare 3.5" RPi LCD (B/C)3.5" 480×320SPI3,000〜5,000円定番。Pi直挿しで物理的に固定できる
Waveshare 3.5" DPI 60fps3.5" 800×480DPI/GPIO5,000〜7,000円SPIより高速。60fps近く出る
Elecrow 5" HDMI タッチ5" 800×480HDMI+USB5,000〜8,000円HDMI接続で低遅延。汎用性高い
Waveshare 5" DSI Touch (B)5" 800×480DSI7,000〜10,000円DSI直結でバッテリー効率良い
SunFounder 5" HDMI IPS5" 800×480HDMI6,000〜9,000円IPSパネル、視野角良好
推奨: 屋外で見やすさ重視なら IPS + 500nit以上 を選ぶ(製品説明に明記されたもの)。Pi 5 なら HDMI/DSI どちらも可。Pi Zero 2 W は DSI か SPI 推奨。

🔹 7インチ以上(据え置き/屋内確認用)

散歩撮影には大きすぎるが、開発時のGUI操作や帰宅後の確認用として参考まで。

  • Raspberry Pi 公式 7インチ タッチスクリーン(DSI, 10,000円前後)
  • Waveshare 7" HDMI IPS(H)(800×480, 8,000円前後)
  • リュック外付けではなく、帰宅後の確認や開発時のGUI操作用として使うのが現実的

🔹 WiFiプレビュー(スマホ利用・モニター不要)

物理モニターなしの選択肢として、スマホをモニター代わりに使う方法がある。

  • libcamera-vid + rtsp-simple-server: ラズパイ側でRTSP配信、スマホVLCで受信
  • Pi 5 + Pi Camera Module 3: PiKVM的アプローチでWeb UI経由確認も可能
  • MotionEye / motion: Web UIでブラウザから確認
  • 遅延: 1〜3秒あるのでフレーミングには使えるがフォーカス追従には不向き
  • 利点: 追加機材ゼロ、スマホの大画面で確認、録画中の熱源が本体に集中しない

🔹 用途別おすすめまとめ

💰

コスパ最優先

Waveshare 2" SPI LCD(1,500円)+ WiFiプレビュー併用。合計実質0〜2,000円で構成できる。

📷

画質・プレビュー重視

Elecrow 5" HDMI IPS(6,000円前後)+ 折りたたみマウント。Pi 5 構成と相性◎。

デザイン・ウェアラブル

Pimoroni HyperPixel 2.1" Round(8,000円前後)。円形IPSでアクションカム感が出る。

🔹 購入・選定時のチェックリスト

  • パネル種別: IPS推奨。TNやVAは視野角に注意
  • 輝度: 屋外撮影なら最低300nit、できれば500nit以上
  • タッチパネルの有無: UI操作するなら必須
  • 消費電力: 5V/1A = 5Wを目安にバッテリー容量を計算して選定
  • 接続I/F: SPIは簡単だが遅い。DSIは高速だが対応機種注意。HDMIは汎用だが電力多め
  • ドライバ対応: Waveshare公式はRaspberry Pi OS対応が手厚い。中華激安品は自分でパッチが必要な場合あり
  • ベゼル幅: 3Dプリント外装に組み込む場合、薄いベゼルだとカスタム配置しやすい

🔹 日本で買いやすい販売店

  • スイッチサイエンス (switch-science.com): Pimoroni / Adafruit / Waveshare 正規取扱
  • 秋月電子通商 (akizukidenshi.com): 小型LCD、OLED多数
  • Amazon.co.jp: Waveshare 中華ブランド多数、翌日着
  • AliExpress: 最安値だが送料込みで到着まで1〜3週間
  • Adafruit (adafruit.com): 公式直送、品質安定

🧰 Section 19: はんだ付けなしで組むガイド

このページははんだ付け完全不要でアクションカメラを組める構成を提示します。部品選定時は「プリヘッダー版」「HAT型」「FFC接続」「Groveコネクタ」を選ぶのが鉄則です。

🔹 はんだ付けが必要になる典型パターン

以下の作業ではんだが必要になります。これらを全て回避するのが本セクションの目的です。

  • GPIOピンが未実装の Pi Zero(無印) / Pi Zero 2 W(無印)にピンヘッダーを付ける
  • SPI LCD単体基板にピンヘッダーを付ける
  • 配線延長でジャンパーワイヤーでは届かない場合
  • センサーモジュールのピン実装
  • バッテリー端子の加工
  • 基板間を裸線でつなぐ改造作業全般

🔹 無はんだ原則

原則具体例
プリヘッダー付きモデルを買うPi Zero 2 WH(H付き = Header付き)、Pi 4/5 は標準でヘッダーはんだ済み
HAT型ディスプレイを選ぶPi 40ピンGPIOに直挿し。ネジ4本で固定。Waveshare 3.5" RPi LCD (B) 等
FFC/DSI/HDMI接続の部品を選ぶCamera Module 3、DSI公式7インチ、HDMI外部モニター — すべてケーブルだけ
コネクタ式のセンサーを選ぶGrove コネクタ、Qwiic/STEMMA QT、JST-SH

🔹 部品カテゴリ別「無はんだ選定」ガイド

カテゴリ無はんだの選び方具体例
基板(SBC)Pi 4/5 は標準はんだ済み。Pi Zero は WH(H付き)を選ぶPi Zero 2 WH(ピンヘッダー付き版)
カメラセンサーFFCケーブル接続Camera Module 3、HQ Camera、Arducam IMX519(FFC版)
ストレージmicroSDはそのまま挿入、NVMeは ネジ留め型HATPimoroni NVMe Base、Pineberry HatDrive!(ネジだけ)
ディスプレイHAT型 / DSI接続 / HDMI接続Waveshare 3.5" HAT、公式DSI 7"、Elecrow 5" HDMI
電源USB-C ケーブルでモバイルバッテリー直結Anker PD対応モバイルバッテリー + USB-Cケーブル
ファン(冷却)GPIO 4ピン or USB給電の完成品ファンPi 5 公式アクティブクーラー(ネジ留め)、Argon製ケース内蔵ファン
センサー追加(任意)Groveコネクタシールド、Qwiic/STEMMA QTGrove Base HAT、Adafruit STEMMA QTブレイクアウト
配線ジャンパーワイヤー(オス-メス、メス-メス)+ GPIO延長リボン40ピンGPIO延長ケーブル、ジャンパーワイヤーセット

🔹 無はんだ完全BOM: 軽量構成(Pi Zero 2 WH ベース)

部品品名価格備考
SBCRaspberry Pi Zero 2 WH2,500円H付き = ヘッダーはんだ済み
カメラCamera Module 3 Wide5,500円FFC接続、はんだ不要
FFCケーブルPi Zero用 22pin→15pin 変換FFC500円Pi Zero専用サイズ
ストレージSanDisk 128GB V30 microSD2,500円挿すだけ
電源Anker PD 20000mAh + USB-C→microUSBケーブル4,500円ケーブル直結
ディスプレイWaveshare 2.8" Touch LCD (HAT)3,500円HAT直挿し
外装3Dプリント PETG(自作)500円ネジM2.5×4本
マウントGoPro互換クリップ(1/4ネジ穴付き)1,000円リュック固定
合計約20,500円すべてはんだ不要

🔹 無はんだ完全BOM: 標準構成(Pi 5 ベース)

部品品名価格備考
SBCRaspberry Pi 5 8GB15,000円GPIO標準はんだ済み
カメラCamera Module 3 Wide5,500円FFC接続
FFCケーブルPi 5用 22pin FFC(長さ200mm)500円Pi 5付属品でも可
ストレージPimoroni NVMe Base + WD SN770 512GB12,000円ネジ留めのみ
電源Anker 737 24000mAh PD10,000円USB-C直結、5V/5A対応
ディスプレイElecrow 5" HDMI IPSタッチ6,500円HDMI+USBケーブル接続
冷却Pi 5 公式アクティブクーラー1,200円ネジ4本
外装3Dプリント PETG(自作)700円M2.5 ネジ類
マウントGoProフィンガーマウント互換1,500円1/4ネジ
合計約52,900円すべてはんだ不要

🔹 組み立て手順(無はんだ前提、10ステップ)

  1. Pi Zero 2 WH または Pi 5 を用意(プリヘッダー版を確認)
  2. microSDカードに Raspberry Pi OS Lite をインストール(Raspberry Pi Imager)
  3. Camera Module 3 の FFCケーブルを Pi の CAMERAポートに挿す(ロック解除→差し込み→ロック)
  4. Waveshare LCD HAT を Pi の 40ピンGPIOに直挿し(向きと位置を合わせて押し込むだけ)
  5. NVMeを使う場合は NVMe HATをネジ4本で固定、M.2 SSDを差してネジ1本で固定
  6. USB-Cケーブルでモバイルバッテリーと接続、電源ONを確認
  7. libcamera-hello でカメラ動作確認
  8. ディスプレイに libcamera-vid のプレビューを表示する設定を /boot/firmware/config.txt に追記
  9. 録画ボタン用GPIO(デフォルト GPIO 17)にプッシュボタン配線(GND-GPIO間、ブレッドボード + ジャンパーワイヤーで可)
  10. 3Dプリント外装に全部品を収納、ネジ留めで完成

🔹 ジャンパーワイヤー・リボンケーブル活用術

  • オス-メス: 基板のピンヘッダー ⇔ ブレッドボード間
  • メス-メス: 基板のピンヘッダー ⇔ 別基板のピンヘッダー間(最もはんだ回避に使える)
  • 40ピンGPIO延長リボン: HATが物理的に干渉する場合、Piから遠ざけて接続可能
  • ジャンパーワイヤーケースは定番: Dupontコネクタ付き、20cm/30cm/40cmのセット品が数百円
  • ブレッドボード: プッシュボタンやLED追加は全てブレッドボード上で完結

🔹 それでもはんだが必要になったら(代替手段)

  • ファブラボ・電子工作スペース利用: DMM.make AKIBA(秋葉原)、ファブラボ各地、東急ハンズの一部店舗
  • Fusion PCB / JLCPCB のアセンブリサービス: 基板+部品実装を発注(小ロットから可)
  • 電子工作代行サービス: ココナラ、クラウドワークスで個人依頼
  • 友人・知人に依頼: 近くに電子工作できる人がいれば
  • 完成品を選ぶ: Waveshare Pi Zero 2 WH(H付き)のようにプリはんだ版を選ぶのが最も楽

🔹 購入時の決定的チェックポイント

購入前に必ず確認:

  • Pi Zero は "WH"(H付き=Header付き)を買う。無印 "W" は GPIOピンがなくはんだ必要。
  • SPI LCDは 「HAT」「シールド」と書かれているものを選ぶ。単体基板は避ける。
  • センサーは 「Grove」「Qwiic」「STEMMA QT」対応品を選ぶ(コネクタ式)。
  • 配線は 「ジャンパーワイヤー Dupontコネクタ付き」を買う(裸線ではない)。