ETF Analysis
200A NEXT FUNDS 日経半導体株指数連動型上場投信
構成銘柄 2026年7月31日 現在 / 価格・信託報酬は nextfunds.jp 公式、銘柄の指標は Yahoo Finance 実測
30社
構成銘柄数
8.11社
実質的な分散銘柄数
70.53%
上位6社の比率
43.15倍
加重平均PER
結論 — 3つの問いに答える
Q. 分散は効いているか
✅ 30銘柄しかないのに、実質8.11社。3本の中では最も効いている
保有は30社だけ。それでもハーフィンダール指数は1,232.4で、実質分散銘柄数は8.11社。商社ETF(126社・実質7.52社)や自動車ETF(50社・実質4.07社)より効いている。理由は、比率0.1%未満の銘柄が1社も無いこと。126社のうち71社が0.1%未満だった商社ETFと違い、この30社は全部が意味のある比率を持っている。銘柄数の多さと分散は別物だという例になっている。ただし最大のキオクシアが26.59%、上位3社で53.20%なので、絶対水準としては集中している部類。
Q. 半導体として投資するのは適正か
⚠️ 適正。ただし「装置と材料」だけを買っているつもりなら違う
東証33業種では7業種に散らばっている(電気機器73.86%、化学8.84%、機械7.68%、非鉄金属3.74%、精密機器3.65%、金属製品1.25%、卸売業0.89%)。商社ETFや自動車ETFが1〜2業種に収まるのと対照的だが、これは欠陥ではない。日経半導体株指数は業種分類ではなく「半導体に関わっているか」で選ぶテーマ型なので、業種がばらけるのが正しい姿。中身を役割で分けると、製造装置43.72%・デバイス38.18%・材料17.12%・商社0.89%。ここに注意点がある。当ラボが日本の半導体を唯一の「晴れ」と判定した理由は「日本は装置と材料に位置しており、どの国のどのメーカーが勝っても収益が入るから」だった。その位置に当たるのは装置43.72%+材料17.12%=60.84%で、残り約4割は競争に晒されるデバイス側。しかも最大構成のキオクシア(26.59%)はNANDメモリのメーカーで、半導体の中で最も価格変動が激しく、最も汎用品化している分野にいる。
Q. PERや業界の将来から見て、今買って問題ないか
❌ 明確に割高。事業環境が良いことと、今の株価が安いことは別
構成銘柄の加重平均PERは43.15倍、PBRは10.37倍、配当利回りは1.05%。あなたが同時に持っている自動車ETF(1622)はPER12.59倍・PBR1.02倍・配当3.32%なので、同じ日本株でPBRが10倍違う。アドバンテストはPER66.2倍・PBR23.8倍、ディスコはPER50.5倍・PBR11.7倍。これは「事業がうまくいっている」だけでなく「これからもうまくいき続ける」ことが既に価格に入っている状態を意味する。当ラボの10年後判定は「晴れ」のままで、AIの計算需要が増え続けるという読みは変えない。ただし判定しているのは事業環境であって株価ではない。あなた自身が「PERを見てAIバブルははじけると思う」と言っているのと、この43倍・PBR10倍は同じものを指している。平均取得2,702円に対して現在4,364円(+61.5%)という含み益は、その割高さの上に乗っている。
① 分散はどこまで効いているか
比率の上から順に足していくと、どこで頭打ちになるか。ここが「分散しているつもり」を壊す数字。
| 上位何社まで | 累計比率 | 意味 |
|---|---|---|
| 1社(キオクシア) | 26.59% | 1社で4分の1超。NANDメモリ専業の1社が指数の最大構成 |
| 3社 | 53.2% | キオクシア・東京エレクトロン・アドバンテストで過半数 |
| 6社 | 70.53% | ここまでで7割。うち4社が製造装置メーカー |
| 10社 | 83.36% | 上位10社で8割強。残り20社で17% |
| 下位0社(0.1%未満) | 合計0% | 0.1%未満の銘柄はゼロ。30社すべてが意味のある比率を持っている |
ハーフィンダール指数 = 1232.4 → 実質 8.11 社
各銘柄の比率を2乗して合計した値(HHI)で集中度を測る。均等に30社へ分散していればHHIは333程度になるが、実際は1232.4。 10,000をHHIで割ると「実質的に何社に分散しているか」が出て、答えは8.11社。 銘柄数126という表示は、分散の実態を表していない。
② 中身は本当に「半導体」なのか
構成30社をJPXの全上場銘柄データ(data_j.xls)と突き合わせ、東証33業種で分類し直した結果。
東証33業種での内訳
7業種に散らばっている。これは欠陥ではなく、業種ではなく「半導体に関わっているか」で選ぶテーマ型指数だから。
企業規模での内訳(TOPIX規模区分)
Mid400が46.0%。商社ETFや自動車ETFと違い、超大型だけで決まる構成ではない。
製造装置メーカー10社 = 43.72%
東京エレクトロン・アドバンテスト・ディスコ・レーザーテック・SCREEN・KOKUSAI・東京精密・ローツェ・アルバック・TOWAの10社で43.72%。次いでデバイス(半導体そのものを作る側)が38.18%、材料・部材が17.12%。
なぜメガネ・ゲーム・農薬の会社が入っているのか
業種ではなく事業内容で選ぶ指数なので、東証33業種では電気機器・化学・機械・非鉄金属・精密機器・金属製品・卸売業の7つに散らばる。「半導体株を業種で探す」と絶対に見つからない会社が多数入っている。
旧・東芝メモリ。NANDフラッシュメモリの専業で、指数の最大構成銘柄。PER47.6倍・PBR10.9倍。メモリは半導体の中で最も市況の振れが大きく、好況と不況で利益が数千億円単位で反転する。装置・材料メーカーとはまったく違うリスクを持つ銘柄が、このETFの4分の1を占めている。
ゲーム・音楽・映画の会社という印象が強いが、スマホ用イメージセンサーで世界シェア首位。半導体指数に入る理由はそこにある。PER20.2倍とこのETFの中では最も安い部類で、事業の大半が半導体以外なので値動きの理由も他社と違う。
2026年上場。半導体用スパッタリングターゲット(配線材料)と圧延銅箔で世界シェア上位。33業種では「非鉄金属」なので、業種で半導体を探すと絶対に出てこない。
農薬と医薬の会社に見えるが、半導体の反射防止コーティング材で世界シェア上位。化学株として持っている人も多く、半導体の側面は見落とされやすい。
メガネレンズと内視鏡の会社だが、EUV露光に使うマスクブランクスで世界シェアの大半を握る。ここが止まると世界中の最先端半導体が作れなくなる、という位置にいる。
プリント基板のソルダーレジスト(絶縁インキ)で世界シェア5割超。地味だが代替が効かない部材で、半導体そのものではなく基板側から需要を受ける。
③ 割高か割安か、そして将来
43.15倍
加重平均PER
10.37倍
加重平均PBR
1.05%
構成銘柄の加重配当利回り
指標を取得できた構成比96.81%ぶんで計算(比率の小さい銘柄は未取得)。
業界の将来(10年後の視点)
AIの計算需要は10年単位で増え続け、その全部が半導体の物理的な数量に変換される。日本の装置・材料メーカーは、どの国のどのメーカーが勝っても収益が入る位置にいるため、日本の産業の中では構造的に最も有利。この読みは変えない。ただしこのETFで実際に買っているものは、その位置にいる企業が61%、競争に晒されるデバイス企業が38%という配合になっている。最大のリスクは技術ではなく地政学で、台湾有事や対中輸出規制の強化が起きたときに、装置メーカーは「作れるのに売れない」状態になる。中国向け売上が2〜4割ある企業が複数あるため、規制の対象範囲が広がれば業績に直接効く。もうひとつはメモリ市況で、キオクシアが26.6%を占める以上、AI需要とは別のメモリ独自のサイクルがこのETFの4分の1を動かす。
🔍 未確定として残しているもの
構成銘柄の加重平均配当利回り1.05%はカバー率73.32%で計算したもの(無配・データ欠損の銘柄が比率で27%ある)。ETF自体の分配金利回りは公式で0.59%。成長株中心なので配当を目的に持つ商品ではないが、この差の内訳は運用報告書を見ないと確定できない。
この判断が壊れる条件
- AIのデータセンター投資が減速する → 装置43.7%が同時に効く。受注残の取り消しは決算の3〜6ヶ月前に兆候が出る
- 台湾有事、または対中輸出規制がさらに広がる → 技術ではなく政治で売り先を失う。当ラボが見ている最大のリスク
- メモリ市況が反転する → キオクシア26.6%が単独でETF全体を押し下げる。AI需要が続いていても起きうる
- PER43倍・PBR10倍という評価そのものが平時の水準に戻る → 利益が減らなくても株価は下がる。本人が「AIバブル」と呼んでいるのはこの経路
構成銘柄 全30社
| # | 銘柄 | 比率 | 規模区分 | PER |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 285A キオクシアホールディングス | 26.59% | TOPIX Mid400 | 47.6 |
| 2 | 8035 東京エレクトロン | 14.27% | TOPIX Core30 | 45.5 |
| 3 | 6857 アドバンテスト | 12.34% | TOPIX Core30 | 66.2 |
| 4 | 6723 ルネサスエレクトロニクス | 6.82% | TOPIX Large70 | 20.5 |
| 5 | 6146 ディスコ | 6.72% | TOPIX Large70 | 50.5 |
| 6 | 6920 レーザーテック | 3.79% | TOPIX Large70 | 45.9 |
| 7 | 5016 JX金属 | 3.74% | TOPIX Mid400 | 34.1 |
| 8 | 4063 信越化学工業 | 3.65% | TOPIX Core30 | 24.9 |
| 9 | 7741 HOYA | 2.88% | TOPIX Core30 | 35.3 |
| 10 | 6758 ソニーグループ | 2.56% | TOPIX Core30 | 20.2 |
| 11 | 7735 SCREENホールディングス | 2.55% | TOPIX Mid400 | 27.1 |
| 12 | 6525 KOKUSAI ELECTRIC | 1.87% | TOPIX Mid400 | 62.1 |
| 13 | 6963 ローム | 1.85% | TOPIX Mid400 | — |
| 14 | 3436 SUMCO | 1.25% | TOPIX Mid400 | — |
| 15 | 4186 東京応化工業 | 1.2% | TOPIX Mid400 | 27.0 |
| 16 | 4021 日産化学 | 1.09% | TOPIX Mid400 | 21.3 |
| 17 | 7729 東京精密 | 0.77% | TOPIX Mid400 | 29.9 |
| 18 | 6323 ローツェ | 0.75% | TOPIX Mid400 | 36.9 |
| 19 | 4203 住友ベークライト | 0.65% | TOPIX Mid400 | 23.8 |
| 20 | 3132 マクニカホールディングス | 0.63% | TOPIX Mid400 | 23.1 |
⚠️ 投資助言ではありません
構成銘柄は2026年7月31日時点の公表データ、指標はYahoo Financeの実測値をもとにした個人の分析です。 ETFの構成は入れ替わり、指標は日々変わります。売買は自己判断で行ってください。