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Toushi Lab / Column

セール中の金融商品

東証と米国上場で、日本の証券会社(SBI・楽天など)から買えるもののうち、過去10年の月次終値の最高値からいま何%下にいるかを実測しました。暴落しているだけで、復活するとは限りません。

2026-09-02 時点 / Yahoo Finance の10年分の月次終値と実際の分配金支払い履歴(自前集計)。NAV倍率は japan-reit.com 2026-09-02。

結論

下がっているものには共通点がある。全部「金利が上がると弱いもの」である。

長期の債券とREITだけが沈み、株と金は高値圏にある。日本10年国債の利回りは2.987%、日銀の政策金利は1%まで上がった。 金利が上がると、既発の債券は相対的に見劣りし、借入で不動産を買うREITは利払いが重くなる。

いま並んでいるセール品は、バラバラに安いのではなく、同じ1つの原因(金利上昇)でまとめて安い。だから戻るときも同時に戻るし、さらに金利が上がればまとめて沈む。分散になっていない。

もう1つの結論

「安い」には2種類ある。最高値からの下落率だけでは区別できない。

同じくらい価格が下がっていても、分配金を含めた総リターン(5年)で見ると、増えていたものと減ったものに分かれます。

銘柄最高値から実測利回り分配金込みの総5年
MORT-61.5%+15.3%-6.9%
TLT-52.1%+4.8%-32.3%
KBWY-53.0%+8.3%+15.6%
QYLD-27.6%+11.7%+51.7%

同じくらい下げていても、分配金を含めれば増えていたもの(KBWY・QYLD)と、含めても減ったもの(MORT・TLT)に分かれます。だから下の表でも「最高値から」と「総5年」を必ず並べて見てください。

価格が下がっても、分配金まで減っているかは別

区分ごとに、実測した分配金(1口・1株あたり)の5年変化をまとめました。同じくらい価格が沈んでいても、分配金が増えている区分と減っている区分に分かれます。

区分分配金の変化意味
債券ETF(2621 / TLT / 1487)+77.8% / +80.2% / +57.1%金利が上がって新しい債券のクーポンが高い。価格は下がったが受け取る額は増えている。
JREIT ETF(1476 / 1343)+34.3% / +31.8%価格−20%なのに分配は+30%超。だから利回りが上がった。
JREIT個別(3455 / 3492 / 3290)-0.7% / -12.1% / -4.4%価格は−40〜−53%下げたのに分配はほぼ横ばい。これが利回り7%の正体。
カバードコール(SDIV / RYLD / QYLD)-24.5% / -33.6% / -18.9%分配金そのものが減っている。元本が痩せれば分配も痩せる。
TLTW(3年)-53.6%3年で半減。

分配金が増えている区分(債券ETF・JREIT ETF)は、取得価格に対する利回りが年々上がっていく形になります。

分配金が減っている区分(カバードコール・TLTW)は、取得価格に対する利回りが下がっていく形になります。ただしこれは設計どおりです。カバードコールは上値を売って毎月の現金に変える商品で、元本の成長ではなく毎月の受け取り額を最大化するための仕組みです。実際QYLDは分配金が5年で−18.9%減っていても、総5年 +51.7%・総10年 +149.2% とリターンは出ています。

どちらが良いという話ではありません。「取得価格に対する利回りを育てたいのか」「いま毎月受け取る額を最大にしたいのか」で、見るべき数字が変わるというだけです。

🇯🇵東証で買えるもの

🇺🇸米国債(為替ヘッジあり)

この一覧でいちばん深く沈んでいる区分。金利が上がると債券の価格は下がり、年限が長いほど大きく下がる。そこへ円ヘッジのコストが重なった。

なぜ復活するかもしれないか

金利が下がれば価格は戻る。ただし「いつ下がるか」は誰にも分からない。持っている間、円ヘッジのコストは日米の短期金利差ぶん(いま2ポイント超)を払い続ける。

コード名前価格分配金利回り最高値から高値の時期価格1年価格5年総5年分配金の推移
2621iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり)¥998+4.8%-59.8%2020-10-10.9%-55.1%-47.1%増えている
1487上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジあり)¥11,705+4.8%-41.5%2016-09-7.9%-35.9%-25.6%増えている
2648NEXT FUNDS ブルームバーグ米国国債(7-10年)(為替ヘッジあり)¥3,350+4.2%-33.7%2021-11-6.0%-33.6%-25.2%判定不能

2621 iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり)

20年超という最も長い年限。金利が下がったときの戻りも最も大きいが、上がればさらに沈む。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:金利が上がると債券の価格は下がる。年限が20年超と長いので、下げ幅も最大になった。加えて円ヘッジのコストが日米の短期金利差ぶん(いま2ポイント超)かかり続けている。

これから効くもの:効くのは米国の長期金利と、日米の短期金利差の2つだけである。金利が下がれば価格は戻るが、そのとき分配金は減っていく。逆に金利が高いまま続けば価格は戻らないが、分配金はさらに増える。どちらに転んでも片方は得をする形になっている。ただし「いつ下がるか」を決められる材料はこの記事に無い。

1487 上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジあり)

2016年9月の高値から4割超。この一覧で2番目に深い。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:2621と同じ理由。年限がやや短いぶん下げも浅い。

これから効くもの:2621と同じドライバーで動く。年限が短いぶん、金利が動いたときの振れも小さい。

2648 NEXT FUNDS ブルームバーグ米国国債(7-10年)(為替ヘッジあり)

年限が7-10年と中くらいなので、2621より沈みが浅い。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:年限が7-10年と中くらい。金利上昇の影響は受けたが、20年超ほどではない。

これから効くもの:金利が動いたときの振れが3本で最も小さい。戻りも小さいが沈みも小さい。

🏢JREITのETF

東証REIT指数に連動する8本は、そろって2019年9月の高値から2割前後下がっている。1本ずつの差はほとんど無い。

なぜ復活するかもしれないか

JREITは借入で不動産を買うので、金利が上がると利払いが増える。同時に「国債のほうが利回りが良い」と比較されて売られる。逆に金利が下がれば、この2つが同時に反転する。

コード名前価格分配金利回り最高値から高値の時期価格1年価格5年総5年分配金の推移
1476iシェアーズ・コア Jリート ETF¥1,842+4.9%-20.3%2019-09-7.7%-14.1%+5.6%増えている
1343NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信¥1,925+4.8%-20.0%2019-09-7.4%-13.7%+6.0%増えている
1660MAXIS 高利回りJリート上場投信¥10,485+4.7%-15.8%2021-05-7.1%-10.3%+10.7%増えている

1476 iシェアーズ・コア Jリート ETF

8本で実測利回りが最も高い。下落幅も2番目に大きい。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:JREITは借入で不動産を買うので、金利が上がると利払いが増える。同時に「国債のほうが利回りが良い」と比較されて売られる。日本10年国債は1年前の1%前後から2.987%まで上がった。

これから効くもの:効くのは日本の長期金利である。この記事の姉妹編で163か月を実測したところ、1か月では相関−0.068でほぼ無関係だが、3年では−0.490とはっきり逆に動く。つまり効くとしても半年から3年のスパンで効く。

1343 NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信

1日の売買代金が17.23億円と8本で最も厚い。金額を入れるならこれ。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:1476と同じ。東証REIT指数に連動する8本はそろって2019年9月の高値から2割前後下げている。

これから効くもの:1476と同じ。売買代金が17.23億円と8本で最も厚いので、金額を大きくしても出入りしやすい。

1660 MAXIS 高利回りJリート上場投信

指数が違う(野村高利回りJリート)。8本で下落が最も浅く、総5年も最も良い。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:指数が違う(野村高利回りJリート)。利回りの高い銘柄に寄せているぶん、下げは8本で最も浅い。

これから効くもの:構成銘柄が利回り重視なので、金利低下局面では戻りも相対的に鈍い可能性がある。ただし本記事では構成銘柄を確認していない。

🏠JREITの個別銘柄

ETFが2割下げているのに対し、個別には4割〜5割下げているものがある。NAV倍率(保有不動産の時価に対する割安度)も同時に見られる。

なぜ復活するかもしれないか

NAV倍率が0.7倍なら、市場は保有不動産の鑑定評価より3割安い値段を付けている。ただしNAVは出口の値段ではない。鑑定どおりに売って借金を返して配れる保証も、いつそうなるかの期限もない。

コード名前価格分配金利回り最高値から高値の時期価格1年価格5年総5年分配金の推移NAV倍率 1口NAV 1日の売買代金
3455ヘルスケア&メディカル投資法人¥95,200+6.8%-53.4%2022-09-18.1%-38.4%-20.9%ほぼ横ばい0.74倍 ¥129,499 42.16億円
3492MIRARTH不動産投資法人¥78,500+7.0%-39.9%2021-06-16.6%-28.2%-3.8%ほぼ横ばい0.74倍 ¥105,967 7.59億円
3290Oneリート投資法人¥74,400+6.5%-40.9%2019-12-16.2%-24.7%-0.6%ほぼ横ばい0.78倍 ¥94,861 2.88億円

3455 ヘルスケア&メディカル投資法人

2022年9月の高値から半値以下。それでいて1日の売買代金は42億円とJREITで突出して厚く、いつでも降りられる。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:ヘルスケア施設に特化した小型REIT。2022年9月の高値から半値以下になった。金利上昇に加え、時価総額431億円という規模の小ささが効いている。

これから効くもの:見るべきは分配金が続くかどうかである。ただし本記事はこの銘柄のLTV(借入比率)・固定変動比率・借換えの時期を調べていない。金利上昇局面で最初に分配を削るのは、借換えが近く固定比率の低いREITである。ここは自分で決算短信を確認する必要がある。

3492 MIRARTH不動産投資法人

この一覧で実測利回りが最も高い。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:MIRARTH(旧タカラレーベン)系の総合型。2021年6月の高値から4割。

これから効くもの:3455と同じく、借入の条件を自分で確認する必要がある。

3290 Oneリート投資法人

オフィス主体。2019年12月の高値から4割。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:オフィス主体。在宅勤務の定着でオフィス需要が読みにくくなったことと、金利上昇が重なった。

これから効くもの:オフィスの空室率と賃料が効く。ただし本記事は個別物件の稼働率を確認していない。

💣ハイイールド社債(為替ヘッジあり)

東証で買えるハイイールド債ETFは実質この1本しかない。米国上場の同種は5年で+15〜+27%とそろってプラスなのに、これだけがマイナスである。

なぜ復活するかもしれないか

中身の社債が値下がりしたのではなく、円ヘッジのコストを払い続けた結果である可能性が高い。ただし本記事はヘッジコストの実額を測っていないので、断定はできない。

コード名前価格分配金利回り最高値から高値の時期価格1年価格5年総5年分配金の推移
1497iシェアーズ 米ドル建てハイイールド社債 ETF(為替ヘッジあり)¥1,732+6.0%-31.5%2017-08-5.8%-27.2%-4.5%ほぼ横ばい

1497 iシェアーズ 米ドル建てハイイールド社債 ETF(為替ヘッジあり)

2017年8月の高値から3割超。米国上場のSHYGは同じ5年で+26.9%だった。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:中身の米ドル建てハイイールド社債が下がったのではない。米国上場の同種(SHYG)は同じ5年で+26.9%だった。差は円ヘッジのコストである可能性が高い。

これから効くもの:日米の短期金利差が縮まればコストは軽くなる。日銀が利上げを続け、米国が利下げに向かえば差は縮む。ただし本記事はヘッジコストの実額を測っていないので、どれだけ軽くなるかは言えない。

🇺🇸米国上場(ドルで買う)

日本の証券会社からドルで買える銘柄です。価格は米ドル建てで表示しています。日本10年国債2.987%に対し、米国10年国債は4.794%です。

🇺🇸米国のREIT(米国上場)

日本の証券会社(SBI・楽天など)からドルで買える。日本のREITより下げ幅が大きく、利回りも高い。ただし「下がった理由」が3本とも違う。

なぜ復活するかもしれないか

金利が下がれば戻る余地はある。ただし下の表の総5年を見てほしい。同じように半値近くまで下げていても、分配金を含めれば増えていたもの(KBWY)と、含めても減ったもの(MORT・REM)に分かれる。

コード名前価格分配金利回り最高値から高値の時期価格1年価格5年総5年分配金の推移
MORTVanEck Mortgage REIT Income ETF$9.73+15.3%-61.5%2017-09-9.7%-48.8%-6.9%ほぼ横ばい
REMiShares Mortgage Real Estate ETF$21.62+9.0%-54.1%2017-08-1.6%-40.2%-8.0%ほぼ横ばい
KBWYInvesco KBW Premium Yield Equity REIT ETF$17.922+8.3%-53.0%2017-02+12.4%-22.5%+15.6%ほぼ横ばい

MORT VanEck Mortgage REIT Income ETF

10年の最高値から6割超。実測利回り15.26%はこの記事で最高。ただし分配金を再投資した総5年は −6.9% で、高い分配は元本の目減りを埋められていない。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:実物の不動産を持たず、住宅ローンを束ねた証券に投資するmortgage REITである。安く借りて高く貸す差で稼ぐので、金利が上がって借りるコストが増えると差が潰れる。

これから効くもの:効くのは長短金利差である。短期金利が下がって長短の差が開けば収益は改善する。ただし分配金を再投資した総5年は−6.9%で、利回り15.26%は元本の目減りを埋められていない。この構造が変わる根拠はこの記事に無い。

REM iShares Mortgage Real Estate ETF

MORTと同じmortgage REIT。総5年 −8.0%。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:MORTと同じmortgage REIT。分配金は5年で−13.0%と減っている。

これから効くもの:MORTと同じドライバー。分配金が減り続けているので、表面利回りだけで判断すると外す。

KBWY Invesco KBW Premium Yield Equity REIT ETF

同じく半値近いが、こちらは実物の不動産を持つ小型REIT。総5年は +15.6% でプラスを保っている。価格1年も +12.4% と反転している。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:実物の不動産を持つ小型REIT。金利上昇と、小型ゆえの流動性の薄さが効いた。

これから効くもの:同じ半値近い下落でも、分配金を再投資した総5年は+15.6%とプラスを保っている。価格1年も+12.4%と反転している。3本のmortgage REIT系とは中身が違う。

🇺🇸米国債(為替ヘッジなし・米国上場)

円ヘッジ付き(2621など)と同じ資産だが、為替の影響をそのまま受ける。ドル円158.72の円安がクッションになっているぶん、円ヘッジ版より下げが浅い。

なぜ復活するかもしれないか

金利が下がれば戻る。ただし円高になれば円換算では削られる。ヘッジありは為替を消す代わりに金利差ぶんのコストを払い続ける。どちらを取るかの選択であって、有利不利ではない。

コード名前価格分配金利回り最高値から高値の時期価格1年価格5年総5年分配金の推移
TLTiShares 20+ Year Treasury Bond ETF$81.95+4.8%-52.1%2020-07-8.3%-43.2%-32.3%増えている
VGLTVanguard Long-Term Treasury ETF$52.62+4.8%-49.5%2020-07-7.5%-40.0%-28.1%増えている
TLTWiShares 20+ Year Treasury Bond BuyWrite Strategy ETF$21.14+11.6%-41.6%2022-09-9.6%——判定不能

TLT iShares 20+ Year Treasury Bond ETF

20年超。総5年 −32.3%、総10年でも −17.2%。10年持って分配金を全部再投資してもマイナスだった。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:20年超の米国債。2020年7月の高値は金利がほぼゼロだったときの値段で、そこから金利が4.794%まで上がったぶん価格が落ちた。

これから効くもの:分配金は5年で+80.2%増えている。価格が下がったのは、受け取る金額が増えたことの裏側である。米国の長期金利が下がれば価格は戻り、そのとき分配金は減る。2021年以降の利上げ局面で実際に何が起きたかは、総10年が−17.2%という数字が示している。

VGLT Vanguard Long-Term Treasury ETF

TLTとほぼ同じ動き。経費率は0.03%と安い。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:TLTとほぼ同じ動き。経費率0.03%はTLTの0.15%より安い。

これから効くもの:TLTと同じドライバー。長く持つなら経費率の差が効く。

TLTW iShares 20+ Year Treasury Bond BuyWrite Strategy ETF

TLTにカバードコールをかけたもの。実測利回り11.64%だが、価格1年 −9.6%。利回りの高さは価格の下落と表裏である。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:TLTにカバードコールをかけたもの。原資産が下がったうえに、上値を売る仕組みで戻りも抑えられる。

これから効くもの:★分配金が3年で−53.6%と半減している。利回り11.64%は「いま」の数字であって、続いてきた数字ではない。金利が下がってTLTが戻っても、この商品は上値を売っているので戻りが鈍い。

🎰グローバルX等の高配当・カバードコール(米国上場)

毎月分配で利回りが2桁のものが並ぶ。最高値からの下げも大きいが、この区分は「価格が下がること」が設計に組み込まれている。

なぜ復活するかもしれないか

カバードコールは上値を売って分配金に変える仕組みなので、原理的に価格が伸びにくい。だから「最高値から何%下げたか」だけを見ると本質を外す。総5年を必ず横に置くこと。QYLDは価格が5年で −17.5% でも、分配金を再投資した総5年は +51.7% である。

コード名前価格分配金利回り最高値から高値の時期価格1年価格5年総5年分配金の推移
SDIVGlobal X SuperDividend ETF$25.22+8.9%-62.1%2018-01+5.2%-36.5%+7.9%減っている
RYLDGlobal X Russell 2000 Covered Call ETF$16.16+11.6%-37.5%2019-07+7.4%-35.1%+16.5%減っている
QYLDGlobal X NASDAQ 100 Covered Call ETF$18.21+11.7%-27.6%2018-08+7.1%-17.5%+51.7%減っている

SDIV Global X SuperDividend ETF

世界の高配当株100銘柄。最高値から6割超。総5年 +7.9%。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:世界の高配当株100銘柄。高配当を維持するために、株価が下がって利回りが上がった銘柄を組み入れ続ける設計になりやすい。

これから効くもの:★分配金が5年で−24.5%と減っている。取得価格に対する利回りが育つ形にはなっていない。

RYLD Global X Russell 2000 Covered Call ETF

米国小型株にカバードコール。実測11.62%。総5年 +16.5%。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:米国小型株にカバードコール。小型株が大型株ほど戻らなかったことと、上値を売る仕組みが重なった。

これから効くもの:★分配金が5年で−33.6%とこの一覧で最も減っている。利回り11.62%の分母(価格)が下がったことで高く見えている面がある。

QYLD Global X NASDAQ 100 Covered Call ETF

最も知られたカバードコール。価格は5年で −17.5% だが、総5年 +51.7%、総10年 +149.2%。「元本が減ること」と「リターンが出ること」は両立する。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:最も知られたカバードコール。NASDAQ100が上がっても上値を売っているので価格が伸びない。設計どおりの動きである。

これから効くもの:★分配金は5年で−18.9%減っている。ただし総5年は+51.7%、総10年は+149.2%でプラスを保っている。「元本が減ること」と「リターンが出ること」は両立する。値上がりを取りに行く商品ではない。

📉米国株ETF(ここは1本だけ)

米国株のETFはほぼ全部が高値圏にある。SPY・QQQ・VTI・VTはいずれも最高値から3.9%以内。セールと呼べるものは1本しかない。

なぜ復活するかもしれないか

成長株に集中したファンドで、2021年1月の高値から4割近く下げたまま戻っていない。ただしこれは金利ではなく、中身の銘柄が売られたことによる。ほかのセール品とは原因が違う。

コード名前価格分配金利回り最高値から高値の時期価格1年価格5年総5年分配金の推移
ARKKARK Innovation ETF$83.39+0.0%-39.3%2021-01-3.4%-24.6%-23.3%判定不能

ARKK ARK Innovation ETF

2021年1月の高値から −39.3%。総5年 −23.3%。分配金は出ない。

なぜ下がったか/これから効くもの

なぜ下がったか:ほかのセール品と原因が違う。金利ではなく、中身の成長株が売られたことによる。2021年1月の高値は金融緩和の最終局面だった。

これから効くもの:分配金はゼロなので、待っている間に受け取るものが無い。戻るかどうかは中身の企業が伸びるかどうかだけで決まる。この記事はその判断材料を持っていない。

セールではないもの

対比のために並べます。株・金・銀・海外REITは高値圏か、それに近いところにいます。

コード名前最高値から価格5年補足
1306NEXT FUNDS TOPIX-0.8%+103.4%高値圏。5年で価格が2倍になっている
1321NEXT FUNDS 日経225-9.1%+119.4%高値圏
1655iシェアーズ S&P500 ETF-1.5%+148.2%ほぼ高値
1540純金上場信託-15.1%+252.9%高値から15%下げているが、5年では2.5倍。押し目であってセールではない
1542純銀上場信託-46.6%+316.0%高値から46.6%下げているが、5年では4.2倍。上げ過ぎた後の調整
2515NEXT FUNDS 外国REIT-6.0%+42.5%円建ての海外REIT。下がっていない
SPYSPDR S&P500 ETF(米国上場)-0.2%+78.3%ほぼ最高値
QQQInvesco QQQ(NASDAQ100・米国上場)-3.9%+98.1%5年で価格が約2倍
VTVanguard 全世界株式(米国上場)-0.3%+57.2%ほぼ最高値
USRTiShares Core 米国REIT(米国上場)-3.7%+11.4%同じ米国REITでも、実物不動産を持つ大型はほとんど下がっていない
DIVOAmplify CWP Enhanced Dividend Income(米国上場)+0.0%+38.3%カバードコールなのに最高値。価格も5年で+38.3%

データの罠 — 除外したもの

2558 / 2559

MAXIS 米国株式(S&P500) / MAXIS 全世界株式

見かけ上の数字: Yahoo Financeのデータでは1年で −87.8% / −87.6%

実際: 同じS&P500に連動する1655は同じ1年で +22.6%。指数連動のETFがこれだけ乖離することはない。分割の記録がデータに入っていないだけと考えられるため、この記事では除外した。

番外編として商社(1629・三菱商事・三井物産・伊藤忠・住友商事・丸紅・豊田通商)も調べましたが、セールではなかったので別のコラムにまとめました → 🚢 商社ETFと個別

買う前に必ず読む注意

最高値からの下落率だけで選ばないこと

分配金を含めた総リターンを必ず横に置いてください。下落率が同じくらいでも、増えていたもの(KBWY・QYLD)と、含めても減ったもの(MORT・TLT)があります。

「安い」と「戻る」は別の話である

過去10年の最高値からどれだけ沈んでいるかを測っただけで、いつ・どこまで戻るかを決められる材料はこの記事にありません。金利がさらに上がれば、もっと沈みます。

NAV倍率は出口の値段ではない

NAV倍率が1倍未満でも、それは鑑定評価と市場価格の比較にすぎません。鑑定どおりに物件を売って借入を返し、残りを配れる保証も、いつそうなるかの期限もありません。

為替ヘッジのコストは金利差ぶん払い続ける

為替ヘッジありの商品は、日米の短期金利差ぶんのコストを保有している間ずっと払います。金利差が開いている限り効き続け、価格が戻っても手取りはその分削られます。

JREITの分配金には一時的な要因が混じることがある

分配金利回りの中には、物件の売却益のような一時的な収益が含まれていることがあります。表面の利回りの数字だけで「高いから買い」と決めないでください。

この記事が調べていないこと

信託報酬、分配金の原資の内訳、REITの借入の金利構成(固定・変動の比率)、今後の増資の予定は調べていません。買う前に各運用会社の開示資料で確認してください。

出典

Yahoo Finance の10年分の月次終値と実際の分配金支払い履歴(自前集計)。NAV倍率は japan-reit.com 2026-09-02。